セオドアの憂鬱
いつもお読みいただきありがとうございます。
「うひひひひ、猫ちゃんかわええのう、かわええのう、ペロペロ!」
ケイトか。あいつ、毎日きてるな。あんなに飲み物頼んでよく金が続く。
「あ、そうだ、タクト殿!すまんがサンドイッチを2つお持ち帰りで作ってくれないか?」
「いいけど2つも食べるのかい!」
「いや、実はセオドア殿が大怪我をしてベッドで寝ているから奥様と娘さんの分をたのまれたんだ。」
ふーん、心配だな。セオドアどうしたんだろう??
「でもセオドアのと奥さんのと娘さんので3つじゃないのかい?」
俺はケイトに尋ねた。サンドイッチ2つを3人で分けることはできるが、わざわざそんなことするかな???
「それがよくわからないのだが、お仕置きでベッドに寝ている前で2人が食べるそうなんだ」
「なんだそれ?意味がわからない」
それはそうと、ついに今日はレベル140になって新しいスキルを身につけたので試してみようと思っている。それは交換、というスキルで持っているものと同等の価値のものを交換するスキルだ。
ケイトの持ち物で試してみるか。
「ねえ、何かいらないもので、価値のありそうなものって持ってる?」
「うーーーーーんこれはどうかな?」
ケイトは美しいブローチを差し出した。見るからに高価そうなものだ。これは、金貨10枚はしそうだ。
「それにしてもこんな、美しいものを送ってくれる男性がいるなんて」
「女性からの贈り物だ」
「へ???」
「だから、女性からだというておろうが!」
どうやら、ケイトは、女性の貴族にすごい人気があるようだ。それで毎日こんな贈り物をもらって辟易としているらしい。送り返すこともできないし、結構お返しもしなくてはいけないし、大変らしい。ケイトは、こう見えても騎士として、最低の爵位持ちらしいからまあ、そういう付き合いは大切なのであろう。
交換すると、金貨7枚が現れた。なんだか微妙だ。おかしい。しかしケイトは喜んでいた。ペンダントはつけないし、邪魔だから、これで、お返しが買えるとのことだった。
そして、何度か繰り返してやってみると、これは、その人が認めている価値に基づいて交換できるということがわかった。ということは、ガラクタでも、価値があると思っていたら、高価なものに交換できるのか????????????
目指せ、俺のわらしべ長者!
サンドイッチは少し具材を奮発しました。かわいそうなセオドア。
人を呪わば、穴二つ!