表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/384

06_06 異界門調査隊


 無機質な白い天井にうつった金色の波模様に驚いて目が覚めた。


「……そういえばバーベンから帰ってきてたんだった」


 ベッドから抜け出て、光を反射させていた水盆すいぼんの上にかかっているカーテンを開けると、初冬の青空が目に飛び込んできた。


 目を覚ますために水を飲みながら窓の外を眺める。

 しばらく温泉に植物栽培など、バーベンで休暇を楽しんでいた僕らのもとに、ライ山火口の調査依頼がもたらされた。

 少し休みすぎたくらいなので、早々に宿を引き払って第三十字街に戻り、警備軍がつくった調査計画に合わせて【白狼の聖域】の調査隊を組織した。


「出発までの時間に余裕はあるけど、いつまでも考えていても仕方ないか」


 一階で食事し、その他諸々の準備をしている内に出発の時になり、拠点の屋上に調査隊参加者と居残り組の幹部が集まった。


 行くのは十二名。

 僕とリュオネ。

 衛士隊からミワ、デボラ。

 兵種長からジャンヌ、オットー、バスコ、エヴァ。

 竜騎兵からアルバトロス。

 そして、

 

「また留守番ですか!」


 拠点屋上で見送ってくれる居残り組のなかで、クローリスが不満そうに叫んだ。


「あきらめよクロウ。三人の内だれかが残らねばならぬのだ。ザートが参加せねば皆が第五長城の外に出られぬし、魔人がでる地域にリュオネが不参加、というわけにはいくまい。スズとゾフィーのいうことをよくきくのだぞ」


 最後の参加者であるコトガネ様が呵々と笑う。


「しかもなんでおじいちゃんがいくんです!?」


「おぬしと違って軽いからのう」


 あおってるなぁ。

 コトガネ様は普段からクローリスの事をからかって遊んでいる。

 おちつきがない所が孫に似ている、という話だった。


 本人たっての希望だけれど、魔物であるコトガネ様を連れて行くことについては迷った。

 けれど、デメリットを補ってあまりあるメリットがあるのだ。


「クローリス、それくらいにしてあげてくれ。コトガネ様は神像の右眼に収納できる戦力なんだ」


 言いながらコトガネ様を収納する。

 一部を除いてあっけにとられる一同。

 隠れて練習してたからね。

 良い反応ありがとう。


「いつの間にそんな技をおぼえたんですか……」


 驚愕の顔のままつぶやくクローリス。


「真面目な話、コトガネ様の元・牙狩りとしての魔人討伐の経験は貴重だ。仮に戦わなくてもアドバイザーとして加わってほしいんだよ」


『こうしていれば他の金級冒険者にも見つからないであろう? ま、一度もこちらの魔人と戦わずにいるのはしゃくなので結局でるがの』


 小盾の中からコトガネ様が愉快そうに話しかけてくる。


「なるべくみつからないようにお願いしますね。しわ寄せが来るのは私達なんですから」


 居残り組のスズさんとゾフィーさんが頭を抱えていた。


『ルゥオン』


「ごめんねビーコまたせちゃって…… ほら! 行く人はさっさと乗って! ビーコが待ちくたびれるでしょうが!」


 オルミナさんの急かす声に追い立てられるように調査隊の十一人+αはビーコの背に乗り込んだ。

 さすがオルミナさん。ビーコ第一主義はぶれないな。



いつもお読みいただきありがとうございます!


皆様の応援は作者にとって最高の燃料です、ぜひ評価&ブクマをお願いいたします! 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらもぜひお読みください! 異世界配信ファンタジーです!
【異世界配信どうでしょう?バズらないと昇天しちゃうから皆見て!】 
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ