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なれる運営 ~30日で作る小説投稿サイト~  作者: とある個人開発者
それは黄金の昼下がり
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0日目 サービス終了のお知らせ。

挿絵(By みてみん)

【サイト閉鎖のお知らせ】



 これはとある昼下がり。社員食堂でお昼を食べた後の休憩時間のことだった。入り浸っている小説投稿サイトにアクセスしたときに目に飛び込んできた。


「は?」


 その文字列を見たとき何が書いてあるか分からなかった。いや、単に理解したくなかっただけだと思う。



* * *



 その日の午後は仕事にならなかった。


 これまで進んでいたプロジェクトもひと段落していたのと、根を詰めすぎたのだと思われて同僚や上司に心配され、これまでたまっていた有給をとることを進言された。


 放心状態で帰る電車の中で、私は何度もスマホの画面を見てはため息をついていた。


【閉鎖されます】


 何度見ても替わることのない文字列はただただ、そこに存在していた。



* * *



 会社からの帰り道、コンビニでストロングゼロとおつまみを買い、公園のベンチに座って飲み始めた。現実逃避がしたかったのだ。



 その小説投稿サイトは私にとって大事なものだ。仕事が忙しくなった時期に心を壊しかけていた時の出会った小説、仲間は最後の一線を越えないための防波堤だった。そこで出会った作品と仲間はかけがえのないものだ。


 でも閉鎖される。



「なんで閉鎖されるんだろ、最近時々つながらなくなったし、何か問題でもあったのかな?」


 ストロングゼロをちびちび飲みながら、情報を集めてみた。突然の発表は他のユーザーにも寝耳に水だったようで、ユーザーの掲示板は蜂の巣をつついたような大騒ぎだった。多くの情報が飛び交っていた。


 いくつものソースから得た情報を要約すると、小説投稿サイトの根幹部分はかなり昔に作られたもので、不具合が出始めていてなおす必要がある。しかしながら、その運営さんは個人と有志で運営していて、リニューアルするには規模が大きくなりすぎてお金も時間もかかる。別の仕事もある。これまで不具合を人力で頑張ってきたが、もう限界だそうだ。人もなければお金もない。まさに八方ふさがりの状態だった。



 そしてここ最近、新しい小説投稿サイトもいっぱいできたし新規ユーザーも減っていたこともあり不具合を出すよりは、と運営も閉鎖すること決めたらしい。



それでも、私はここのサイトが好きだった。できることなら続いて欲しい。


 

 スマホにポタポタと涙が落ちる。あらかたのスレッドや、主要ユーザーのTwitterを見回ったあと、ぐびぐびとストロングゼロを飲む。


「私に何かできることはないのかな。お金を貢ぐとか? クラウドファンディングとか? んー、運営費ってどれくらいかかるのかなぁ、あぁでもシステム自体直さないといけないのか……」


 どうにかして運営を続けてもらうためのアイデアを考えていると、隣から声がした。


「なにか悪いことでもあったのかい、とても落ち込んでいるように見えるけど」


 驚いて声のする方を見ると、いつの間にかとなりに大きな丸々としたスズメのぬいぐるみっぽい生き物が私の買ったおつまみを食べていた。


 え、なに? これ、と思ったが、お酒を飲んでいてどうせ夢だとかんがえたのか、まぁ判断力も鈍っていたのだろう。また誰かに愚痴を聞いてほしかったという気持ちが大きかったのか。これまでのことを話した。生き甲斐だったサイトが閉鎖されることになりどうすればいいのか分からない。


 そんな感情と愚痴をひたすらスズメにぶつけた。しばらくうん、うんと唐揚げを食べながら相槌をうっていたスズメは、


「じゃぁ、作れば良いじゃない」


 そう、言ったのだ。


「作る?」


 その発想はなかった。驚いた私にスズメがにやりと笑っていった。




「僕と契約して小説投稿サイトの運営になってよ!」





自分たちが使っている小説投稿サイトが閉鎖されるときに取る選択肢はいくつかあります。

・他の場所に行く。

・使っている投稿サイトで終わりを迎える。

・自分で作る。


大体は他の場所に行くといった選択肢を取ります。近年ではマルチ投稿が普通になってるので他の場所に行くのも容易です。また小説投稿サイトの比較なども結構行われているので自分に合ったところを見つけるのも簡単ですね。


閉鎖を機に投稿を辞める人もいます。初めての小説投稿サイトであれば、なおさら大事な場所になるのでしょう。代わりの場所は他にないという心境でしょうか。


ある程度の年齢であれば、個人ブログやレンタルスペースで個人サイトを作る人はそこそこいますね。


とはいえ、色々な人が投稿できる小説投稿サイトを自分で作る人はなかなかいませんが。ただ、にじファンの時はいくつも作られました。愛されていた場所であればそれだけの熱意をもった人も出てくるのでしょうか。


小説投稿サイトはいくつもありますが、それぞれ特色があって、移動しても完全に同じということはないです。好みのところがなければ作るという選択肢も意外とありだと思います。


興味がある人はこのお話を読めば、どんなふうに作っていくのか分かります。勉強は各自でしてください。


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