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始まりの道

この世は力が全てである


この世界での力とは純粋たる力、すなわち戦闘力だ。

優れた指導力?先祖代々受けつがれてきた血統?そんな物は必要ない。

この世界で一番強い者が王となるのだ。

だが、今この世界の王は存在しない。

世界は六ヶ国に分かれている。

頂点に龍国、そして時計周りに獣国・魔国・天国・精国が円のように有り、中心に人国がある。

各国には違う種族が住んでおり、王が存在する。

現在は百年契約により各国が互いに抑制し合い、無血を保ってはいるがそれももう終わりに近くやがて世界中を巻き込んだ国同士の争いが始まるだろう。


これはその世界の王を目指す人国の少年の物語である。



町はずれにある小さな集落で一人の少年が声をあげる。


  「行ってくるね、お爺ちゃん!」


無造作で白と黒の入り混じった髪、まだ幼ささを感じさせる大きくて丸い琥珀色に輝く瞳を持った少年 エスケリエ・ロイ。


僕は目の前にある写真にそう告げると、整理され、暫くは戻る事は無いであろう小さな古屋を飛び出した。


  「もう行くのかい ロイ?」


そう尋ねるのは小さな頃からの顔見知りであるアーニ叔母さんだ。


  「うん。 僕ももう16歳だからね! 王都に行って養成学校へ入学するんだ。」


  「そうかい…寂しくなるねえ」


  「大丈夫だよ。いつか立派な王になって帰ってくるからさ。」


別れの言葉を告げその場を後にする。


名も無い集落の為、交通手段が無い。

王都に向かうには少なくとも町に行く必要がある。

徒歩で一番近い町へ約3時間程かけて向かい王都行きの馬車に乗り込む。


  「銀貨1枚だよ」


無愛想に馬車のおじさんが声をかける。

 

  (銀貨1枚…)


町や都の住人にとってはそうでもないのだろうが僕にとっては大金であり、財産の約十分の一程だ。

渋々手渡すと町を後にした。



瞼を開ける、約10時間程度経っただろうか。

闇に包まれていた野原を照らすように朝日が登り、光が満ちていく。


馬車のおじさんが唐突に口を開く。


  「見えてきたぞ」


今までに見たことの無い大きな建造物、数えきれない程の建物、色鮮やかな景色。

不安と興奮が入り混じった感情に胸が高鳴り無意識に拳に力が入る。


  (ここだ。ここから僕の道が始まる)



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