出会い
〜フェンリル王国・最寄駅〜夕方
車掌「良い旅路を…」
アン「ありがとうございました」
アンは列車を降り、1日野宿をしてフェンリル王国まで歩いた。
〜フェンリル王国・西門~朝
アン「これがフェンリル王国…」
もっと栄えている王国だと思っていたが、人通りにもなく、閑散とした王国に思った。
〜フェンリル王国・騎士団〜朝
地図を片手に騎士団に向かった。
アン「ここが騎士団!!!」
騎士団の建物は綺麗で立派だった。周辺には人通りも多々あった。
アン「すいません…」
アンが建物に入ると何人か冷ややかな眼差しを向けた。
???「ご依頼でしたらこちらへ」
アン「は、はい!」
フリーズ「私はフェンリル騎士団の副団長のフリーズです。わざわざ遠方からお越しで下さいまして…ご依頼はなんでしょうか?」
フリーズはアンの服装を見て遠方からの客人だと判断した。
アン「本日から騎士団に入隊になります、アン=ビナーシャスです。よろしくお願いします。」
アンは挨拶をし、入隊用紙を渡した。
フリーズは用紙を受け取り、凝視した。
フリーズ「入隊…ですか。申し訳ありませんが、現時点で入隊は行っていません。」
アン「どういう事ですか!?ここに入隊用紙があるじゃないですか!」
フリーズ「えぇ。ですがこちらは私たちが出した手紙じゃないですね。お引き取り下さい」
フリーズは顔色1つ変えず淡々と物言いをした。
アン「そんな…そのなんとかなりませんか…」
そのやりとりを見た外野は笑い出した。
フリーズ「長い旅路ご苦労様でした。お出口はあちらです。」
アンがなすすべなく立ち去ろうとしている所に、騎士団に入ってくる人影があった。
???「何の騒ぎだ?」
フリーズ「これはジン隊長。団長と話し合いをしていたのでないですか?」
ジン「それはもう済んでな。依頼がないか騎士団に寄ったらこの騒ぎだ」
フリーズ「話の食い違いがありまして…ジン隊長に関係のない話ですよ」
ジン「そうか」
ジンはアンの方を見て言った。
ジン「何があった?」
アン「あっ、えーと騎士団入隊用紙が偽物だったらしくて…」
ジン「なるほどな」
ジンは一間を置きフリーズに言った。
ジン「彼を私の小隊に入れたいのだがいいか」
フリーズ「はい?」
アン「えっ」
フリーズ「騎士団資格のないものを、小隊に入隊させるのはどうかと…」
ジン「団長には私の推薦という事で話をつけておく」
フリーズ「まぁそういう事でしたら…」
フリーズは席を立ち書類をアンに手渡した。
フリーズ「この書類を書いて後日ジン隊長に提出して下さい。以上です。」
アン「あ、ありがとうございます」
ジン「とりあえず私たちの家に行こう」
〜フェンリル王国・ジンハウスまでの道のり〜昼
ジン「さきほどはすまなかった。騎士団として申し訳ない」
アン「謝らないで下さい!逆に感謝しかないです。本当にありがとうございました。」
アンは笑顔言った。
ジン「自己紹介がまだだったな。私はジン・オスカーバーンだ。」
アン「僕はアン・ビナーシャスです。宜しくお願いします。」
2人は立ち止まり互いに握手をした。そして他愛もない話をしながら帰路についた。