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スミス有名になる

スミスさんの人形は大人気です。

最近スミス殿が作成した人形と仲間、その家が大人気である。今まで、誰もスケールを統一した人形を製作しようと思っていなかったようで、人形の家具などがあっても同じ会社の製品でも大きさがまちまちで完全に統一性を欠いていた。


それが、スミス殿は全ての彼の製品を同じスケールにしたため、子供も大人と買い足しができるようになったのだ。一気にセットを買わなくてはならないのではなく、ちまちまとコレクションしていけるこのアイテムの素晴らしさを人々は漸く理解したようである。


「スミス殿、作っても作っても売れてしまうので、生産が間に合いません。」

「うーん、どうもこの手作りのよさを犠牲にせずに大量生産する方法がわからないんだな。」


我々は手を動かしながら悩んだが、いかんせん、この注文の山では、ひどい人は1年待ちになりそうな勢いだ。最近では幸せなハンモックタイムをこの生産にあてているのだが。


みんなは、最初雪が降るだの、槍が降るだの気味悪がったが、スミス殿の高尚な理想の実現のためやむを得ない犠牲であると考え諦めている。


そこで、俺は名案を思いついたのだ。


「アテナ様、アルテミス様、何かよいお知恵をお授けください。」


俺は知恵の女神であるアテナ様と妹様のアルテミス様のサンダルをペロペロして答えを聞いた。


「そうね。今のお取り寄せを、ちょっと強くして、あるものを大量注文するすることができるようにすることはできるけど」

「それ、副作用があるわよね。」

「そうよね。」


しかし、俺はそんないい方法があるとは知らなかったので、早速試してみた。すると、一度取り寄せたものは、大量に取り寄せができることがわかった。これだ!


早速スミス殿のところに行って披露すると泣いて喜んでくれた。そして俺たちは1年かかると思っていた注文を全てこなしたのである。


しかし悲劇は次の日に起こったのだ。


「目覚めると、部屋が大きく広くなっていた。俺は呆然とした。」


「あああ、この子だれ?」「かわいい。」「オーナーに似てる」「オーナの子だったりして」


皆がてんでばらばらに話していると、ミケがペロっと俺をなめて一言いった。


「え?みんなわからないの?これ、タクトだよ、縮んでるけど」


みんな驚いたが、それ以上に可愛がりたいのか、撫でくりまわされた。


「ふふふ。旦那様と私の子供はこんな感じなのかしら。」


王女様はトリップしている。


「ご主人様、かわいい!」


乳魔人に抱きつかれてあやうく窒息しそうになった。


サーシャはずっと顔を赤らめて俺をみてハアハアしている。あいつ、もしかしてシヨタコン?


ランちゃんは、俺が小さくなったので、喜んでいる。


るーたんは、これはいい遊び相手だとでもいうように俺の周りを跳ね回っている。


いずれにせよ、あと、どのぐらいで戻るのが知りたかった俺は、女神様のところに行った。


そしてそれが俺の地獄の始まりだった。俺は忘れていたのだ。アルテミス様がひどいショタコンであることを。


俺は女神様の力で着せ替え人形をさせられた。


「まあ、心配しなくても魔力の使いすぎだから明日には戻っているわよ。残念だけど。」


本当にアルテミス様は残念そうで怖かった。サーシャ以上のいけないプレッシャーだ。しかし頭のなかでどう思おうとも、アルテミス様は意に介せずどんどん俺を魔法で着替えさせていく。


この際限のないファッションショーは翌日まで続いた。おかげで次の日は半分ハンモックの上で過ごした。すぐ元に戻ったが、とりあえず最近はよく仕事したし、寝るか。ぐぅーーーー。


お読みいただきありがとうございました。

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