召喚術のイロハ
召喚のこと、何もしらないたっくんでした。
「何?あんた素材を集めるため、そんな面倒なことをしたの?」
「はぁあああ?もっと簡単な方法があったのかよ!」
サーシャによると、普通召喚士は、ダンジョンを召喚して、そこから素材を得るそうである。知らなんだ!
「よし、サーシャよ、許す!ここにダンジョンを召喚するのだ!ふははははは!」
「できるわけないじゃん!」
「ふへ?」
変な声が漏れた。いかんいかん。
「そんなことができたら、あたしだって、王立召喚士になってるわよ。なんで、あたし達が、カフェやってるか忘れたの?」
そうでした。俺たちってば、ポンコツだから一種類の幻獣しか召喚できないんでした。
「まあ、ガウラン様から聞いて、それも悪いことじゃないって分かったからいいけど。」
へ?どういうこと?
「つまり何でも召喚できるけど、召喚獣のレベルはあげられないから自分の召喚レベルがあがるごとに、強い種族の召喚獣を召喚できるようになる普通のタイプと、私たちのように一種類しか召喚できないけど、その召喚獣のレベルをガンガン上げていけるタイプの二つがあるらしいのよ!」
つまり、どうゆうこと??
「あんたに分かってもらおうと思ったあたしがバカだった…」
「やーい、バーカ!バーカ!」
「うるさい、アホー!!!!はぁ、はぁ、はぁ。まあ、いいわ。あんた、確か写し身っていうのが使えるのよね。」
確かに、それが何か?
「はぁー。ああ、いいわ!あんた、その能力を使ってガウラン様の召喚術をコピーしたら?」
ふぉおお、その手があったか!これでなんでも召喚できる!これで、か・つ・る!
「アホーーーー!そんなわけあるかぁああ!!」
「アホっていう方がアホやーーーーーー!!!!!」
「はあ、はあ、はあ」
「ぜえ、ぜえ、ぜえ」
なかなかの好敵手!引き分けにしておいてやらあ!って?なんの話だったっけ?
「あんたは鳩か!3歩歩いたら、話していたこと忘れるのか!」
「鳩さんにあやまれ!ひどいこというな。」
ふっと笑って、サーシャは、背中を向けて歩き出した。
「もう、うさみーるに戻んないと。それにしても、あんたがそんな奴だって忘れてたわ。ふぅう。知っていたはずなのにね。まあ、せいぜい頑張んなさいよー。」
後手にひらひら手を振ってよこす。
「なるほど、そういうことか。しかしサーシャがいう通り、写し見を使っても、他の召喚獣は呼べんぞ。今持っている一種召喚の力の方が全種召喚より上級スキルじゃからの。」
へ?そうなの?
「とはいえ、物は召喚できるようになるじゃろうな。」
ガウラン様に召喚スキルをコピーさせてもらった。
さあ、レッツ召喚タイム!
いでよ、ドラゴーン!!!!!!!!!
しかし現れたのは、またしても猫ちゃんだった。どういうこと???
「だーかーらー、呼ぶなって言ったでしょう!」
御機嫌斜めのミーちゃん様に散々引っかかれて土下座をかました。申し訳ありません。
「あんた、ダンジョンを召喚するなら力を貯めて全力で召喚した方がいいわよ。力を注げば注ぐほど、上級のダンジョンが呼べるからね。」
ははーミーちゃん様!しかし、そうなると、魔物も強くなるのでは???
「なんのための幻獣たちよ。幻獣に勝てる魔物なんて存在しないわよ。あほか。」
え、そうなの?しらなかった。
結局猫最強でした。
ミーちゃん様、怖い。