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第11話 幼馴染それはリベンジの対象。


 翌日は仕事をしながら、まひるのことばかり考えていた。


 今のこと、昔のこと。

 


 あいつと初めて会ったのは小学生の頃だった。

 マヤはスポーツ万能でみんなの人気者。

 中学になると、学業優秀、スポーツ万能で男女問わずに相当モテていたと思う。


 一方、俺は肥満体型のアニオタでコンプレックスの塊だった。

 男子には仲良くしてくれるヤツもいたが、女子からはバイ菌扱いされていた。


 俺を見ると女どもは「臭い」だの「きもい」だのと汚物を見るような目で遠ざかっていく。


 だけれど、マヤはそんな俺にも優しかった。

 家が近かったこともあるが、毎日、家まで迎えに来てくれて、アニメの話をしながら学校まで行く。

 俺の体型のことも『可愛い』といってくれるし、普通に接してくれる。


 俺はそんなマヤのことが好きだった。

 だけれど、劣等感が強かった俺は、断られることが怖くて、素直に気持ちを伝えることができなかった。


 ある頃、マヤが急に不機嫌になり、俺を避けるようになった。

 

 そして、俺は聞いてしまったのだ。

 マヤとクラスメイトの陰口を。

 

 クラスメイトは、小馬鹿にするような顔で話している。

 「あのデブ……、だよ。マヤも思わない?」


 マヤは不機嫌そうな顔で。

 「まじキモイ」


 きっと俺のことだ。

 俺は、不意に地面に叩き落とされた羽虫ような気持ちになった。

 

 マヤのことだけは信じていたのに。

 裏切り者。


 それからのことはよく覚えていない。

 それからの俺は、マヤのことは一切、無視して過ごした。


 迎えに来てくれても、一緒に行かなかった。

 話し掛けられても、聞こえていないフリをした。

 そのうち、男女問わず、誰のことも信じられなくなった。

 

 俺は中学を卒業すると、実家の都合で遠いところに引っ越した。


 高校に行っても人間不信は癒えなかった。

 半年ほどで不登校になった。


 なんとか追試や補講を駆使して、かろうじて卒業はできたが大学は諦めざるを得なかった。


 中学の時の俺は、勉強は誰よりも得意だったのに。

 大学なんて、行って当然だったのに。


 高校生活を無為むいにされたのも、大学に行けなかったのも。

 全部、あの女のせいだ。



 昔のことを考えているうちに、まひるへの恋心のようなものは消え失せた。

 今は、どう仕返しするかばかりを考えていることに気づいた。


 アイツは俺に気づいていないよな……?

 気づいていると都合が悪い。


 どうやって仕返ししようか。

 あの女を物の様に扱うことで、少しは気持ちが晴れそうな気がする。


 

 目の前で足をひろげさせて自慰でもさせるか?

 命令して、他の男とセックスでもさせるか?



 考えているとイライラしてくる。 


 つか、なんで俺がいつもおごってるんだよ。

 あいつ、パパ活でもしてるんじゃねーの?


 金もってるだろーし、全部、自分で出させるか。


 自分の中の黒い怨嗟えんさが溢れ出してきて、ゲスで加虐的な妄想が止まらない。


 

 ……ふぅ。

 俺は、深呼吸をする。


 まあ、あいつは、顔もいいし、俺に従順だし、セックスもいいし、セフレとして最高の素体なことには変わりはない。


 それに、嫌いな女だと思うと、逆に興奮と支配欲が掻き立てられるのも事実だ。


 せいぜい、あいつが幼馴染だと気づくか嫌になるまで、性の吐口にさせてもらおうか。



 

 



 

 

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