異世界一の召喚士
わんちゃんも好きです。
ついにこの日がきた!朝、珍しく起こされずにくわっと、目を覚まして叫んだら、隣に寝ていたミケに頭をぱしって叩かれた。パシッて…..。
「うるさいにゃ」
ミケは一番最初に俺が召喚した猫ちゃんだけあって一番偉そうである。いつも俺の頭の上の方に寝ている。最初から偉そうだったが最近特にひどい。どっちが主人か分からなくなる。
ベッドは在籍猫兼、幻獣様兼、召喚獣の猫様で埋め尽くされている。ネコカフェ在籍猫様、みんなが、ベッドに寝ているのだ。おかげで、端に追いやられて丸まって寝る毎日だ。もう慣れたけど。
普通召喚獣は、用が終わったら召喚解除をするのが普通だ。召喚している間もMP消費をするからだ。しかし、俺は、訓練のためにいつも召喚していた。そして気がついた。召喚時間が長くなれば長くなるほど消費コストが下がっていくことに。やった。大発見じゃないか?これ?と思ったら、初級の本に書いてあったよ、ちくしょう!
でも、実践している召喚士はどうやらいないようだ。だって、誰が猫様のような幻獣を召喚して一日中使役しようと思うだろうか。俺は、常時猫カフェのために12匹の猫ちゃんを召喚している。
そして気がついた。ぐんぐんレベルが上がっていることに。歴史に残る伝説の最高レベルの召喚士が89だった。というか、89だ。そのおっちゃん、もとい、召喚士様、自分を召喚獣にして生きながらえているので、この世界の最高レベルは、いまだに89だ。この召喚士様、なんでも召喚できるようで、この世界の危機に勇者様を召喚して一緒にこの世界を救ったという大偉人だ。
今では、自分が召喚獣になり、弟子にあたる歴代の王立筆頭召喚士に必要な召喚させるらしい。
そして、そのレベルは、俺は今日超えたのだ。前人未到のレベル90だ。
くわっと目を開いて俺は叫んだ!
「今なら呼べる!」
「うるさいにゃ、死神でも呼びたいのかにゃ!」
ちょっと本気っぽいミケの必殺猫パンチが鼻にあたった。痛い。
そこで起き上がって小声で囁く。
「今なら、呼べる。ドラゴンでも神獣でも。時は来た。」
そうだ、ここまで待ったのは、90台の大台にさえ乗れば、猫様以外にも呼べるのではないかと思ったからだ。よし!
身体中に気を巡らせる。ここは慎重に慎重に。最初にミケを召喚した時のことを思い出してゆっくりと。気が満ちてくる!イメージが大事だ。こんな狭いところにドラゴンは呼べない、となると、精霊か神獣様だ。お願い、神獣!いでよ!
体からゴソっとMPが抜かれる。しかし、今の自分なら耐えられるはず。
眩しい光が寝室を満たす。と、俺の猫ちゃんたちが一斉にびっくりして起き上がり、俺の後ろに並ぶ。やっと俺の凄さがわかったか。さあ神獣様のお出ましだ!
そして、そこにいたのは、また、猫ちゃんだった。どうしてこうなった!!!!
やっぱり猫ちゃんが一番ですけどね。