かき氷の日
夏です。かき氷の日がやってきます!
「何これ!頭がキーンとする!」
「キーンとするの」
サーシャとランちゃんが驚いている。
「冷たくておいしいですわ!」
「こんなもの隣の国にも存在しません。」
王女様と乳魔人にも大変好感触であるようだ。
「おいしいにゃん!」
「るーたん、頭キーンってなったん」
ミケにも好評だ。かわええのう。るーたん。そんなに早く食べるからだよ!
くくく、このかき氷、どうやら、女性に大変好評であるようだ。出すぞ、これ。でも問題は、どの味のかき氷を出すかだな。
「ええ、全部だせばいいじゃん!」
サーシャが憮然としていう。
「いやいや、全部を取り置きすることは不可能だ。だって、氷室が小さから。それにその場で対応するってことは俺がハンモックで揺られる時間が短くなるってことだろ!却下、却下!」
「あんた本当にぐうたらなのね。ちょっと尊敬するわ!」
「そうだろうそうだろ!崇めろ!」
「アホか!皮肉もわからないのか。しまった、トリ頭には難しすぎたか!」
「アホっていう方がアホなんだぞ!」
「なんだと、アホー!!!」
二人が睨み合っていると、まあまあまあと、王女様。
「こんなにおいしいものなのですもの!提供するにこしたことはあるまい。妾もできるだけ協力いたしましょう。」
まず、メロン味。これは、概ね好評だった。次にイチゴ味、これは、好き嫌いが分かれた。次にスイカ味。これはさっぱりダメだった。味が薄すぎて輪郭がはっきりしないそうだ。どこの彦摩呂だ。ミルク味は、みんな好きなようだ。チョコ味はみんな食いついたが、どうも、しっくりこないということだった。遊びでやった焼きとうもろこし味は、なぜか非常に好評であった。なぜだ?マンゴーもすごく人気だ。コーヒーは、子供には、全然うけがよくなかったが、ココアは大丈夫だった。グレープはすごく受けがよかった。
とりあえず、火曜日からメロン、ミルク、焼きとうもろこし味、マンゴー、ココア、グレープを日替わりで提供することにした。月曜日はシークレットでランダムに出すことにした。
でも俺は誰にも支持してもらえなかったスイカ味を一人で食べている。
「タクちゃま、おいしいと思う〜」
「タクしゃま、ぼく食べうよ〜」
俺の味方はやはりコタローコジローだけだ。さあ、もっと食べろ食べろ!
「頭キーンとする〜」
「キーンすう〜」
ちょっと暑いけだるい夏の午後のことだった。
春にハワイで夏を経験してきたので、なんだか夏が今年は2回やってきたような気がします。