そして誰もいなくなった
大惨事の幕開けです
「何か君にはあると思ったが、こんな秘密があったとはね。レベル112とは。にわかには信じがたいが」
このカッコつけのお漏らし小僧はアーサーだ。
「旦那様、素晴らしい!妾、惚れ直しました〜!」
これは、王女様のマーガレット。
「う、うそ。そんなにレベルが上がってるなんて。わたしなんてまだ38なのに。」
このカタカタ震えてるのは、リリーだ。
できるだけ前回と違うメンバーを集めてくれという激しいミーちゃん様のリクエストにより、前回とは違うメンバーが揃えられている。多分これはディレクターの考えとは違うだろうな。この安心したミーちゃん様の表情から察するにね。
「さあ、始まりました。今週の猫道中。番組MCは、わたくしミーがお送りいたします。」
おお、スムーズな進行だ。ケイトだのセオドアだのの変態がいなければ、スムーズなんだな。
「それでは、ここにいらっしゃる人たちにインタビューしてみましょう。それではそこのあなた。ここの」
「ね、ねこが喋った〜〜〜〜〜!!!!!きゅううう。」
おいおい、リリー何を聞いてたんだよ、お前テンパりすぎだろ!気絶しちゃったよ。ミーちゃん様、どうすんだと、ディレクターの方向いて指示を求めてるし。どうやら、太ったディレクター、うれしくてたまらないみたいだ。つづけろとさ。
「そ、それでは、あなた、いかがでしょうか。」
ミーちゃん様は、マーガレットに聞いたが、いきなりリリーが起き上がって、ミーちゃん様の胴をむんずと掴んで頭上に高々と差し上げて踊り出した。MPを吸い取られそうな奇妙な踊りだ。しかもなんか歌ってるっぽいぞ。
「ねこがしゃべった、しゃべった、ねこが。ねこが、ねこが、ねこがしゃべった、しゃべった、しゃべった、ダバダバ〜」
う〜ん、なんだこれ。するとすかさずミーちゃん様。怒りのマイク攻撃、ドカっと鈍い音がして、マイクがリリーに吸い込まれ、リリーがきゅう、と気絶する。
ミーちゃん様、さすがだ。プロだ。すぐさま何事もなかったかのように、インタビューに戻ろうとする。でもマイグが少し曲がっていて、いま起こった惨事を俺たちに伝えている。
「えー、では、すみませんが、ここの印象を」
アーサーの目が泳いでふらふらと立ち上がったと思うと、いきなり、漏らした。すごい勢いで流れている。あ、ミーちゃん様にもすこしかかった。ミーちゃん様、怒りの突きだ!アーサー自分が垂れ流したものの中にゆっくりと崩れ去っていく。きちゃない…。
そうして、猫道中の撮影は終わったのである。もう二度と来るかとカンカンのミーちゃん様。ところが、またもや記録的な視聴率を叩き出したらしい。気の毒なミーちゃん様。なむ〜〜〜〜。
燃え尽きたよ、真っ白にな。