戦艦日向
ドゴォォォォ…という轟音と共に、呉の海軍軍港は煙に包まれた。これは戦艦日向の第五砲塔暴発のためである。第五砲塔暴発は竣工直後からあり、危惧されてはいたのだが、それがまた起こってしまったのだ。これは聞く話によると第五砲塔の癖らしく、砲塔内に電流が逆流するそうだ。
ただ、斎藤海将補は不謹慎ながらも、これはチャンスだ、と思っていた。何故なら、史実では1943年に完了した航空戦艦化が、今出来るのだ。これは日本の航空戦力拡大になるだろう…。そう思ったのだ。
「よし、思い立ったが吉日、山本長官に具申しよう。」
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「山本長官、ここは大和と同じく、日向も航空戦艦化を急ぐべきです!」
「やはりそう考えていたのか。私もそう言うだろうなという予感がしていたのだ。」
「史実では、大戦後期…、つまりは戦況が悪化の一途を辿ってから完了しました。これを今の時期にできるというのは大きいです!」
「そうだな、呉工廠に頼んでおくよ。」
「お願いします!あと、同型艦である伊勢も心配ですので、そちらも具申します。」
「そうだな、そちらも頼んでおこう。」
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これで覇号作戦の完了スピードが一段と増すはずだ。史実では20機程度が搭載可能だったはずであるから、伊勢若しくは日向と利根型で偵察、残りの航空戦艦は後方から真珠湾を攻撃しよう、そうしよう。
そう言って独り合点すると、また覇号作戦要綱の訂正に手をつけ始めるのであった。
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そして、その覇号作戦要綱が書き終わるとフッ…と思い出した。
(艦隊の全指揮を執るには大きな艦橋が必要だ。あと、コンピューターも必要だ。そのコンピューターを載せよう!)
「マイク、艦長。えー…、艦内へ告ぐ。船員の中でコンピューターに詳しいものがおれば、直ちに艦長室へ来るように。以上。」
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…数分後。集まってきたのは三名だった。
「よし、それじゃあちょっと頼みがあるんだ。」
「「「はいっ!」」」
「そんなに畏るなよ。で、だな。コンピューター…もといパソコンを自作したことはあるか?」
「「「勿論です!」」」
「おお、それでだな…。今から作ろうと思えば作れるか?」
「資材はどこに…?」
「今から海軍に用意させるさ。まだ海軍にも提案していないんだ。」
「そうでしたか。では、いつでも。」
「…艦長、載せるとしたら高雄型ですか?」
「おお、よく分かったな。」
「巨大な艦橋で有名でしたので…。では、失礼します。」
「おう、また呼ぶ。」
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「山本長官、何度も申し訳ないのですが…。」
「今度はなんだ?」
「高雄型に改修を加えたいなあ、と思いまして…。」
「どの様な改修だ?まさか艦橋を一回撤去なんて言うんじゃないだろうな?」
「そんな事言いませんよ。電子機器の導入ですよ。」
「ほう…。どの様なメリットが?」
「高雄型といえば巨大な艦橋ですよね?それを利用して、指揮能力のさらなる向上、ですかね。」
「ほうほう。それなら電子機器はどこから?」
「それなのですが、こちらを用意していただきたい。」
「…り、了解した。できるだけ最善を尽くそう…。」
「無茶な事言ってすいません…。」
少々遅れました!
すいません…。




