果てしない交換の果てに
誰か私と人生を交換してくらさい
お金を全部使ったことを告げたらサーシャに本気で頭を叩かれました。とほほほ。
「あんた、何やっちゃってくれてんのよ!金庫のお金に手をつけるなんてアホか、明日からの仕入れはどうするのよ!」
サーシャの前で正座させられました。とほほほほほ。
どうして、こういうことになったかちょっと誤魔化しながら告げると、品物を交換するように冷たく告げられました。
泣く泣く、必要ではないものを交換していきました。そして気がつきました。交換すると微妙にお金が増えているのです。必要なもの、価値が高いと思っているものは、高く交換できるというのは本当だったようです。これも、わらしべ効果でしょうか。しかしです。お金では買えないものなのです。そこのところが偉い人にはわからんのです。お金なんて飾りです。
「あんた、何かくしてんのよ!これも交換しなさいよ!」
サーシャがレトルトカレーをつかみました。いえいえ、それを交換するなんて、とんでもありません。俺は涙を浮かべてサーシャを見つめます。
「ほら、とっとと交換しなさいよ!」
鬼!悪魔!!!!!!!!
パアアアアアっと光りました。なんと金貨20枚が現れました。サーシャは喜びましたが、俺は四つん這いになって泣きじゃくりました。
結局全部交換させられて前の20倍ものお金が目の前に積み上げられました。確かにそれだけみると、現代のわらしべ長者でしょう。サーシャは、ほら、と銀貨1枚を投げてよこしました。鬼です。悪魔です。サーシャです。そして、残りを金庫に入れると、鍵を自分のぽけっとに入れたのです。
サーシャがでて行くと俺はそっと銀貨1枚を握りしめ、
「交換」
と囁きました。
なんということでしょう!ご飯のレトルトパック1パック3つ入りが出現しました。遅いよ!遅すぐるよ、きゃみ様!!!!!!!うえーーーーーん。俺は交換スキルを封印することにしました。
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