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LAST OF THE WORLD 世界の変革者たち  作者: とりのす日記
第一部
7/19

フェンリル王国

フェンリル王国全体図をはてなブログで公開しています!

https://torinosu-nikki.hatenablog.com/entry/2022/03/20/134439

イラストを使って分かりやすく説明しています。

~フェンリル王国・フェンリル宮殿~朝

アロンダ「ではそれぞれ役職の報告を」

カクセス「物資は一通り国民に行き渡っている。ただ最近奴隷の在庫が乏しいくて・・・騎士団はどういう働きで?」

→ウルフ教団幹部・フェンリル王国物資,奴隷商担当

サルヘン「騎士団は十分に働いている。しかし周辺地域の治安維持により盗賊自体も少なくなっている。外交に関しては問題ない」

→ウルフ教団幹部・フェンリル王国外交,騎士団担当

カクセス「盗賊を拘束しない騎士がいると聞いたが、その辺はどう説明するつもりだ」

サルヘン「騎士団が盗賊を拘束し、奴隷として奴隷商に売っていると、周辺諸国に知られたら、信用は地に落ちるだろう。何故それが分からん」

サルヘンは呆れた口調で言った。

カクセス「若造が知った口を聞くな!」

アロンダ「静粛に。サルヘン・カクセスご苦労だった」

ナランシュー「国民の工作活動は支障はない。ただ昨日市場街の者が誤って、王国側に入り、取引を見られたので拘束した。老人だったのでそのまま処刑した。もちろん隠蔽が済んでおる」

→ウルフ教団幹部・工作担当

パキング「王国の整備は順調だ。共に魔鉱石は十分だ。おいカクセス後で機材を持って来い。西門の再工事に使う」

→ウルフ教団幹部・建築,魔鉱石担当

カクセス「賭けに勝ったらやろう」

アロンダ「ナラシュー・パキングご苦労。バレット遺跡は問題ないか」

バレット「何も問題ございません。」

→フェンリル騎士団団長・遺跡担当

アロンダ「うむ」

アロンダ「勿論資金に関しては問題ない。皆の者好きに使えたまえ。ただ奴隷が減っているのは事実。その件を含めてサルヘン話がある。以上解散」

→ウルフ教団・族長・資金担当



〜フェンリル王国・ジンハウス〜昼

ジン「では行ってくる」

アン「いってきます」

ビリー「昨日もこんな感じだったな」

ジン「そうだったな」



~フェンリル王国・市街地~昼

アン「市街地に来たの2回目です」

ジン「一番最初私と出会った時以来か」

アン「はい」

ジン「まだ時間もあるし、王国の実態を話すか」

アン「お願いします!」

ジン「人も多いし、人気がいない所に移動しよう」



~フェンリル王国・市街地・桟橋~昼

ジン「フェンリル王国が、『王がいない王国』というのは知っているな」

アン「王がいないのに王国がついているのは変だと思いました」

ジン「理由はフェンリル伝説が由来となっている」

アン「フェンリル伝説?」



フェンリル伝説→

大昔小さな王国に「魔物の軍勢」が襲ってきた。国民は逃げ出そうとしたが、1人の戦士が武器を取り、軍勢に立ち向かい国を守った。それを天から見ていた神が、戦いを讃え神にしたとされている。その男の名はフェンリル。そして当時の王がフェンリルを讃え、フェンリル王国と名前を変えた。また王の座を退きフェンリルを讃える組織ウルフ教団を作った。



ジン「というのが、今日まで語り継がれている」

アン「初めて知りました」

ジン「まぁ然程、有名な話ではないからな」

アン「じゃあウルフ教団が今も統治しているんですよね」

ジン「そうだ。王国の腐敗の原因だな。」

アン「以前ビリーさんが少し不穏なことを言っていましたが、フェンリル王国ってそんなに酷い国なんですか。僕も色々調べて来ましたけどそんなに酷い事は書いていませんでしたよ」

ジン「外面はいい国で内面は腐敗した教団だ。金銭を独り占めし貪欲に走る。またそれを密告・詮索するものがいれば、誘拐や殺害、賄賂で黙らせる事もある。」

アン「初めて知りました」

ジン「昔はそうじゃなかったらしいけどな。今のムーン教団族長アロンダが族長の席に着いてから一気に腐敗したと聞いている」

アン「名前だけ聞いたことあります。まだ会った事ないですけども」

ジン「基本人前には出てこないからな」

アン「正直あまり会いたくないですけどね・・・」

ジン「だろうな」

ジンが笑った。

ジン「フェンリル王国全土、全ての民が汚れているわけではない。フェンリル王国には王国街・市場街・農村街の3つに分けられている」

アン「ジンハウスは農村街ですよね」

ジン「そうだな。市場街・農村街は腐敗していないのだが、王国街が全ての元凶だな」

ジン「昔市場街・農村街は無かったんだ。だがフェンリル王国の地盤を固める為に近くの市場や村を王国に集めて住まわせたんだ。王国東側はフェンリル山から流れる川があり、自然豊かな地域だったから、すぐに人が暮らし始めた」

アン「へぇ~」

ジン「市場街・農村街からの収益を王国街が巻き上げ、肥し、好き勝手使う。それが今この国の現状だ。」

アン「それって市場街や農村街の人は知っているんですか」

ジン「半々だな」

アン「誰も反発しないんですか」

ジン「みんな反発したらどうなるか分かっているからな。それに」

アン「それに?」

ジン「実際にフェンリル王国から守られているというのは事実だしな」

アン「たしかに。僕ら騎士団が王国を守っていますよね」

ジン「あぁ。だがそんな縛られた状態がいつまでも続くとは思えん。いつかは綻びが生まれる。その前にこの国を変えなくてはいけない」

アン「すごいです」

ジン「時間はかかるかも知れないが強い味方もいるしな」

アン「味方?」

ジン「あぁ。名前はバレット。私の友人でフェンリル騎士団団長だ」

アン「騎士団の団長・・・」

ジン「そうだ。今から会いに行く人物だ。」



~フェンリル王国・市街地~昼

アン「でも騎士団の団長と友人なんてすごいですね!」

ジン「昔からの付き合いでな」

アン「騎士団に行くんですか」

ジン「いや、フェンリル宮殿に向かう」

アン「よかったです。ここだけの話なんですが、僕あそこにいい思い出がなくて。ジンさんに出会ってなかったら・・・」

ジン「そうだったな。騎士団内部王国側の人間が多いからな。ここだけの話バレットは騎士団から変えていこうと考えている。まずは自分の膝元を整えようとしている最中だ」

アン「流石騎士団団長・・・」

ジン「それとアン。王国街に住んでいる住民を全員悪人とは思わないでくれ。昔から王国街に住んでいて、市場街や騎士団で働いている人だっている。自分の知っている知識で全てが悪とは思ってほしくない・・・」

アン「わかってます!入隊時、王国街歩いていた時に優しそうなご夫婦とかいましたもん!」

ジン「ならよかった」



~フェンリル王国・王国街~昼

アン「ここからが王国街ですよね」

ジン「そうだ。王国街は全て城壁で守られている。その内出入口は東門と西門だな」

アン「こっちは東門で・・・反対側は西門ですよね」

ジン「知っているのか?」

アン「初めてフェンリル王国にきたとき、西門から入ってきたんです。寂れているところですよね」

ジン「そうか。一番近い列車の駅は西側だった。どうりで西門経由できたわけだ」

アン「でも今の話聞いて思ったんですけど何で西門ってあんなに寂れていたんですか」

ジン「農村街と市場街が東側に位置している関係で王国街の住人も東寄りに住居を移したんだ。その結果西側は人が住まわなくなった反面、不法ななりあいをする場所となった。」

アン「へぇー」

ジン「だからフェンリル王国で一番危ない場所が王宮街の西側だから注意してくれ」

アン「よく僕そこから無事にここまで辿りつきました・・・」

ジン「まぁ夜じゃなかったのが幸いだったな」

アン「夜だったら、今ここにはいなかったかも知れませんね」

ジン「かもな」

アン「笑えないですね」



~フェンリル王国・フェンリル宮殿~昼

アン「やっぱりフェンリル宮殿、フェンリル王国の顔になると装飾がすごいですね」

あたり一面、金で作られたであろう置物が設置されていた。

ジン「金の無駄だな」

アン「ハハハ」

ジンは小声でいい、アンは反応に困り引きづった笑いをした。

ジン「ここだな」

ジンはノックした。

???「どうぞ」



~フェンリル王国・フェンリル宮殿・フェンリル騎士団団長執務室~昼

ジン「バレット書類を持ってきたぞ」

バレット「やぁジン。それと君がアンか。私はフェンリル騎士団団長のバレットだ」

アン「アンといいます。今後ともよろしくお願いいたします」

バレット「こちらこそよろしく頼むよ。でも君が・・噂は聞いているよ」

ジン「噂?」

バレット「フリーズと口論して、一触即発状態になってた所をジンが間に入ったてな。初見でフリーズと争うなんて、血の気が多いようには見えないのが・・・」

ジン「変な噂が流れているもんだな」

ジンは笑いながら言った。

アン「口論すらしてないです!」

バレット「なんだと」

アンがバレットに騎士団入隊の経緯を話した。

バレット「そうだったのか」

アン「びっくりしました」

ジン「噂に踊らされるなよ。騎士団団長とあろう者が」

バレット「騎士団団長といえ、完璧じゃないんだ」

バレットは一間おいて言った。

バレット「しかし悪かったなアン。入隊の日に嫌な思いをさせてしまって」

アン「いえ、そんな。でも今はジン小隊で幸せです」

バレット「よかったよ。君がジン小隊で」

バレット「彼は知っているのか?」

ジン「あぁ」

バレット「アン。この国も騎士団も腐敗している。だが必ず人々が自由に過ごせる国に生まれ変らせる。だからそれまでこの国を嫌いにならないでくれ。この国は自然豊かで優しい人も多い。一部の悪人が権力を持ったせいで内部でここまで落ちぶれてしまった。改めてこれからも頼むよ。」

アン「こちらこそよろしくお願いします!」

バレット「ありがとう」

アンとバレットは握手した。

3人は談笑し、共に時間を過ごした。


アン「お手洗いって・・・」

バレット「ここを出た。右の突き当りだ」

アン「ありがとうございます」

アンはトイレに向かった。

バレット「例の件は・・・」

ジン「・・・」

バレット「今日はやめておくよ。アンか・・・いい仲間をもったなジン」

ジン「あぁ。ほんとうに」

アン「戻りました!」

バレット「すまないが、この後予定があってね。今日は解散しよう。アン何かあったらいつでも来てくれ」

アン「ありがとうございます。」

バレット別れ、2人はフェンリル宮殿を後にした。



~フェンリル王国・フェンリル宮殿~夕方

アン「バレット団長って凄いかっこよかったです」

ジン「困った事があれば相談によってくれて頼りになる男だ」

?「これはジンじゃないか!」

?「ジン隊長でしょ。シエン。目上の方よ」

ジン「シエンにヴィクター。」

ヴィクター「その方は?」

ジン「新しく仲間だ」

アン「アンです。つい最近ジン小隊に入隊しました」

シエン「お、おまえが噂のアンか!」

アン「また噂ですか」

ジン「どんな噂が流れたんだ」

シエン「フリーズの野郎と一発張り合ったってよ!」

アン「張り合ってませんよ・・」

ヴィクター「噂に流されてはフリーズ副団長に氷づけにされますよ。シエン」

ジン「噂って怖いな」

アン「はい」

アンは落ち込んだ。

アン「そういえばお二人も騎士団の方なんですか?」

シエン「あぁ!親衛隊だぜ」

アン「親衛隊?」

ヴィクター「正式名称はウルフ教団親衛隊です。バレット団長直系部隊としてウルフ教団を護衛しています。」 

アン「そうなんですね」

シエン「いつかアロンダのやろうを!!」

ヴィクター「シエン!」

シエン「おっといけねぇ!」

ヴィクター「全く誰が聞いているか分からない外でベラベラ喋らない!」

ジン「まぁ彼女たちも仲間だな」

アン「そうなんですね!シエンさんは頼もしいですね!」

シエン「だろう!シエンでいいぜ!もちろんこいつの事もヴィクターでいいぜ!」

ヴィクター「勝手に...もちろんヴィクターでいいわ。アン改まらないでちょうだい。」

アン「ありがとう!」

アンの入隊経緯を話し、軽く談笑して2人とは別れた。



~フェンリル王国・市街地~夕方

???「買い物はこれくらいかな!!」

ジン「ミュール大丈夫か」

ミュール「あ、ジンに!噂の最近入隊した人ですか!?」

アン「噂...アンです」

ミュール「私はロバーツ隊の副隊長をしていまるミュールです」

アン「ロバーツ隊?」

ジン「フェンリル騎士団の中でも一番の隊員数を抱えている部隊だな。9割が働かない部隊で有名だな」

ミュール「も、もうジン!そんなに悪く言わないで下さい!こう見えてもロバーツ隊の副隊長だんですから!」

ジン「ミュールの事は悪く言ってないぞ。因みに私たちは騎士団の同期なんだ」

ミュール「もーそういう問題じゃなくて!!!」

アン「因みにどんな噂が・・・」

ミュール「フリーズ団長と戦って互角だったとか・・・」

アン「もう全然ちがいます!」

アンは入隊経緯を説明した。

ミュール「そうだったですね!てっきり噂に踊らされました!ごめんなさい!」

アン「もう慣れました」

ミュール「でも大丈夫です。ジンの下で働いていたら絶対フリーズ副団長と肩を並べるぐらい強くなりますよ!」

アン「頑張ります!」

3人は談笑し、少し共に時間を過ごした。


ミュール「あ、晩御飯作らないと!私もういくね!」

ジン「凄い買い出しだな。運ぶの手伝うよ」

ミュール「大丈夫!私一人で!ジンの手を紛らわしちゃ良くないし!」

ジン「そうか」

ミュール「うん!じゃあねジン・アン!」

ミュールは王国街に向かった。


ジン「名ばかり副隊長」

アン「え」

ジン「おかしいだろう。副隊長なのに晩御飯を作るんだ。働かないやつらの為にな」

アン「・・・」

ジン「ロバーツ隊なんか辞めろって言ってるんだけどな・・・」

アン「辞めないんですか」

ジン「あぁ」

アン「なん」

市場から聞き覚えるある声が聞こえた。


ビリー「じいさん!この大根身がしまっていいね!」

ナナミ「このお芋さんも美味しそう!」

おじさん「今日朝一番に取れたんじゃ」

ビリー「じゃあこれとこれも頼むよ!」

ナナミ「あとこれも!」

おじさん「毎度あり~」


ジン「あれはビリーとナナミじゃないか」

アン「行きましょう」


ナナミ「おじさんおじさん!」

おじさん「どうしたんだい!ナナミちゃん!」

ナナミ「ナナミの所に新しい仲間が入隊したんだ!」

おじさん「お?どんな人なんだい?」

ナナミ「副団長をやっつけたんだって!」


ジン・アン「・・・・」

アン「いました。噂の根源が、、、」

ジンとアンは急いで2人の所に向かった。


アン「ナナミ!!!」

ナナミ「あっ、アンお兄ちゃん!おかえり!」

アン「どんな噂を流してるんだ!」

ナナミ「あっ、えーとビリーおじちゃんがこっちの方が良いからって」

アンはビリーを睨んだ。

ビリー「いや~こっちの方がかっこいだろう!アン!」

アン「かっこよくない!」

ビリー「あ、アンが怒ったぞ。ナナミ逃げるぞ!」

ナナミ「うん!」

アン「待てー!その噂今すぐ訂正しろ!」

アンは逃げる2人を追いかけた。



その後ビリーとナナミは噂の訂正に尽力したとか・・・

ジン「みんな噂に気を付けるんだぞ」

フェンリル王国全体図をはてなブログで公開しています!

https://torinosu-nikki.hatenablog.com/entry/2022/03/20/134439

イラストを使って分かりやすく説明しています。

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