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猫まんまの日

猫まんまも結構いいものです。

「それでは、これをお渡しください。」

「くださ〜い」「お兄ちゃんお願い〜」


子供達が手を振って帰っていく。


しょぼくれたおじさんと2人のこどもだが、名前は、おじさんがルイス、こどもがショーンとナディアというらしい。今日は、もし会えたら渡して欲しいと、野菜を持ってきてくれた。どうも野菜を栽培して生活しているらしく、この間は隣町への出荷の帰り道だったということがわかった。なかなか美味しそうだ。これは、コタローとコジローにもふるまってあげなくちゃね。


思い立って、二階にあがる。二階の俺の部屋に入る。宝物箱の中にはポツンとただ一つだけレトルトパックのご飯が入っていた。あまりの衝撃に使うことができなかったけど、いつも猫カフェやメイドカフェで頑張っている猫ちゃん達のために猫まんまを作ろうかと思いついた。一人で楽しむよりみんなに楽しんでもらったほうがうれしいし。って、そう思わない?


魚の骨を焼いてそこから丁寧に出汁をとる。灰汁はきちんと丁寧にすくってすんだスープを目指す。そして、残念ながら味噌はないので、野菜スープを丁寧につくる。もちろん、魚の身もほぐして投入する。それをシンプルにご飯の上にかけて完成だ。うわ、うまそうだ。さあ、これをうちの猫ちゃんたちにふるまおう!


「あらららら。いい匂いねえ。」


なぜか早起きしていたアルテミス様がいきなり皿を奪うとガツガツガフガフと食べてしまった。俺呆然。涙が出てきた。


うえーーーーーーん


女神様、俺の心を読んでやばいと思ったようで、なんとか慰めようとするが、一度崩壊してしまった涙腺は、なかなか涙をおさめてはくれなかった。


ふぃーーーーーー。うわーーーーん。


よく考えたらこの体は12歳のもの。今まで押さえつけられてきたストレスと涙が解消されるような、我ながらいい泣きっぷりだ。ちょっと楽しくなってきた。


「もう、わかったわよ。あんたが封印しているその交換のスキルをあんたが前言っていたのと似た上位互換のスキルと取り替えてあげるから、もう泣きなさんな。」


説明を聞くと、交換にあったわらしべ長者的な使い方によっては得をする使い方はもうできなくなるらしいが、買いたいと思ったもので、なんでも買える『取り寄せ』というスキルを授けてくれた。使うのはお金ではなく魔力なので、MPが高い俺には使いやすそうなスキルだ。まてよ、このエネルギー、一旦、どうも女神様を経由しているような???


「ふふふ!ばれたか。これぞ、あなたが食料など欲しいものを取り寄せれば取り寄せるほど、私がうれしいスキルよ」


あれ?これって、女神様経由だとはいえ、きちんと欲しいものは手に入るし、むしろ地球の女神様であるアルテミス様だからこそ、取り寄せてくださるものもあるから。


「女神様、ありがとうございました」

「あれ?すんなり納得?」


では、取り寄せてもらいましょうか!お米を!!!!


えー結論からいいますと、それなりに使えるスキルではありましたが、微妙に少し違う感じのものがもらえるスキルでした。お米は粘りのないサラサラのものやサフランライスのようなものが多かったです。とはいえ、今まで全く食べられなかったものが、少し似たものが食べられるようになっただけ、幸運としませう!


お米で猫まんまを作り直す。時間をかけてより美味しくなるように工夫する。大鍋いっぱいに猫まんまを作ってしまった。う〜ん、満足。


みんなに出すとうまうまと食べてくれた。もちろん量があったので、アルテミス様たちにもふるまった。そして、この匂いにに惹かれてやってきた人たちにもふるまった結果、立派な猫カフェ名物猫まんまとして定着することになったのだ。うーん。個人的にはたこ焼きが否定されているので微妙だが、よしとするか。


出汁は丁寧にとりませう!

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