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黒竜の日

たこ焼きは終わりのない芸術です。

やっとタコ焼のソースも完成し、こちらの世界での究極のたこ焼きの完成も近づいた。とはいっても日本の本場のたこ焼きの足元にも及ばないのであるが、そこはご愛嬌。しかし、である。この究極で至高のたこ焼きを完成させるには、やはり何かが足りない。試行錯誤を繰り返し、やはり、根本の粉から見直した方がいいのではという気がしてきた。そこで、自分で粉を栽培しようとして、裏庭の一画を耕し出したのだが、鍬がいきなり壊れてしまった。困った。


「やーなの!あのおじさん怖いの!」


ランちゃんに金物屋まで行って買ってきてくれるように頼んだが即座に断られた。


「でも何もしてこないでしょ。」

「でもランちゃんの後をぴったりくっついて、匂いを嗅ごうとふごふごするの。怖いの」


ノータッチではあったがそこは変態。匂いを求めてふごふごするとは上級者である。うーん。こうなったら、鍛冶スキルを写させてもらって、自分で作るかな。でも素材がないんだよな。


「タクちゃま、そとにでよ」

「タクしゃま、そと、でう」


コタロー、コジローの双子が魔物や動物から素材を提供してもらえるかもしれないから街の外に出ようと提案してきた。こいつら、ちょくちょく街の外に薬草を集めにいってもらっているから最近は、もっと魔物や動物達と仲良くなったらしい。


街の外に出たとたんに動物や魔物が集まりだして、貢物の山ができた。なんだかワイワイガヤガヤにぎやかである。


「コジローさま、すまねえが、最近大地の魔力が枯渇しそうなんで、コタローさまの魔力をわけていただけねえだろうか。」


こくっと頷くコジロー。魔力を魔物に注いでやる。なんだか王様感半端ない奴。


「おおお、ありがたや、ありがたや!」


アイスリザードは涙をながして喜んでいる。そして、爪のかけらを差し出した。


「これで、強いくわを作ってくんろ。コジローさま」


「コタローさま、この子を幻獣さまの形にしていただけないでしょうか。」


え、これって、もしかして火の精霊サラマンダー?????


「今日、この子の姉の結婚式なんですが、幻獣さまの祈りが必要なんです。そこで半日変身させられるコタローさまの能力で、この子を幻獣さまの形にしていただければ」


「いいよぉ」


みるみる子供の精霊が光り輝いて猫ちゃんの姿に変わる。


「おお、有難や、有難や。コタローさま、役に立つかどうかわからないですが、これを使ってくだされ」


差し出されたのは精霊の涙、そんな上級素材使いこなせないよ!


その後もつぎつぎと素材を提供してくれる動物と魔物の列ができた。カーニバルか!こんな素材、何に使えばいいんだ。戦争でも始めるつもりか。


するといきなり、空が暗くなった。あれ?雨でもふるのかな。上を見上げたら、ヤバイヤバイヤバイ!ドラドンが空を舞っていた。これだけの動物と魔物が集まっているんだ!狩りにきたんだ。これは人生オワタ!


俺はコタローとコジローを両手に抱いて、岩に偽装することにした。幸いなことに、今日の服はサーシャいわくワイバーンの糞色だ。岩に酷似した色だ。


ガタガタ震えながら身を小さくするが、コタローとコジローがするりと両手から抜ける。待て待てお前ら黒いから見つかっちゃうよ!


「黒竜のおじいちゃま」

「黒竜おじいしゃま」

「コタロー殿、コジロー殿、息災であったか。そこに丸まっている糞色の着物がお前らの友人というわけだな」


ヤベエよ。ドラゴンと知り合いになってたよ。しかも黒竜かよ。上級種じゃないか。


「はははははい。わわわわわわたくしがタタタタタタクトででででごごごございましゅるうううう」」


噛んだ。


「ほう、それが例のラップとかいうやつか。精霊王に聞かされたものと少し違うのお。若い者の趣味はよくわからん。しかし、我々には、伝統を守るという仕事もあるで、変なことばかり教えないで欲しいがな。」


精霊王!何やってくれちゃってんの。怒られたじゃん。アーサーじゃなくてもここは漏らすところじゃん。


「ははぁああああー黒りゅさまの仰せのとおおりに」


噛んだ。かっこわるい。


「何はともあれ、受け取るがよい」


ひぃいいい、黒竜のうろことひげ!エクスカリバーでも作ろうかな、ハハハハハ。


世界が暗転した。どうやら俺は気絶したらしい。気がついたら空をも飛ぶようないい気持ちって、本当に飛んでます。どうやら、黒竜の背中にいるようです。


「わー高い高い!」

「黒竜しゃま。もっと。高く!」


アホかー!危ない。主に俺の命が。


ゲッソリして家に帰ってからベッドに倒れこみました。王女様とサーシャ、ミケ、ランちゃんにしがみつかれてさらに死にそうになりました。とほほ。


リア充爆発しろ!

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