女神様の野望
ここまでのあらすか:ついにアメリカは、アラスカを手に入れた。長い交渉の末、ロシア帝国から購入することに成功したのだ。そこから、アラスカの長い苦難の近代化の歴史が幕をあげたのだ!
神殿に参拝する人は最初少なかったが、お守りをつけていた魔法学校の受験生や、狩人、そして、子供を欲しがっていた夫婦に、ご利益があったという噂で、結構繁盛(?)している。
なぜか、熱心に参拝するという人よりもお守りを目当ての人が多くて驚いた。
交代でサーシャ、ミケ、ミリカにも手伝ってもらっているが、全然追いつかない!!!!でも売り上げはものすごく、本業を追い抜いてしまっている。本業より稼ぎが多い副業なんてありですか?しかし、一体どうなってるんだ?
そんなこんなで特別に作った新館長室にやっと引き上げてきた。ふぃー。これって前よりずっと忙しくなっていないか?俺のハンモックタイムはどこへ。
神官長室の中にしつらえた椅子を二つ繋げてベッドにして寝ようとしたところに来客だ。ふぉ、椅子から落ちちゃったよ。
向こうの人も悪いものを見ちゃったという感じでわざと目をそらしてくれたし。うーん。
あ、この人知ってる。メーちゃんの神殿であったような。
「タクト殿!!!」
「うひっ!」
うお、いきなり顔を近づけて大きな声を出されたから変な声、出ちゃったよ。
「こちらの神殿にお越しください。大変なことになり申した!」
「え、どうしたんですか?」
「神託です!今朝、机の上にこんなものが!!!!」
そのボードには汚い字でタクトを神官長に就任させよ、との殴り書きがしてあった。
「えーといたずらでしょ!こんなの。」
「いや、これは、神官長の机の上に置いてあったのです!」
聞くと、いざという時の神託は神官長の机の上のボードにかかれるそうで、3代前の神官長の時以来の神託だと、大騒ぎになっているようだ。神官長もやっと肩の荷がおりたと、引退して、荷造りを済ませてさっき田舎に帰ってしまったそうだ。
「ええ、それにしても神官長、準備が良すぎでしょう!」
「いや、タクト殿にこの間会われてすぐに、やっと後継が見つかったと、嬉々として荷造りを始めてられていたのです。皆もタクト神官長のお言葉を待っておりますので、できるだけはやくこちらにおいでください。」
そして、バタバタと出て行ってしまった。
「やられたわねー」
うお、し、心臓に悪いからその出方はやめてください。アルテミス様。やられたってどういうことですか。
「いや、何ね。メーたんがタクトを狙っていたのは知っていたから来られないように、ぽちがここの神獣になるのを許可したんだけどねえ。」
確信犯か。なるほどポチが神様よけだったとはね。
でも俺を狙っていたってどうゆこと。
「ずっと視線を感じていたから私たちのツバ付きだって、知らせるために、カラオケに連れて行ったのに。諦めてなかったんだね〜。そんなに欲しかったとはねえ。ま、しゃーない。まあ、行ってきて。」
お許し(?)をいただいた俺は、メーちゃんの神殿に向かった。そして、話を聞いてきた。どうも、向こうに常駐はしなくてもよさそうだが、1日に一度は報告を聞きに出向く必要があるらしい。それに祭事も、とりおこなければならないそうな。なんだか働きづめだ。どうしてこうなった!!!
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