表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/59

第2話 こんなので来るのかな。


 『まぁ、こんなのフツーのやつはメッセくれないよな』


 俺は、期待せずにスマホを閉じる。


 

 先輩が教えてくれたアプリは、真剣な出会いをメインとしつつ、非合法でなければなんでもあり。多様な出会いを提供しているのがウリらしい。


 男性が登録したデータをAIがマッチングして相手の女性に送ってくれ、それに女性がOKすれば、男性に通知が来るという仕組みだ。


 俺は初めてなのでわからないのだが、こういうアプリでは女性側に何百人もの男性からアプローチがあることが普通らしく、AIが最小人数だけを見繕みつくろってくれるこのアプリは、存外、女性には好評ということだった。


 

 そんなことを考えていると、課長に声をかけられた。

 「おい、高咲たかさき。この前の案件なんだが……」

 俺は席を立った。



 会社は繁忙期で、毎日が慌ただしく過ぎていく。

 アプリのことなんて、すっかり忘れていた。


 仕事が終わって家で缶ビールを飲んでいると、急にアプリのことを思い出した。

 『あ、アレどうなってるんだっけ』

 俺は、期待せずにアプリを開く。


 すると、そこにあったのは「1人の女性があなたに関心を持っています。マッチングしますか?」という通知だった。


 早速、相手の女性の登録情報を見てみる。


 名前は「まひる」。

 俺より一つ下か。出身は東京の◯◯区。

 ……前に住んでいたところじゃん。埼玉って書いておいてよかったぁ。


 なになに。

 趣味とかは結構近いかも。


 写真はないけれど、SNSがリンクしてるや。

 

 最近の子って、こういうの怖くないのかね?


 リンクを覗いてみると、お気に入りのカフェや遊びに行った場所など。

 大きなクレープの写真もあった。

 いかにも今時の子って感じだ。


 なんだか大学みたいな建物も写ってるぞ。

 大学生かな? 

 おいおい、警戒心なさすぎだろう。


 何枚かは手とかが写り込んでいた。ネイルもちゃんと入ってるし、太ってもいなそうだ。オシャレっぽかった。


 通知の最後には「わたしも色々あって、そういう関係の人を探しています。良ければ、やりとりしませんか?」というメッセージが添えてあった。


 俺は半信半疑で返信することにした。

 

 「ぜひ、お願いします。リンク見ました。クレープ美味しそうですね! それと、SNSのリンクはやめた方がいいと思いますよ。個人情報とか危ないっていうか。クレープの写真見たくせにすみません!!」


 すると、すぐに返信がくる。


 「っw。SNSのこと、教えてくれてありがとうございます。わたしもうなぎさんのプロフィール見ました。映画とかアニメとかわたしも好きです。良ければ、メッセンジャーでやりとりしませんか?」


 「ぜひ、お願いします。俺の番号はxxx-xxxx-xxxx。そっちから登録お願いします。あと言いにくいんだけれど、後からも気まずいので確認しとくね。これ、いわゆるセフレの募集です。もちろん、金銭等の授受は一切無し。ご飯行ったりもOKですが、基本、ホテルで会うだけになるかな」


 すると、少し間をおいて返信がきた。


 「さっそく、登録しました。まひるという名前で通知きたらOKしてください。それと、確認のこと、わかりました。はっきり言ってもらえて、わたしもそっちの方がいいです」


 こうして、まひるとのやりとりが始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングサイトに登録しました。 面白いと思っていただけたら、クリックいただけますと幸いです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ