猫カフェ「たま」に、たまがきた!びっくり!
猫ちゃんかわいいです。
夢にまで見た猫ちゃん「たま」が目の前にいる。俺は、そっと手を伸ばした。
たま、たま、たま。やっと会えた。
なんだかぶすっとした感じだが、これはいつものこと俺にはわかる、たまも俺にあえて喜んでいるはずだ!
バシ!本気の猫パンチが鼻に入る。うお、すごいパンチ、これなら世界が狙えるかも。どうしてこうなった!
「なんでいいことで呼んだんゃ!美猫のミーちゃんの猫道中の途中で呼ぶなんてどういう教育を受けてるのにゃ!」
いた、ここにもミーちゃんの虜が……。薄れていく意識の中で俺は叫んだ。り、理不尽だ!!
気がつくと、一人で放置されていた。たまをうちの猫ちゃんたちが囲んでいた。
「でにゃ、こいつは、小さい時に、よくベッドを濡らしていたのにゃ」」
ちょ、ちょっと待て、とんでもない暴露がきた!やめてくれ!
「や、やめて、たま……」
たまは、俺が生まれた時からそばにいたからなんでも知っている。人に話せないようなことまで。
「そして、こいつには、友達がいないのにゃ。少ないどころか、全然いないのにゃ!」
ちょ、なんてこと教えてんだよ、召喚士としてのプライドボロボロなんですけど。私のライフはゼロよ!やめて!
「元気そうじゃな。」
「た、たまこそ。」
「うーん、もう28歳だから、からだが動かなくなってきたけどにゃ!」
えーと、飼い猫ってそんなに生きられたっけ?もしかして、日本記録????それにしても、たまの目はどこまでも優しい。
「あの、ば、ばあちゃんは元気?母ちゃんは、とうちゃんは?」
「みんな元気じゃ。お前がいなくなってしばらく皆、落ち込んでいたがな。まあ、とうちゃんはお前の保険金で新しい車買ったし。」
あのくそ親父、なんてことしてやがりますか!!!
「まあ、今でも大変だから唯一の癒しのわしがいなくなるわけにはいかないのにゃ。」
たま……。
「だから、向こうに戻すのにゃ。いないとみんなが悲しむのにゃ」
「でも、でも」
「お前は大丈夫にゃ。お前を見守るために、わしの娘のミケもいるし」
さらっとなんだか怖い告白きた!
「わかったよ、たま。ありがとう。でも時々なら呼んでもいい?」
「うむ。たまにならいいのにゃ。でも呼ぶなら呼ぶ前に、知らせるのじゃ。前日にな!」」
あれ?このセリフ最近どっかで聞かなかったか?
「美猫のミーちゃんのテレビはここじゃ見られないしにゃ」
やっぱりそれか。ちくせう!俺は、ミーちゃん以下か。
「もちろんにゃ」
あれ?今、心を読んだ?怖いんですけど。
「20歳を超えてから、人の心が読めるようになったのにゃ。」
なんでもありだな。
「たま、じゃ、また、会おう。今日はありがとう、それからテレビ見のがすことになってごめんね。」
「いいのにゃ。どうせ猫神様と一緒に過去に戻ってみるのにゃ」
えええええ、どうなってるんだ???
「猫神様はわしのご先祖さまにゃ。わしも30歳を超えたら時間跳躍ができるのにゃ」
なんだ、それ。猫ちゃんの方が人間より、性能高いんじゃないか。
「当たり前なのにゃ。ミケ、タクトを頼むのにゃ」
「えー。この童貞、面倒なんですけど〜なんか嫌にゃ〜」
さらっと酷い。
「まあ、とと様のお願いだからしょうがにゃいか。こいつに恋人ができなかったら、私が、子猫を産んでやるにゃ。」
えーと、いりません。そんなことしません。
「じゃ、たっちゃん、元気でにゃ」
「うん。たまもみんなによろしく。ばあちゃんに俺は元気だって伝えて」
「しんぱいするにゃ」
そしてたまは消えた。ちょっと泣いたのは内緒。
その時、階下からドアをはげしくたたく音が。
「タクト殿、開店はまだか!」
ケイトだよ、余韻が台無しだよ!ちくしょう!
猫ちゃんのおてての匂いにはまりませんか。