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精霊と妖精のシリーズ

カゾとクーヘル

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2021/10/20



 小さな村にすむカゾは、妖精を捕まえるのが得意な少年だ。


 妖精は高く売れるから、お金のないカゾにとっては良い仕事だった。


 綺麗な羽を持って、飛び回る妖精は、貴族の目を楽しませる鑑賞用の生物だった。


 だから、その日もカゾは、妖精を捕まえようと考えていた。


 カゾは孤児で、身よりがない。

 だから、世話をしてくれる人間がいない。

 生きていくために、自分でお金を得る必要があった。


 カゾはその日、妖精を捕まえるための、網や籠もしっかり用意していた。


 森にいって、妖精が潜んでいるとされる葉っぱの裏や、石の裏、木の穴の中を探していった。


 カゾはそこで、一匹の妖精を見つけた。


 けれど、カゾは傷だらけの妖精を見て、ためらってしまった。


 その妖精は、今まで捕まえた妖精とはひどく違う状態で、今にも死にそうだった。


 カゾは、可哀そうに思って、妖精を手当てする事にした。


 人間と妖精の体の構造は違う。


 だから、薬を投与するのも包帯をまくのもだいぶ苦労する事になた。


 しかし、カゾは全てをやりとげた。


 回復した妖精は、カゾになつくようになった。


 目の前で飛び回ってダンスしたり、頭の上に着地して一緒に過ごしたりした。


 その妖精は、カゾの事を敵だとは思っていないようだった。


 他の妖精はたいてい人間を見たら、逃げ出す。


 しかし、その妖精は物を知らなかったのか、それともカゾの事を例外だと思ったのかもしれない。


 次第に、カゾと妖精は仲良くなっていった。


 カゾはその妖精に、クーヘルとなずけた。


 しかしカゾはお金がない。


 妖精に治療のためにダイブ出費した。。なけなしの貯金はすっからかんだった。


 だからカゾは、他の妖精を捕まえようと思った。


 けれど、できなかった。


 他の妖精にも情がわいていたからだ。


 食べ物も変えない日が続いた。


 お金のないカゾはすぐに飢えていった。


 飢えると力が出なくなるので、満足に動けなくなる。


 そうなると、死は時間の問題だった。


 そんなある日、カゾの状況を知ったクーヘルが、食べ物を探しに出かけていく事にした。


 クーヘルは、カゾに内緒で家をでた。


 しかし、妖精はお金儲けのための貴重な道具であったため、多くの者達から追いかけまわされた。


 クーヘルはすぐに捕まってしまった。


 売り飛ばされたクーヘルは、大きなお金と共に、どこか見知らぬ土地へ運ばれる事になった。


 カゾは、クーヘルがいなくなった部屋に気が付いて、慌てた。


 おなかがすいて、動けないと思っていたのが嘘のように力がわいてきていた。


 カゾは信じていなかったがその時だけは、それが裕福な者達が言う神の奇跡という奴かもしれない、とおもった。


 しかし、起こった奇跡は一つだけだった。


 カゾは一生懸命、付近を探したけれどクーヘルを見つける事ができなかった。


 クーヘルはそのまま帰らない。


 いつまでたっても。


 カゾは泣いて、泣いて、泣き喚いた。


 カゾは家族が欲しかった。


 だから、名前のない孤児であった自分に、カゾという名前をつけたのだった。


 カゾはクーヘルと家族になりたかったのだ。


 けれど、クーヘルは決して帰らない。


 いつまでたっても。


 ずっと。



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