あのよ〜!
猫神様、はいりました〜。
「タクトや、起きなさい!」
あ、猫神様、お久しぶりです。
「みじかい間でしたがご苦労様。」
え?どゆこと。
「こんなに早くここに戻ってくるとは思っていなかったが、第二の人生は満足したかな?」
えええええええええ、俺ってば、死んだのまた?
「何をいうておる。あんなに一気に血を失ったら誰でも死ぬじゃろ。」
ちょっと待って。俺ってば、あそこで死んじゃったの?ねえ、死んじゃったの?うえーん。
みなさん、今まで俺たちのお話を読んでくださって、大変ありがとうございました。俺の冒険はここまでのようです。うえーん。
「もうやり残したことはないかい?」
やり残したことだらけです!まだ猫ちゃんたちと遊び足りないし、カフェを充実もさせていない。あ、猫ちゃんだけのカフェ2号店も開けていないし、もっと召喚もしたかった。カフェのメニューももっと充実させたかったし、おとりよせで、美味しいお茶を提供したかった。
「それで、どの娘と添い遂げようと思っていたのじゃ?」
まだたこ焼きを彼の地に普及させてないし、やきそばを使った冒険者飯も普及させていない。まだ甘味を開発していないし!それに味噌や醤油を使った料理もまだやってないし西京焼きの魚もやってみたかったし。あ、しまった漫画を描いて読ませるとかまだまだやりたいことがあったはず。
「で、どの娘が本命なのじゃ?」
しまった。考えていた服のデザインもあったはずだ。繊維の見直しもしていないし。もっと寝やすい枕を普及させたかったし。まてよ卵がけご飯も作ってみたかった。醤油が取り寄せるから!
「おーい、どの娘が好きなのじゃ?」
もっと寝心地のいいハンモックも作りたかった。ちょっと待って!死んだってことはもうおき上がれないってことじゃない?ということは、もう二度と睡眠を楽しめないじゃないか。ずっと寝られるっていうのと起きて睡眠を喜ぶっていうことは違うような。うわわわわ。
「だからいったじゃない!アテナねえ、こんなやり方で、誰が本命知ろうと思っても無駄だって。」
「そんなこといったって、ちょっと興味なかったアルテミス?」
「こういう状態になったら少しは誰が大切なのか考えるかと思ったのだがのう」
しまった。かき氷も作ってみたかった。ハンバーグだって、スパイスがとりよせできたらいいものが作れたろうし。御手洗団子も作ってみたかった。まてよ味噌カツとかもいいな。
「もしもーし、もしもーし!」
そういえば、抹茶アイスとか、モナカも作ってみたかった!それだけじゃなくて………
「整いました!タクトとかけまして、浅漬けにした具材とときます!」
「そ、そのこころは!」
は、反射的に言ってしまった。
「まだしんでいません。(味がしゅんでいません)」
「ちょっと現実に戻ってきましたか。あなたはまだ死んでいません」
ええええええ、ああああああ、どゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆことどゆこと??????
「この子の頭が不自由なのをわすれていたようじゃな」
「ですねー」
「ねー」
「タクトや、死を考えて、あなたが一番思い描いた、一番大切に思った女性はだれじゃったかな?大切なものが何かわかったかね?」
「はい!猫神様、ありがとうございました。おかげで目が覚めました!俺は、まず彼の地に、冒険者飯を普及させます!」
「ダメだこりゃ!」
「ですねー」
「ですねー」
目の前が白く明るくなってきた。まぶしい!
「おはよーにゃー」
あ、ミケ!ああああ、なんだ夢か。
俺はアルテミス様とアテナ様にお二方が出たおもしろい夢を見たということを告げた。
二人は微妙な顔をされてお互いの顔をみてため息をつかれた。しまった!何かご機嫌をそこねたか。俺はその後、全力でサンダルをペロペロした。
どんどんタクトがペロペロにはまっております。