21日目 検索機能を作ろう
「今日は検索機能を付けようか。検索機能は作品が少ないうちはあまり必要ではないけど、大きくなってくると探すのが大変になるから必要になってくる。
ただ、検索機能を用意しても使わない人が多いから、長期的には作品を見つけるための仕組みは別途用意しておいた方がいいね」
「え、検索ってみんな使ってるんじゃないの?」
「主にスコッパーと呼ばれる、作品を探す人がよく使ってるくらいで、大半はランキングやおユーザーページから作品を見つける人が多いよ。
検索にはコツが必要で検索スキルを持ってないとあまり有効ではないんだ。検索に慣れている人と慣れてない人の違いはかなりある。また、探される方にも検索されやすくするコツがいっぱいあって、SEO(Search Engine Optimization)と呼ばれる検索エンジン最適化という技術も関わってくるね。探す方も探される方も努力がいる。
例えばカテゴリ検索したとしても、そうじゃないカテゴリの作品が引っかかることもある。これは探される側が適切なカテゴリに設定していないため。カテエラ(カテゴリーエラーの略)という言葉もあるからね、検索する側の技能だけでは探せないものも結構ある。探したものが求めていたものじゃないこともしばしば。
あと、探すというのは能動的で面倒な作業なので、継続してできる人は少ない。インターネットを受動的にしか使ってない人もかなり多いよ。費用対効果がそんなに良くないから一回だけやって諦める人も多いね。
だからランキングやおすすめとかレビューなんかの楽なものを選ぶというのもある。実際近年の投稿サイトだとおすすめ機能に力を入れているところが多いね。
昔は検索を使う人達が作品を見つけて、目立つ場所に置いて人を集めるということをしていたけど最近はそれをAIに任せてしまうことも始まってる。AIによる学習で精度も上がってきてるから検索機能を強化するよりおすすめ機能を上げるほうが全体としては利点が多いかな。
恐らくだけど、今後はそれが主流になるんだと思うよ。理想的には労力なしに作品が見つかるようにできるのが一番いいね」
「そんな話を聞いていると検索機能はあんまり頑張らなくてもいいように思えるね」
「とはいっても、使う人は一定数いるし、検索を使いこなす人はヘビーユーザーが多いからきちんと整備しておくといいかな。ないと確実に不満は出るし、新規なら割り切ってしまうのもありだけど、継承元の機能は最低限作った方がいいよ。
ということで作っていこうか」
「はーい」
検索で問題なのが、探される側にも能力がいるということ。検索は探す方と探される方の認識が一致しないと成り立たないのです。例えばカテエラ(カテゴリーエラー)やタグ詐欺というものは、検索される側が特に問題としていない場合もあります。その認識で付けている場合もあります。
小説投稿サイトにおける検索問題に対するユーザーの解答は長文タイトルになります。タイトルに要素を詰め込むことでとても分かりやすくなるのです。嫌いな人もいますけど、長文タイトルは探す方にとっても探される方にとってもとても合理的なのですよ。
まぁ他の解決策としては読者側がつける検索タグを用意することですね。ニコニコ動画とかだと用意されてますね。あとはWiki的な用語辞典があるとなおいいと思います。物事における共通認識を作り上げるのが大事です。
最近は検索できない人も増えてきていますね。できないというか効果的なやり方を知らないという感じでしょうか。情報があふれて、探さなくても勝手に情報が入ってくる時代になった影響ですね。その人たちのためには、オススメとかレコメンド機能を充実させるのがいいでしょう。
とはいっても検索スキルに秀でた人は一定数いて、その人たちは優れたスコッパーであることも多いです。埋もれた作品を掘り起こすための道具は整備しておくのがいいでしょう。特に作品数が多くなって良作が見つからない時は、彼らの存在はありがたいです。
その人たちをお勧め係として機能に組み込むのが長期的な課題かなと思います。