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" ただただ不自然だった " 、そう言う他ない光景が今眼前で繰り広げられている。
片や、バスターソードと呼ばれる大剣を、風を巻き上げるほどの速度で振るい
片や、奇剣と言われるであろう黒い刀を振るい、自身に向う刃の全てを押し返す
通常、普通の人が行える動きが1つとして含まれていない、力と技量の根比べとも言えるものがそこにはあった。
話は数刻遡る。
大型の魔物〜後に "ベヒモス" と名付けられる〜を打ち倒した3人(2人と1匹?)が、E-5の元に戻ってくる。
お姉さんとお兄さんは、少し焦りの滲んだ心配げな表情をしていた。
それもそのはず、危険因子が目前に迫っていたとはいえ、戦闘未経験の子供一人をその場に放置するような形になってしまったからだ。
いつもならば、外壁の外にいる子供には1人以上の戦闘が可能な大人が連れ添うのが一般的とされている。今回は同時出現数の多さや、一応とは付くものの戦闘が可能な状態だということから、例外措置をとらざるを得なかった。
そのことで2人は少しの負い目と、多大な心配を抱えて戻ってきたのである。
その横にいる青い鳥は、飄々とした感じで周囲の瓦礫を破壊しているのだが・・・
「坊主!大丈夫だったか?」
「あ、はい。特に問題はありません。数度小型の魔物が出たんですけど、襲われる事なく無視されました。」
「あぁ、よかったわ。あんな大型が出てる状態では、小型はあまり活動的にならないって頭では分かってても、1人で置いていく形になったのは凄く心苦しいもの。」
「お姉さ、わっぷ」
お兄さんは大声で確認し、お姉さんは戻ってくると同時にそのまま抱きしめてくる。E-5は胸で顔を覆われ、声が出せなかったが凄く嬉しかった。父は物心つく前に亡くなり、母は魔物に襲われた際に離ればなれになっている。こうやって心配してもらう事が本当に久々だったのだ。
その光景の横で、青い鳥が必死に地面をならして整地しているのだが・・・
えっと、久々すぎてキャラの口調なり行動がぶれてるかもしれないですが、見逃してくださいお願いします。
色々と一段落したので、不定期ですが少しずつ更新していこうと思います。