もう、とっくにしんでんねん
前回のあらすじ:タクトは女神様達に命じられた。神殿を建立せよと!アイディアをパクるため、他の女神の神殿を訪れていたタクトを待っていた試練は??
「えええと、それは不可能です。」
「どうしてじゃ!」
神殿について調査に来たらスカウトされました。なぜヘッドハンティング????ミーちゃんの神官長は、目をクワっと見開いて俺を睨む。ひーこわい。
「そ、それは、俺がすでにアテナ様とアルテミス様の神官長だからです。」
男たちの顎が落ちる。
「あなたは、二人の女神様の神殿長であられると」
「はい。それで、今度私どのも神殿を建立するために見学させていただきにきた次第です。そうしたら、女神様がいらしたので、拝んでおりました。」
ガヤガヤと相談し出す神官たち。
「もう既に2つも神官長をされているのですから将来的に3つに増えてもおなじではないですか?では、どうでしょう。神殿長見習い(仮)というのは」
「なんだ、そのソシャゲみたいな名前は????」
俺は話し出した。
「いずれにしましても、ここの女神様とアテナ様、アルテミス様は仲がおよろしいようで、この間、2人についていったら、こちらの女神様にお会いしたという次第でして」
あたりがシーンとした。
「女神様と行動を共になされるなんて、もしかしてあなた様は聖人ではないでしょうか」
そこから誤解を解くのに2時間かかった。そして、時々でいいので、こちらにも顔を出さなくてはならなくなったようだ。俺の静謐な時間がどんどん侵食されていく。とほほ。
しかし、これで、なんとか運営については学べる目処がついた。
神殿を出て、視線を感じたので、ふと振り返ると、一番上の鐘楼の窓から女神様が顔をだして手を振っていた。あ。もしかして、これ、助けれくれたのか。俺は深々と一礼した。ありがたや。ありがたや。
さて、今度は、アテナ様とアルテミス様の神殿の予定地だ。どこがいいか。
しかしどこもかしこも適当な空き地スペースがない。俺は悩みに悩んでスミス殿に相談に行くことにした。
「うーん、そんな都合のいい大きさの土地は空いてないんだな。」
「そうですよね。」
「ちょっと待てよ。あのうさみーるの隣にある治療院、今度移転するんだな。功績が認められて、貴族街と平民街の間の土地を下賜されたんだな。神殿には、あそこなら、十分なスペースなんだな。」
「でもそんなお金ないですよ。」
「うーん。実は、あれ、ぼくの土地なんだな。条件さえ飲んでくれればかしてあげないこともないんだな。」
条件は、地下に、スミス殿の研究スペースを作るということと、ここら辺の人用の治療院の出張所を出すということ。そして、スミス殿にも建立を手伝わせるというものだった。
「前から、一度、本当の神殿を作ってみたかったんだな。」
スミス殿は、そう言って神殿の設計図を取り出した。
これ、ずいぶん斬新な、あ、これ、どこかで見たと思ったらアキバの例のグループの劇場にクリソツじゃんか!!!!!やはり目指すべきは、会えるご当地女神様でしょうか。
まだこの話、続きます。