こんにちは赤ちゃん
あかさんは突然に!!
そういえば、俺の目標はまったりゆったりだったのに、このごろは忙しすぎる。なめんなよ。ぐぅ〜〜〜〜。
「あ、旦那様、また、こんなところで寝てらして。」
「あ、王女さん、珍しいね、タクト探しにきたの?無駄よ無駄!寝てるから。」
「いえ、寝ていてもいいのですぅ。タクト様にご報告があって。」
「へえ?」
「私、旦那様との子供を授かりました!」
「はぁあああああああああああああ?」
うるさいな。むにゃむな、ゲ!急にかかと落としが頭に落ちてきてハンモックから投げ出された。
「な、何すんだ!サーシャ!!」
「あんた!私たちにいうことはないの?」
「おまえこそ、ぐぇ」
かかと落としが再度決まった。死ぬ死ぬ。
「サーシヤ様、なんだかわからないけどお許しください。ペロペロ!」
「あんた!!そんなひどいやつだとは知らなかった!ちょっと来な!」
くそ!こうなったら、新しいスキル、瞬間移動で、逃げるぞ!!!ふはははは!魔力の半分を失って50cm移動しましたが、飛び膝蹴りで仕留められて、拉致されました。きゅぅうう。
猫カフェの一角に俺たちは、集められたぞ。俺だけなぜか床に正座だ。元日本人なめんなよ、正座は俺の生活の一部だ!
「あああ、赤ちゃん、嬉しいなぁ」
「クッ!」「!!!」「うぇーん」
なぜか王女様だけが嬉しそうだ。お腹を撫でている。そしてサーシャは悔しそう。ミケは大ショックを受けて、ランちゃんは泣いている。何が起きた。
俺たちを遠巻きにしているのは常連だ。冒険者の連中はなれたもので、猫ちゃんを愛でながら、知らんぷりをかましている。時々、
「修羅場だよ。」「修羅場だな。」「浮気だよ。」「いい気味だ。」
という謎の言葉が行き交っている。なんなんだ。
アーサーが泣いている。
「終わった。俺の人生、俺のメグ、可愛いメグ!ゲロゲロゲロ」
きちゃない。吐きながら、漏らしている。あれ、誰が掃除すると思ってんだ!
それに、ケイトがやけにテンションが高い!
「私は、賭けにかった。これで年間パス手に入れ放題ねこちゃん撫で放題!」
セオドアがケイトに媚びている。
「ねえ、ケイト殿、拙者にもお願いしますよ〜。あなた様と私のあいだじゃないですかぁ〜」
「は、王国第1の剣士のセオドナ殿なら、年間パスなど、安いものであろう、ハハハハハ!」
「ぐ、そ、そこをなんとか。」
アンは暗い。
「えええええ、私とランちゃんの立場をかえるという私の野望が潰えるなんて、なんて!!!」
小さい野望だな、おい。
「あんた!私たちに謝んなさいよ!」
サーシャが鬼だ。俺は、すぐさま、土下座に移行した。みよ、このスムーズな、流れるような土下座。正座からの土下座の優雅さ、美しさで俺の右に出るやつは、過去にも、現在にも、そして未来にもいないだろう!ふはははは。
「ところで、サーシャ様。」
「何よ?」
「俺は何を今度はしたのでしょうか。」
「あああぁあああん?」
「いえ、申しわけありません。でもよろしければお教えください。」
サーシャのこめかみがピクピク動く。ミケが辛そうに涙をこぼす。ランちゃんが泣きじゃくる。
俺、なにをやらかした。
「あんた、王女様と、そのあのなんだ。王女様に子供ができたってよ。」
「は?へぇえ、おめでとうございます。ぐえ」
けられた。今度は王女様から、ものが飛んできた。避けたからいいけどフォークとナイフだよ。殺す気か!
「タクト様、ひどいではありませんか。あなた様と私の子のことなのに」
「あんた、なに他人事ぶっちゃってんの、あんたとの子供でしょう!」
「私とは交尾をしてくれにゃかったのに!!!」
「あーん、ランちゃんも赤ちゃんほしい〜〜」
えーと、なにが起こっているんだ。
「はあ?あのなあ。俺、な・に・も・していないぞ。だって考えてみろ!俺たち、いつも一緒にねてるじゃん。そんなことやる暇ないじゃん。俺、ドーテーだし」
「はぁ?た、たしかに。でも、私たちの目を盗んで!!!あんたが嘘言っていないって保証はどこにあんのよ!」
「整いました!」
急に目の前にアテナ様が現れた。
「タクトとかけまして、これからの道のりとときます。」
「そ、そのこころは?」
もう俺の役目になってしまった。みんないきなりの乱入にポカーンとしてる。
「どちらもドーテーです。この子の言っていることに間違いはありません!」
ひどい言われよう!
「え、タクトはまだ。すると、その子は誰の?」
「え、王女様が浮気?」
「王女様、めっ!!!」
3人に、見られて、王女様ちょっと気圧された。
「なにをいうのです。妾は嘘など申しておりません。毎晩、夜に同衾しているではないですか。」
えーーーーーと。
「王女様!」
「王女様など他人行儀な。メグとお呼びください。もしくはお前で!」
「えーと、そこんところはどうでもいいけど、もしかしたら、毎晩寝ていたから子供ができたと思っているんですか?」
結論からいうと、王女様は食べ過ぎでした。俺が作っておいた、スーパスペシャル猫まんまを10杯食べてお腹が膨れただけだったようだ。
「よ、よかった〜、もう、どうなることかと、わたしが、わたしが(あかちゃん)ほしいの」
サーシャが泣き出す。
「これはもうやられる前に私がやるにゃ!」
ぶっそうなミケ。
「私も毎晩一緒に寝ているから赤ちゃんくるのかな。」
いろいろ突っ込みどころが多いランちゃん。
「ハハハハハ!残念だったな!王国2の剣士殿!」
「くっ!しかし、勝負はまだこれからだ!」
「ラララララーまだ、わたしは負けてないわぁ〜。くるくる〜」
セオドア嬉しそう!アンもなぜか嬉しそうだ。踊りながら歌っている。相変わらず下手だなおい!
「よかったよーメグ、メグ、僕のメグぅううううゲロゲロゲロ」
アーサーまだ吐きながら漏らしている。ある意味器用だ。でも、ちょっとお前がそれ掃除しろよ!
俺の平穏な午後を返せ!!!!!!!
どうせそういうことだと思ってました。とんだ腰抜けのDTだな。