大日本帝国
「はあ、久々の遠洋航海だなあ…。」
斎藤海将補は基本陸上で業務をこなしていたため、航海に出るのは何年振りかなのだ。
その中、電信員が突然叫んだ。
「気象庁より電文です。現在艦隊航路上に軽いスコールあり。気をつけられたし。」
「気象庁、古い言い回しをするなあ…。航海長、進路そのままで走れ。」
「進路変更しないで大丈夫ですか?」
「『軽い』スコールなのだろう?ならば大丈夫だ。」
「は、はあ…。」
航海長はこれに異変を感じていた。行ってはいけないと疳の虫が騒いでいるのだ。
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「現海域が気象庁より発表のあった海域なのですが…。スコールなんて見当たりませんね…。予報が外れたんですかね?」
「そうかもな。まだ精度は100%ではない。外れても不思議ではないさ。」
「そうですね…。」
突如、暗雲が空に立ち込めた。
「んん!?外れていたわけではないようだな…。」
「そのようですね…。」
その瞬間、雷が光り、艦隊はその中に飲み込まれた。
「ん、んん…。スコール、突破した模様で…。ん!?」
「どうした?」
「い、いや、あ、あの…。」
「何だ?」
「レーダーにて大型艦の反応ありッ!味方じゃありませんッ!距離、左舷45°、300km!」
「何ィ!?電文送れッ!」
ー連合艦隊旗艦「長門」ー
「やッ!山本長官!謎の艦隊より電文です!」
「何だ?!読め。」
《貴艦ハ何者ナルヤ?我、日本海上自衛隊所属、ヤマトデアル。》
「何なんだその電文は!?と、取り敢えず返電せよ!」
「はっ!」
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「返電来ましたッ!」
「読め。」
《我、連合艦隊旗艦、長門デアル。海上自衛隊トハドノ様ナ組織デアルカ?》
「…な、長門ッ!?なぜ長門がここに…。お、応答せよ。我々は未来から来たものだ、とな…。」
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《我々ハ西暦二〇六×年ノ未来カラ参ッタ。我々ハ何故此処ヘ来タノカ不明デアル。》
「な、なんなのだこれは…。未来から…来た…?」