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プロローグ

初めての小説です。拙い文章ですが、最後まで読んでくださったら幸いです。

 赤く赤く燃える空。

 周りを見渡せば炎の壁が立ちふさがり家の残骸がそこかしこに落ちている。

 この隔離された炎の中には傷だらけになった仲間のすがたが。装備もぼろぼろになり、それでもまだ戦意を喪失していない頼もしい仲間。

 炎の外には逃げ遅れた人々の悲鳴とおぞましい獣の叫びが渦を巻き、まさに地獄絵図だった。

 そして俺の前には俺が最も信頼していた仲間が変わり果てた姿でこの状況を作り上げた元凶として存在していた。

「あはは、はは、ははははは! 見て! 最っ高! どう? どんなきもち? 一番信頼していた仲間に裏切られた気分ってどんな感じ? ねぇおしえて?」

 そいつは楽しくてしょうがないといった顔で何かを言っている。分からない分からないもう何も分からない。これはどういうことだ? なぜこうなった? こいつはなにをいっている? なんだなんなんだ?

俺がついていながら、なんで・・・・

______________________________

 ある晴れた日の朝。その日は普通の日だった。少なくともそのときまでは。いつもと同じ部屋。いつもと同じ家。特に興味のない情報しか言わないニュース。だれもいないリビングに外出を告げ、いつもと同じ道を歩いて学校へ向かう。そういつもと変わらない朝。そのとき変化が起きた。交差点を渡る。誰かの言った”危ない”の一言。迫りくるトラック。そして輝いた足元。光に包まれる。一瞬の出来事だった。目の前が突然輝き目が眩んだ。眩しくて目を開けていられない。目を閉じる。次の瞬間俺は意識を手放した。

 目が覚めるとそこはまるでファンタジーの世界、RPGに迷い込んだようなそんな場所だった。レンガ張りの道。周りに展開した屋台。活気があり、あちらこちらから売り子の元気な声が聞こえる。道を行く人々は皆、中世ヨーロッパのような服を着ている。8割ほどの人は武器を持ち、防具を付けている。どう考えても異世界、だった。

 どうやら俺は異世界にきてしまったらしい。最近流行の異世界転移というやつだ・・・ってどーすりゃいいんだよ!当然だが、この神原祐樹15歳。15年生きてきたが異世界転移の経験などあるわけもない。思い出せ! この手の小説はたくさん読んできただろ! 主人公たちはまず何をしていた!? やばい。思いだせん。この世界ではめちゃくちゃ浮く制服のままあーでもないこーでもないと1人で考えているとそんな俺に1人の美少年が近づいてきてこういった。

「Nice to meet you. Do you understand what I say?」

やばい。何言ってるか分からない。はじめましてしか分からない。てか言語英語かよ。

「ソーリー。ノーイングリッシュ。ソーリー」

は、恥ずかしい。こんなんだったらもっと真面目に英語の授業受けとくんだった。

 俺の恥ずかしい英語を聞いた美少年はクスリと笑うと改めて口を開いた。

「こんにちは。なんだ日本人だったか。ようこそこの世界へ。」

流暢な日本語でそう言ったのだった。

_________________________________________

 その後美少年はカズキと名乗った。カズキは目を見張るほどの美少年だった。”イケメン”ではなく”美少年”(ここ大事!!)。小柄な体にさらさらでグレーの髪。小さな顔。長いまつげにふちどられた大きな目は黒で澄んだ色をしている。

 カズキはどうやら俺を迎えにきていたらしい(迎えにきたってどういうことだ?)。カズキに連れられ街を歩く。歩きながらこの世界のこと、カズキのことを聞いたのだが教えてくれなかった。唯一教えてくれたのはどこへ向かっているか。家へ向かっているらしい。歩き始めてからおよそ40分ほど歩いたところに家はあった。なんというかめちゃくちゃでかかった。アメリカンなサイズの家がそこに鎮座していた。カズキに続いて門をくぐる。不思議植物(ひとりでに動く蔓とかどう考えても人を飲み込めるサイズの食虫植物とか)たちがたくさん植わった庭を(あほみたいについてきたことを後悔しながら)抜け、豪邸に入る。

「ただいまー。新人連れてきたー」

!? 他にも人がいたのか!? ってか新人って何!?

 長い廊下を通り、上品でシンプルな装飾の施された扉を開けるとそこには4人の男女がテーブルを囲んでいた。

「おーう。おつかれー。」

「おかえり。紅茶とコーヒー、どっちがいい?」

「遅ーい。新人どんなやつ?」

「サキ、カズキに対するねぎらいの気持ちはないのか」

順番に図体のでかい男(ダークブラウンの髪を短く刈り込んでいる。褐色の目)、ちっちゃい少女(紫がかった黒髪。腰ほどまでのびていて、おろしている。紫の目)、活発そうな少女(赤茶色の髪をポニーテールにしている。銅色の目)、ちゃらそうな男子(金髪をおしゃれにセットしている。髪よりくすんだ金の目)が座っていた。

「うん。ただいま。んと僕は紅茶、ユウキはどうする?」

「!? え、あ、じゃあ、コーヒーでお願いします・・・」

「わかった。ちょっと待ってて」

ちっちゃい子がパタパタと俺らが入ってきたのとは違う扉へ消えていく。

 すぐに飲み物が出てきて、ちっちゃい子も戻ってきた。俺は勧められるままにいすにすわった。そしてカズキは口を開いた。

「ようこそ、異世界人よ。我々はそなたの来訪を心から喜んでいる。この世界のこと、自分が置かれている状況、知りたいことはたくさんあろう。だがしかし、今は我等がこの地で相見えた奇跡を5柱の神に感謝せん」

急に雰囲気の変わったカズキがそう言うと部屋の空気が張り詰めたものになった。そのまま5秒ぐらいだろうか。だれも一言も発さず、1ミリも動かない緊張した空気が続いた。

 その空気の中、真っ先に口を開いたのはそれを作った張本人であった。その小さな口から飛び出したのは先ほどの空気を壊すかのようなフレンドリーな口調だった。

「さぁ、改めて。ユウキ、ようこそ異世界へ!ぼくはカズキ。一ノ瀬珂月。名前で分かると思うけど、こう見えても元日本人だよ。ここはぼくらがすんでるギルドハウス兼学生寮。庭の植物はぼくが育てている、薬草や魔法生物。一応15歳だよ」

カズキの自己紹介が終わると図体のでかい男が口を開く。

「はじめまして。えーと竹崎秀二といいます。まぁ、気軽に呼んでください。おれも一応日本人でした。ここのギルドリーダーなんかやらせてもらってます。えー、よろしくお願いします。あ、おれも15歳です」

そのまま席順で自己紹介していく。

「あの・・・。こんにちは? えと秋塚斎っていいます。としは15です。あの、う~。よ、よろしくおねがいします」

「ようこそ、この世界へ!オレはシュント。名字は林道だ。これからよろしくな!あ、歳は前の連中と一緒だぜ」

「こんにちは、はじめまして。私は石田咲といいます。よろしくお願いします」

全員の自己紹介がこれで終わったんだが・・・。まず、全員同い年で日本人だったんだな・・・。全然そう見えねぇよ!特にシュウジとカズキ。それぞれ大きすぎるし(主にシュウジの肩幅と身長)、小さすぎる(これはカズキの身長)よ!チャラそうなシュントが真面目だったし、てか庭の植物ってあれ育ててるんだ・・・。

 俺、こんなところでやっていけるのだろうか・・・。

______________________________________

 俺はその後知りたかったこの世界のことをたくさん聞いた。それをまとめるとこうなる。

 どうやらこの世界は俺たちの世界からするとゲームの中のようらしい。こっちにきてすぐ分かったように中世ヨーロッパのような時代。王家が国を支配し、王族、貴族、平民といった身分に加えヒューマン、エルフ、魔族、獣人といったファンタジーのような人種もあるらしい。この世界に住む人々は魔法が使え、魔物を討伐する冒険者もいる。まさにRPGの世界である。この世界で広く信仰されている宗教は五信教。この宗教はこの世界を作ったとされている、5柱の神、創造神シャントン、太陽神フレア、豊穣神アリア、叡智神テアイテトス、闘神アレスを崇めるものである。この世界でも最大宗教の最高司祭というのは権力が強いらしい。国を牛耳っている司祭はいるようだ。この街は過去の転移者が作ったどこの国にも所属しない街、学園都市・アーエインスト。この街には多くの学生、商人、冒険者が集まり、さらに大多数の王族の子がこの街にあるシャントン学院に通う。実に格式のある有名な街なんだそう。このシャントン学院には学舎が4つと本校が1つある。それぞれの学舎には5柱の神(シャントンを除く)の名前を授かっており、北はアレス、南はフレア、西にアリア、東にテアイテトスである。真ん中の本校はシャントンの名が使われている。が、特に宗教的な何かがあるわけではないそうだ。その辺は気楽だな。カズキ達転生者はその学舎の中でも北のアレス学舎に通っているらしい。学舎同士を大通りでつないであり、大通りと大通りの間ごとで区画が分かれている。北西のエリアは貴族街。主に学院に通う富裕層の子の別荘があり、特別な許可書がないと入れない。南西のエリアは居住区。この都市で働く人や富裕層以外の学生の家がある。カズキ達の家もここだ。南東のエリアは商業区。学生達が暮らすのに必要な生活雑貨やちょっといい服を扱う店など多くの店がある。俺が召還された場所だ。北東のエリアは冒険者街。ギルドや宿屋、道具屋や武器屋など比較的冒険者がよく使う施設がならんでいる。このエリアは物価が低いらしい。カズキ達が教えてくれたのはこのくらいだった。分からないことがあったらそのつど聞いていこう。

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