デートの日
リア充ばくはつしろ!
「タクト殿!タクト殿は本当は猫ちゃんなのに、どうしていつも人間なのですか?妾がなでなでできないではないですか!」
くわ!っと王女様が目を見開いて怒鳴る。
あーあったなそんな設定。すっかり忘れてたよ。ぽりぽり。
「さあ、早く猫ちゃんに戻るのです!」
「うーん、面倒い!」
「くっ!だったらせめてデートを所望します。将来の夫とデートもせずに結婚などしたくありません。」
えーと、これはどういう状況なのかな?
「整いました!」
うわ、アテナ様、急に出て来ないでください。心臓がとまりまする!
「デートとかけて男女のいけない関係とときます」
「そ、そのこころは、ってちょっと待った〜〜〜〜!」
「どちらもつき・います。」
言っちゃったよ。アテナ様。しかも微妙にドヤ顏だよ。ちらっと王女様の方を見る。あ、これ、わかっていない。大丈夫だ、ふぃーーーー。
「アテナ様、今日のご用件は何でしょう」
「自分の持ち物が他人に勝手に使われるのを阻止しに来た」
えーと、どういう意味かな?まさか、俺がアテナ様の持ち物で、俺を王女様が連れ出そうとしたから、怒ってテレポートしてきたとか?????
「ピンポーン!」
「正解なのかい!!!」
ええ、わかりましたよ。みんなとデートしますから、行きましょう!
やけになって言ったらケイトやアンまでついて来やがった。こいつら完全に大勢を見極めたいというだけでついて来てるよな。そうか、これを逆手にとって!!!!
さあせっかくなんで、ケイトさん、アン、手を繋ぎましょうか!
「くっ手をつなぐだと!は、ま、まさか。いか〜ん。俺にはコタロー様が!」
あれ?ケイトの口から衝撃の告白が。それ、カフェの猫ちゃんの名前やん!
「ちょっと待ったぁああああ!コタロー様は私のもの!誰にも渡しません!!!」
うわ、アン言い切った!俺の知らないところで三角関係が出来上がっていたとは!!!ドロドロですやん。
「小娘。お前ごときにあのさらさらですべすべのコタロー様を渡すわけにはいかん!」
「あなたのような年増にコタロー殿のふわふわで、もふもふできる体、わたすことはできません!」
こいつら、完全に常軌を逸している。アホか!
「ほらほら、ばかなことやっていないでいくわよ!」
サーシャが俺の手をとってつなぐ。
「あああああ、この泥棒猫!」
王女様が俺の反対側の手を握る。
ランちゃんが前から抱きつく。
アテナ様とアルテミス様が頭に顎をのせて休みだす。
ミケも背中からひっつく。
これでどうやって、歩けというんじゃい!
気がつくと冷たい目で見られていた。
「お母さん。あれなーに?しゅらばなの?ねえ、しゅらばなの!」
「しーっ!だめですみちゃいけません。あんなふしだらな男を見たら赤ちゃんができてしまいますよ!」
ひどい言われようだった。なんとか説得して、時間で交代することにした。そうしたら、アルテミス様がどこからか、カシオのデジタル時計を取り出して眺め始めた。
「やっぱ、デジタルが最高よ、機械式だと狂いすぎだしね〜」
次の日、俺は女性の敵と認定されたらしい!どうしてこうなった!!!!
リア充、消え去れ!