ライラ先生の魔法講座②
本日2話目です
模擬戦が終わった時には周りは元に戻っていた。いったい何が起こっていたのだろうか?またライラに責められて模擬戦しろとか言われたらだるいなぁ。
これにて激しい模擬戦は終わりを迎えた。
「あれ?ああぁまけたぁ。」
「起きて早々それか。元気なようで何よりだ。」
気絶していたので心配していたが必要はなかったようだ。
「トウカ様ってあんなに動けたんですね。二重で加速かけたのに、かわされた上に攻撃までされるとは…。私もまだまだですねぇ。」
負けたことを納得してくれているらしい。謎の現象が起こらなければ俺は負けていたなんて言えない。そんなこと言ったらまた実験の後、模擬戦をしろと言われる。
「まあでも俺とお前が本気で戦ったら、お前の方が断然強いだろ。」
「それはそうです。私は攻撃系の超級魔法を使ってませんからね。」
「何いばってんだよ。よく考えてみたら、おまえ攻撃魔法じゃないが俺に教えてない超級魔法使って負けたよな。」
今のいままでわすれていた。ライラはフライという超級魔法を使っていた。俺は教わってすらないのに。
「い、いいじゃないですか。風魔法は攻撃魔法よりも身体強化の方が多いんですから。それでバランスが取れてます!」
「じゃあバランスを取った上で俺に負けたんだな。完璧に俺の勝ちじゃないか。」
「ぐぬぬ…」
まあそんなこと言わなくても、俺の勝ちに変わりはないのだが。
「そんなことより俺に超級以上の魔法を教えてくれよ。」
「そんなことって。散々私を煽っといて…。まあいいです。私はあなたに超級魔法をひとつしか教えられません。」
「なんだよ、まだ拗ねてるのか。負けは負けなんだから受け入れろよ。」
ライラがひとつだけとケチなことを言ってきた。流石に勝敗を引きずりすぎではないだろうか。
「ち・が・い・ま・す!そもそも私が氷魔法を使えないのに知ってるわけないじゃないですか。」
「じゃあなんで上級まで教えられたんだよ。」
「それは冒険者の頃に沢山の魔法を見てきましたから。教えたのは私の記憶に残っているものだけです。超級はひとつしか覚えていません。なのでひとつだけ教えることができるんです。」
なるほど、長生きは便利だな。俺も長生きしたいなぁ。
「そういうことか、じゃあ教えてくれ。」
「はぁ。わかりましたよ。まず初めにですが、超級魔法は強力な魔法です。なのでかなりの魔力を消費します。使うときは残り魔力量を考えてください。」
「ああ、分かったよ。」
「私が知っている氷超級魔法はフロストノヴァです。簡単に言うと氷の塊を空から落とし、落ちた場所一帯を氷漬けにする魔法です。」
「アイスフィールドの上位互換か。」
アイスフィールドは周囲の温度を下げる魔法だが、フロストノヴァは大きいアイスボールを当てた後に、広範囲にアイスフィールドを使う感じだろうか。どれくらい温度を下げるのだろうか。
「ここで使ってみてもいいと思うか?」
「ここならいいんじゃないですか。逆に人がいたら危ないですし。」
「魔法って致命傷は与えられないんだよな?なんで危ないんだ?」
「致命傷を与えられないだけで、周囲の温度を下げるわけですから間接的に影響が出ます。魔法が致命傷を与えられないのは、刺突や打撃のある魔法では人を殺すのは無理という話です。風魔法で石を飛ばして頭にぶつけたり、氷魔法で周囲の温度を下げたりするのは魔法で起こった影響ですから魔法ではないです。なので人を殺せます。」
魔法に人を殺す能力はないが、魔法で起こった影響で人を殺すことはできるようだ。俺は魔法で殺してるのと一緒だと思うのだが。
「それって魔法に殺傷能力があるってことじゃないのか?」
「そこなんですよね。昔の魔法を研究していた偉い学者が、魔法には致命傷を与えることはできない。殺しているのは環境だ!って言ったんですよ。」
「間違ってはないんだがなぁ。」
俺は人としてどうかと思った。どんな研究してたんだよ。
「まあいいや。超級魔法を使ってみよう!」
「新しい魔法って嬉しいですよね。テンション上がるのもわかります。でも魔力操作をミスらないでくださいね。」
「ああ、魔力を循環させて…いくぞ『フロストノヴァ』!」
突如、俺の上に氷の塊が現れた。それはそのまま俺の前方に落ちた。
「すごいな…。これが超級か。」
「あの、トウカ様。すぐにあの氷塊を消してください。寒いです。」
ライラがすごい震えていた。俺寒くないのに。
「どうすればいいんだ?」
「魔力操作を止めればいいです。ただ魔法使用中に止めたら誤爆しますので気をつけてください。」
「なるほど、こうか。」
俺は氷塊を消した。ライラはまだ震えているが。
「まだ少し寒いですよ。トウカ様は寒くないのですか?」
「全然寒くない。いつも通りだ。」
「でもたしかに術者が自分の魔法の影響受けるわけないですよね。トウカ様は寒くないようですが私は寒いです。でもここには温めるものがないです。トウカ様、私に抱きついて温めてください!」
まさかの唐突なアピール来ました!しかも俺のせいで寒がっているので、拒否することができない。つんだ。
「…これでいいか?」
「それでいいですよ。トウカ様、顔が真っ赤ですよ。」
「うるさい!」
男が女の子に抱きつくのに赤面しないやつの方がおかしいだろ。無心だ、無心。何も考えるな。
俺は何故かライラに負けた気がした。




