ヒーローショーは突然に
ヒーローショー大好物です
森の奥にみんなが集まっている。さ、ディレクターの言うことをよくみんな聞いてくれたまえ!
「ちょっと待ちなさいよ、何あんたが仕切ってんのよ!」
「サーシャ、お前な。じゃ、ヒーローショーのコンセプト知ってんのかよ!」
「そんなもの知るわけないでしょ!」
「じゃ、口出すなよな。」
「その言い方ムカツク。だいたいあんたに任せてまともなものができるっていう保証がどこにあんのよ!」
「わかった、もし失敗したら、お前のくつをなめてやるよ!」
誰からも反応がない。どうした?
「だって、それあんたに対してのご褒美でしょ。罰になるようなことじゃないと…」
「ちょっと待て!みんな俺のこと、どういう目で見ているんだよ!」
みんな俺と目を合わせてくれない。微妙にコタローもコジローも目を逸らした。
なんでだよ!ふざくんな。
「まあ、いいわ。やってみなさい。」
俺の戦いが始まった。
コールドリザードとブラックベアーも呼んである。へへへ、すみませんねえ。よろしくお願いしますでゲスよ、ゲスゲス。
まず、練習だ。ここにはランちゃんをお願いしてある。まず、ランちゃん、花摘みをするんだ!そこに、出てくるブラックベアー、ガオー、はいきた!
ランちゃんのセリフ!
「きゃあああ、えーとなんだっけなんだっけ?たすけてください。これは病気の母を、たすける?ため〜の花なんです!」
ガオー!ブラックベアーナイス!
「えええと、きゃーだれかーーたーすーけーてー!」
「ちちちょっと!ままま待て!」
森の奥からおじさんが出てきた。へっぴり腰だ。足がガクガク震えている。
ちょっと俺たち大困惑。
「そ、その子に手を出すなあ。さ、みなさんも一緒にきりかかってください。」
えーと。困ったな。ブラックベアーも助けを求めるように俺を見ている。
すると、急に男の子と女の子が出てきて泣き出した。
「うわーんとうちゃんやめて〜」「えーんとうちゃんをだれか助けて〜〜〜」
何?この三文芝居??????
「えい、悪者!その女の子をはなすのです!」
「ぼくたちがゆるしゃないぞぉー!」
人間に変身したコタローとコジローが登場だ!のりのりだ!いいぞ!
とおおおおお!二人が空中でクルクル回る。
シュタ!決まった!
「えーい、正義の味方キーック!」
「せいぎ、みかた、ぱあんち!」
「ぐおーーーーーーーー!」
ブラックベアがたまらず逃げ出す!
「お兄ちゃんたち、すご〜い」「ふぃーすごいですのぉ〜」
そして、二人の子供はお父さんにすがりつく。
3人がうぇーんと抱き合ってなく。俺は言いたくなる。はいカットーと。でもこれは、芝居じゃないからさすがに自重した。
「あ、あ、ありがとうございました。」
父親が泣きながら言う。
「ございました〜」「ました〜」
「お二人は、どなたですか。」
父親が震える声で聞く。涙が出て鼻水も。きちゃない。
「名乗るものではありまちぇん」「ましぇん」
そして二人は立ち去る。おお、決まった!
そのあとはさすがに練習が続けられませんでした。どうしましょ?????
コタローコジローかわいいです。