野菊のごとき君なりき
もしかしてサーシャがメインヒロインですか????
「えーと、あんた、それを使ったら不幸になるから、やめておいた方がいいわよ!」
サーシャがいう。こいつは何の根拠があって、そんな酷いことを言っているのだろう?
俺の指には燦然とガウラン様製作の国宝級魔道具が光り輝いている。これこそが、幻獣一種召喚(正しくは猫ちゃん限定)のポンコツ召喚士の俺が、人を召喚できるようになる唯一の方法かもしれないのだ。
「くくく、俺が成功したら、次はお前にも貸してやるぞ、うさぎ屋よ!」
「アホは死ななきゃ治らないってね!まあせいぜい笑わせてみてよね。猫屋!」
体中をみなぎるこの魔力、それを集中させて、俺は思う!
「いでよ!サーシャ!!!!」
くくく、急に召喚されておそれおののくがよ・・・・あれ?
失敗か?失敗なのか????いでよ!!!!!!
結論から申し上げますと、一切召喚できませんでした。俺は四つん這いになって地面を叩き始めた。
「なんでなんだ〜〜〜?なにが悪いんだ〜〜〜〜〜!」
「召喚できた?」
俺はふるふると頭をふった。
「やっぱりね。前にも行ったかもしれないけど、こちらの一種召喚の方が上位スキルなのよ。だから、オーバーライドされてしまうのね。」
なんのこっちゃ???サーシャは、ふぅーっとため息をつくと続けた。
「今、人間になってる猫ちゃん、誰?」
「この時間だと、ミケかコタローだな。ミケはメイドカフェ、コタローは棚の整理をしてるな。」
「ミケちゃんは、接客しているかもしれないからコタローを呼んでみて!」
俺はコタローを召喚してみた。するとコタローが現れて、ぽかんとしている。
「えっえっ?ここどこ?あれ、タクちゃま?」
俺は、コタローに説明して謝った。
「わかった?あなた、猫しか召喚できないよね。その指輪が人限定だとするとあんた、人化した猫しか呼べないのよ。」
「なんてこった。じゃ、これは俺には無意味?」
「がっかりさせるようだけど、そうよ。だから使うのやめとけといったじゃない。」
俺は気が遠くなった。気が付いたらもう夜だった。みんな寝静まっている。だが、髪を誰かが撫でている気がする。
「あ、起きた?あんまり大きな声立てないでね」
「サーシャか、あれからずっと看病していてくれたのか?」
「まあね。バカなあんたがちょっとかわいそうでね。」
「あのなあ」
「バカっていう方がバカでしょ。」
「お、お前もしかしてエスパーか、心が読めるのか」
「まあいいわ。」
サーシャはそれからしばらく俺の髪を撫でてくれていた。気が付いたら朝だった。うん、悪いことしたな。じゃ、おいしいパンケーキでもつくりますかね。
また、朝が猫カフェにやってきたのだった。
作者も、この作品がどこにいくか全くわかりません。なんか、勝手に作品が書かれたがって、おりてきます。きっと、本当に異世界猫カフェはどこかにあるのです。いや、真面目な話。