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水着と伝説

真子は真斗の家に来ると…

「真琴ちゃん、ちょっといい?」

と言って、

真琴の部屋に二人で入って行った。



「お姉ちゃん、その袋なに?」


「ああ、この中はね…」


そう言って真子は真琴に紙袋の中身を見せる…。


「…コレって…水着?」


「うん、学校のね。真琴ちゃんのだよ。」


「えっ、ボクの?」


「そうよ。

多分サイズあってると思うけど…

着てみてよ。」


「うん…ありがとう」



「二人共なにやってんだろ…」

真斗は自分の部屋でマンガを読みながら考えていた…


(あ〜もう、

気になって内容が入ってこないなぁ…。

…テレビでも観るか)


真斗がテレビをつけると、

水着のCMがやっていた。


(まだ5月なのに…早くね?、

でも暑いからなぁ…。

今年はマコもいるんだよなぁ、どんな水着なんだろ?)


真斗達はほぼ毎年

家族で海に行く、でも行くのは8月の夏休み。


(まだ3ヶ月も先かぁ、長いなぁ)


コンコン


「真斗、ちょっといい?」


ドアの向こうから真琴の声が…


(何で外から?

入ってくればいいのに…)


「なに?」


「…その…真斗はボクの水着姿見たい?」


(なにぃ、水着姿だとぉ!)

「見たいに決まってるじゃん!」


「じゃあ…」


ガラガラッ


真琴がそう言うと扉が開いた。


そこには…

スクミズ姿の天使が…。


「どう…かな?」


「…可愛い…まさに天使だ!」


「ありがとね。

ねぇ真斗、プール行かない?」


「えっプール…」

つい、プールで微笑む真琴を想像すると…タラッ…

「うっ!」

…鼻血が出た…。


「ったく…

水着姿で鼻血出してどうすんのよ…」


「あ、お姉ちゃん!」


そこには水着姿の真子が居た。


「…姉ちゃん、着替えたんだ…」


「…私だと、何も起きないのね…」


「でさ、プールって…ドコ?」

(この時期は隣町のプールはやってないし…)


「学校だよっ!」


「学校?…でも…」

(あそこ温水プールだけどさ…

今日やってないし…)

「大丈夫よ。

私がちゃんと連絡しといたから、『新入生の子のタイムを計りたい』って」


「なるほど…」


「じゃあ、今から行こっか!」


「えっ今から?

俺、準備とか…」


「いいの、買ってあるから。」


何で買ってあるんだ?

まぁ、いっか…



2台の車が田舎道を走る。


「ねぇ真斗、

本当にこんなコトに学校があるの?」


「あるよ…」


まわりは田んぼだらけの田舎道…

まぁムリもない。


(アレ?、曲がるの?)

「…まさか…」

(姉ちゃんあそこに行く気じゃ…)


「どうしたの?」


「姉ちゃん多分、

渋谷峠に行くよ」


「…渋谷峠…」


「学校の裏山で、

伝説があるんだよ」


「伝説?」

(まさか…)


「うん、陸兄に聞いたんだけどさ…

伝説の…

女の子の走り屋が居たらしいんだ、

そのタイムレコードは今も破られてないって噂だよ」


(それって…もしかしたら…)

「その走り屋って、

お姉ちゃんかも…」


「えっ?

姉ちゃんが!?」


「うん、叔父さんが同じコト言ってたの

『渋谷峠のクイーン』って…」


「…クイーン?」



「うん…」

マコがそう言うと、姉ちゃんの車が駐車場に入る。



真子の車の隣に真琴が車を止めると…


姉ちゃんがいきなりこう言った…

「真琴ちゃん…

ちょっと私と走ってくれないかな?」




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