見知らぬ地にて
誤字脱字報告、感想、ブクマおねがいします。
「…ここはどこだ!?俺は死んだはずじゃ…」
唐突に目が覚め、ベタなことを言ってしまった。俺は全く知らない丘の上に寝ていた。つまりトラックに轢かれ死んだはずの俺は何故か生きている。
「いつから俺はここにいるんだ?そうだ怪我は…どこにもない。それどころか服も綺麗なままだ。もしかして轢かれる直前に異世界に召喚されたとか?」
異世界召喚。ラノベによくある展開だ。俺自身暇だったのでラノベ自体は沢山読みあさった。ほんとにあるとは思っていなかったが。
今いる場所は少し高くなっている丘の上だった。ここには1本だけ木があるだけでそれ以外は草花しかなかった。ここからあたりを見渡すとかなり広い草原で、どの方向にも5キロはありそうなほど広かった。それより先は森になっていて、森の先が見えないほど広かった。まさに樹海と言ったところだろうか。さらにここには川が流れており、森の向こうから流れて来て1度分かれて草原を囲み、また合流して森の奥に流れている。俺は自然の牢獄のように感じた。
「ここでじっとしてるわけにもいかないか。とりあえず川まで行ってみよう。ないとは思うが、もしかしたらまだ地球かもしれないしな。」
俺は川に向かって歩き始めた。
「はあ。ようやく川に着いたか。にしてもでかい川だなぁ。ん?どうして目の色が右目だけ違うんだ?轢かれた時に目に良くないものでも入ったのか?一体ここはどうなっているんだ?」
別に目だけならそこまで動揺なんかしなかった。ここまで自分の足で歩いてきて1時間くらいだろうか。ここまでただ歩いていたのではなく、色んなものを見渡すように見てきた。タンポポやシロツメクサ、スズランなど今まで見たことある花が沢山咲いていた。だが知らない花もあったし地球のものとは思えないような形の花もたくさんあった。それに季節や気候を無視するかのように多種多様色とりどりの植物が花を咲かせていた。
「ここにきてから謎が増えたなぁ。どうするかねぇ。とりあえずもう少し周りを見てここを出て森に行く準備をしよう。」
あれから3日もたった。というのもここを出るにも物がなさすぎた。川もかなり強く流れており渡ろうにも俺が流されてしまっては意味がない。ただ不思議と空腹になったり疲れたりはしなかった。そのためここまで3日もの間身体を動かし続けた。だが結局何も進展しなかった。
「ああぁぁぁぁぁぁ!ここはどこなんだよ!何日ここにいればいいんだよ!」
体力は無尽蔵でも精神的には疲れきっていた。結局嫌になって丘の上に戻ってきた。するとまさかの新たな発見があった。
「ん?なんだこれ。なんでこんなところにハッチがあるんだよ。」
丘の頂上のたった1本の木下にとってのようなものがついてあった。そのハッチは上から薄く土がかぶっていて、その上からカモフラージュする様に植物が生えていた。
「よしっ!やっと進んだ気がする!とりあえず開けてみるか。よいっしょっと。螺旋階段か?中は暗いな。どこまで続いているんだ?」
そのハッチを開けると中は螺旋階段になっていて中は相当暗く、壁には等間隔に使いかけの蝋燭がかけてあった。俺は少し降りてみようと足を踏み入れた。
「やっぱり暗いな。もうこれ以上先は何にも見えないな。どうしようか。外で火を焚いてつけてみるか…。」
悩んでいると突然後ろから順に蝋燭に火が灯っていった。なんとも不思議な光景だった。
「もう驚かないぞ。ここはそういう世界なんだな…。」
蝋燭の火の光を頼りに階段を降りていくと3分ほどで下についた。
壁にかけてある蝋燭の皿を手に持ちあたりを見渡すと少し開けた空洞になっていて、いくつかの棚が置いてあることがわかった。
「これは…保存食か?お腹は空かないがありがたくもらっておこう。」
棚にはかなりの量の保存食が置いてあった。そのまま歩いて探索していると壁に扉があるのを発見した。その扉を恐る恐る開けるとそこは廃坑のようになっていた。
「廃坑?じゃあここは昔使われてい地下坑道なのか?」
その廃坑の道は狭く大人の男1人がギリギリ通れる幅だった。そのまま進んでいくと何故か牢屋を見つけた。牢屋は5つあり、どれも格子の金属の部分は錆び付いていた。
「どうして廃坑に牢屋が?もしかして囚人の労働場所か?」
蝋燭の灯りを使って中を確認していくと最後の牢屋に人のようなものが見えた。
「鍵は…空いてるな。まあ生きていないとは思うが…。これは…エルフか?」
牢屋に捕らえられている人は耳が尖っており、汚れてはいるが金髪だった。これは間違いなくエルフだろう。ちなみに胸部に膨らみがあったので女性だろう。身長は俺よりは低い。ゲームやラノベで良く出てくる種族なので、エルフだということはすぐに分かった。
「エルフがいるってことは地球じゃないのは確定か。にしてもこいつはここに何年いるんだ?どうしてこんなところで…。可哀想だし供養してやるか。」
その時エルフは少し動いた。生きていたのだ。俺は着ている服もボロボロで肋骨がしっかり確認できるほど痩せ細っていたので死んでいると思っていた。
「おまえ生きているのか!?ここじゃあ衛生的に良くないな。よし、今からおまえを上に連れていくから抵抗しないでくれよ!」
俺は人生で初めてエルフを見てそのエルフの少女を助けた。
次回からはロウペースで進みます。




