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妖怪大戦争

女の人はみんな妖怪です。

「タクト様はいらっしゃいますか。」


髪の長い美しい女性が俺を訪ねてきた。ドストライク、素晴らしい。なんて見目麗しい女性だ。長い金色の髪。儚げな佇まい。どこまでも青い目、あ、これダメなやつだ。完全にセオドアの釣り針だ。あいつ、すごいの用意したな、さすがだぜ!もう誰がくらうか。あいつは頭がバカだ。俺は鼻をほじりながら、答えた


「セオドアに伝えてよ。タクトは、トリ頭じゃないって!わかった!」


女性は俺が鼻を穿った手で触ったからか、酷く嫌な顔をした。そのままカフェの外に追い出して、俺は手をひらひらふった。


じゃあねえ。セオドアにしくよろ〜〜〜〜!


ハンモックに向かって俺は目をつぶって全てを忘れたぐぅ〜〜〜〜。


誰かが俺を揺さぶる。


「タクト様、タクト様」


うるさいなー誰だよ。


素晴らしい美人を俺を見ていた。俺はすぐ恋に落ちそうになってハっと気がついた。さっきの女じゃん。だめなヤツじゃん。


「で、あんた誰?」

「オペラシンガーのミリカともうします。」

「うーーーーーん知らないなぁ〜〜〜〜〜〜?で、セオドアに何を頼まれたの?やらないよ年間パス、エンドオブストーリー、アンダスタン?」


なぜか俺が知らないというのを聞いてちょっと怒ったようだ。


「でも私の精霊たちが、私の声をこの世のものとは思えない声と取り替えたのは、あなただとおっしゃっておりました。」

「はぁ?そんなことして、俺に何のメリットがあるの。だいたい俺、あんたのこと知らないよ!」


いきなり殴られた。『見知らぬ女の攻撃!』『タクトは怯えてぶるぶる震えている。』


「あなたのお陰で私はもう歌えないのですよ。どう責任をとってくださるのです?」

「あー、善処します」

「善処とは?」

「そちら様の意向に沿いますように、前向きに検討させていただきます。」


元日本人舐めんな!


「では、これから業務がありますので、よろしくお願い致します。」


俺はハンモックに戻ると目をつぶった。ぐぅううう。


いきなり、ハンモックをひっくり返され地面に投げ出された。


「何、すんですかぁ!!!俺、善処するって言ったすよね。言ったすよねぇええ」


金髪は拳を振り上げてプルプル震えている。


「あ、あなたという人は、あなたのせいで、あなたのせいで!!!!」


涙目である。


その時、後ろから声がした。


「オーナー!マスターが明日のサントイッチ用の追加の野菜を買っておいたって。」


なぜか固まっているミリカ。ギギギギギ、っとアンの方を見る。


「そ、そのいまいましい、汚らしい声は!!!!」

「はあー?オーナー?誰、この頭がおかしい女?」

「あ、あんたのせいで、あんたのせいで」


ポロポロと涙を流し始めるミリカ。後ろからキラキラと精霊が出てきて、アンの周りを回り始める。


「タクト様、この女のために私の声をこの女のと交換なさったのですか?」

「えーと?何の話かな?」

「何言ってんの?この女?頭おかしいの?私の素晴らしい声をあんたのと交換?アホじゃないの!」


ぷんぷんとアンは、出て行った。


「マスター、じゃ、伝言伝えましたから!」


アンが出て行く。ミリカは泣き崩れる。


「ひどい、ひどいわ!私はあれからまた声が交換されるんじゃないかと怖くて歌えなくなったというのに!」


その時、俺たちの頭の中に轟音が鳴り響き始めた。この声は!!!


『Hey YO, そいつ俺のマブタチタクトォー、友達がために俺参上!登場!こうして向上、の・べ・るぜ、ど・う・ぞ、流れる俺の魂のライム、刻むぜ俺の魂のリズム!タクトは信用できるヤツ、コイツ、バカだが嘘言わねえ。聞きねえ。信用できるぜチェケラッチョ!』


するとミリカは驚愕して立ち上がった。周りの精霊たちもなぜか気をつけのポーズだ。


「まあ、精霊王様。いつ聴いても素晴らしい音楽!心が揺さぶられます!」


そうか?耳、見てもらった方がいいぞ。


「タクト殿と、精霊王様がお友達でいらしたなんて、そして、そのお友達を疑うなんてなんてひどいことを私は。」


『Yo,もしもお前が迷ったら、惑ったら、タクトにたくせよお、お前の人生、神聖の俺の声、聞けよ滔々と、早々に流れるフロウ、苦労、してここまで鍛え上げたぜ、俺の秘密兵器、世紀、の発見、俺の友達タクト、博徒、違ったベクトル行くぜ、俺たち!Hey,Ho! Say, Ho! Say Ya!』


ひどい。なぜミリカはうっとりとして聴いているのだろう。わからない。


「わかりました、精霊王様、つまり。私が迷っているなら、もう未来をタクト様にたくせと。」


アホか、あれはタクトと韻をふむ音が見つからなかったから苦し紛れに作り出したライムだろうが。


「私、タクト様と結婚いたします。ありがとうございます、お導きを精霊王様!!!」


『お、おう、よかったな。じゃあなタクト、また、教えろ俺にお前の魂のラップ…』


急にテンションが落ちたのか精霊王の声が消えた。


「わかりました。もう二人は永遠に離れることはありません。これも精霊王様のお導きです。多分、この子たちも、このために私をここに連れてきたのでしょう。」


精霊たち大困惑。でもお互いに顔を見合わせて、うなづき始めた。お前ら、ごまかしたな?


その時、後ろから声がした。


「あああ、もしかしてオペラ歌手のミリカ様?だ、大ファンです。握手をしていただいてもよろしいですか。」


王女が驚愕の面持ちで近づいてきた。すると、ミリカは、そっとスカートの両端をつまんで礼をした。


「こ、これは、これは、マーガレット王女。また、なぜ、こちらに。」

「それは、ですね。あ、タクト様、いいところに。紹介が遅れました!こちらは私の夫のタクト殿です。」


マリカの顎がはずれたようになる。


「誰があなたの旦那よ。こっちは私のダーリンのタクトよ!こっちに来ないからおかしいなと思っていたら!」


サーシャ、お前そんなキャラだっけ!


「違うの〜〜〜。私の旦那様なのぉ〜〜〜!ぷんぷん!」


ランちゃんがやってきた。


「ミケの夫なのにゃ〜〜〜〜〜!」


ミケも参戦!


「タクト様、不潔!」


ミリカに殴られ俺の意識は遠のいた。


後でサーシャから、王立歌謡コンサートでアンと声を俺がこのミリカと交換しただろう、と殴られた。そんなことしたっけ?????


うーん、なんかようかい?

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