シークレット・オブ・オニギリ
おにぎりに秘密があるようです。
ついに今日から冒険者飯第2弾のお目見えである。満を持して用意したのは日本人のソウルフード!おにぎりである。具は、てりやきソースに絡めた肉、魚、そしてチーズを用意した。サプライズのグレードアップ版として魚卵入りも用意した。
ふははははは!これならば、手も汚れず気軽にダンジョンの中でも食べられる!とはいえ、唯一の心配は値段である。サンドイッチよりも少しだけ高めの値段になってしまうのだ。とりあえず最初は30食だけ用意した。
さあ、これで勝つる!くわ、っと目を見開いて、用意した冒険者飯をとりだ………?????あれ?どこにいった俺の冒険者飯、おにぎりは?????。
「パパ、もっとぉーーーー。」
うそーーーん、るーたん食べちゃったの???しまった、あと5分で開店だ。大々的に宣伝を打ってしまったのが悪かったか。もしかしたら、ストラップが当たるかも、という宣伝が仇になってしまったか。ふぅー。
ゆらーっと立ち上がった俺、最強。土下座タイムだな。
「パパー、ご飯たくさんあるん。もっと、おにぎりつくってん!」
あ、そうだった。ご飯だけは売るほどあるぞ、まあ、売るんだけど。ただ、中に入れるものが………ない。なにもない。チーズすらない。どうしよう。あああああああ、そうだ!!!!!
「く、タクト殿、冒険者飯を!」「こっちもだ!」「私も!」
ケイト、セオドア、アンはお約束だな。今回は、いいことがあるぞ!なぜなら黄金のコタロー、コジローストラップがそれぞれ1個ずつだが当たるようになっているのだ。しかし、ちょっと具が問題だ。クレームがあったらどうしよう。ドキドキ。
「うぉおおおおおおお、つ、ついにこの日がきた!」
むせび泣くケイト。よかったな。黄金のコジローが当たったらしい。
「ケイトさま、わたしのノーマルコジロー様と交換してください〜。猫神様20個つけますから」
安いな、猫神様の価値!
「ふぉおお、この冒険者飯、うまい、なにが入っているんだ!」
「どれどれ。タクトが作ったものがうまいはずは、ホアアアアアアアアアアアアアアーなんだこれ?」
失礼な。俺の作ったものはうまいものだらけだ!
この日から、冒険者飯第2弾は、不動の位置を得た。しかし、俺は複雑な気持ちになった。だって、具がないから中に入れたのは、醤油を少しだけ垂らしたマヨネーズだったからだ。こうして、この国ではじめてのマヨラーたちが誕生したのであった。
これは、喜んでいいのだろうか。ただ、あいつらはマヨネーズが気に入っただけではないのか。そう考えたが、まあ、いいか。俺、考えるの苦手だし。
「パパ、うまうま!」
うん、まあ、いいか、るーたんのおかげだからな。るーたんには追加で20個にぎってやった。さて、俺はハンモックに揺られるという一番大変な仕事に戻るのであった。ぐぅ〜〜〜。
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