表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/290

熱闘!王国武闘会!

ケイトさんがんばれ!激しくがんばれ!

「ガハハハハ!猫ちゃんかわええのう、かわえええのう!ケイト殿もどうじゃ!ふはははは!」

「くっ!お、俺、いやわたくしは、王国武闘会のための練習があるから、これにてごめん!」

「弱い奴は可哀想だなあ〜、練習しなくちゃならんから!ふはははは!」

「今だけ勝ち誇っているがいい!今度優勝するのはわたしくしだ!さらば!」


って、手が猫ちゃん撫でちゃっていますけど。


「くっ、この一撫でで失礼する。」


鉄の意志で練習に向かうケイト。うわ、本気だな。しかし背中から哀愁オーラがすげえ。


「セオドアさんは、練習しなくていいの?」

「拙者は練習なんかいらないのさ、どうせ勝ちましゅからねぇ。ねえ、猫ちゅわん、そうだよね〜、ね〜。ふはははは」


うーん、あんなに余裕こいていて、いいのかな?俺は疑問に思った。その時、背後から嫌な気配を感じて俺は振り返った。


「くくくく。やはり僕の気を感じるか。君はすごいねえ。」


アーサーか。こいつ絶対セオドアやケイトより強いだろ。


「セオドア、あんなに余裕で大丈夫なのか」

「そうか、君は知らないんだな。まあ、見ておくよいいよ。おもしろいものが見られるさ!」


そそくさと、離れるアーサー。


「待ちなさい!アーサー卿!!!!」

鬼の顔をした王女様がアーサーを呼び止める。


「妾の靴下を返しなさい!けがらわしい!」


なんだかんだで変態でした。ダッシュで逃げようとしたところをセオドアに取り押さえられました。


「私は、無実だ〜!」


そう言っていたけど、しっかり靴下がジャケットの内ポケットから出てきた。残念。ただの変態でした。


それにしても、彼の二つ名は、閃光のアーサーというらしい。なんだかすごいな。これは期待できそうだ。アーサーは、王女のいとこで公爵様だ。なんで、あんなに王女に、きらわれているのかはわからない。まあ、多分ああいう変態的なところなんだろうな。しかし、3番隊の分隊長だっていうから、一応セオドア、ケイトに続く実力者なんだろうな。でも絶対あいつが一番この国で強い。


そして、ついに、王国武闘会の日が来た。


予想通り、ケイトは勝ち上がった。しかし、俺は、持ち金の全額をアーサーに賭けた。しかも、彼に賭ける奴は全くいなかったので、もし彼が優勝したら、一生楽をして暮らせるはずだ。うへへへへへ。はっ、本音が出てしまった。


それをセオドアとケイトに伝えたら


「うーん、アーサーか。」

「あ〜、アーサーね。」


と歯切れの悪い返事が返ってきた。なんでだ?あんなに強いのに。


「うーん、強いことは強いよ。練習ならね」

「すごく強いわよ。多分、王国一ね。でもねえ。」


よくわからんが、アーサーに賭けて失敗したのか???いやそんなはずはない。奴は確実に強いし、何かを隠している。


さあ、次は、アーサーの一回戦だ!よし、こい、ここでガツンと儲けるぜ!!お願いしますよ、アーサー卿。


「次は〜、アーサー卿対、アレックス〜。」


審判の間の抜けた声が会場に響く。


アレックスは、どうも駆け出しの冒険者らしい。装備も貧弱貧弱ぅ〜!


あれ?アーサーの様子がおかしい。ガタガタ震えて内股になっている。いつもの自信はどこに行ったんだアーサー!がんばれアーサー!俺の金返せアーサー!


アーサーは、きょろきょろあたりを見回している。なぜかえらくガタガタ震えて玉の汗をかいている。


「ちぇすとぉおおおお。おうりゃぁあああああ。」


うわ、むっちゃ小声。しかもいきなりヘロヘロの剣筋でアレックスに殴りかかった。あんなヘロヘロだと、蚊も殺せないぞ。


アーサーの奴、なんだか内股でトコトコ走ったはいいが、ペシっとアレックスに叩かれて、きゅうぅ、と気絶しやがった。なんだよこれ!


「ギャハハハハ、さすが閃光のアーサー!」

「今年も閃光のごとく一回戦で消えたぜ!」


二つ名は、そ・こ・か・ら・か。アーサー!すぐいなくなるから閃光って、誰がそんなのわかるか!ふざくんな!


「あー教えてあげればよかったな、タクト殿。あいつは、練習では多分誰よりも強いけど、本番にメチャクチャ弱いんだよ。」


ケイトが頭を掻きながら教えてくれた。遅すぎるんじゃい!それにしてもこんなに、あがり症だとは、誰が想像できたであろう。


「じゃ、俺を応援してくれよ、タクト殿!」


ケイトが次の試合に出るために、闘技場に向かう。うん、充実しているな。こっちにかければよかった。売り上げの3ヶ月分をかけるんじゃなかった。オケラになっちまったよ。トホホ。


試合は、そのまま順調に進み、ケイトが順当に勝ち上がり、ついに、決勝戦になった。


これは、ケイトが勝つな。よし、最後のなけなしの金貨50枚をかけよう!これだったら、なんとか負けを取り戻せるかもしれぬ!


そして決勝戦!ケイトが押している!よし行けケイト!強いぞケイト!これは勝ったな!!!


「ふふふふ、ここまでは全くいつもと同じか。」


アーサー、お前かっこつけてるけど、本当にひどかったぞ、俺の金返せ!


「ケイトはね、もうとっくに、セオドアを超えているよ、それこそ5年も前からね。でも糧やしないさ!見ていればわかるよ!」


無駄にカッコいいな、アーサー。でもな、お前、さっき、漏らしていたじゃん。これじゃ、王女様にけがらわしいって言われても仕方ないよな。服装もさりげなく前と違うけど、おしゃれじゃなくておもらしが原因だよね。


「さあ、ついに勝ったぞ!ファイナルストラーイ、」

「あ、猫ちゃんだ!」

「え?どこどこ?」

「ククク、すきあり!」


アホか、ケイト、お前、一回死んでこいケイト、騙されて後ろを見たケイトをセオドアが場外に突き落とした。


「あーあ、またかよ。」

「まあ、例年のお約束だからな。」

「仕方ない。予定調和だ。」


ええええええええ!俺の金は?????


「ふはははは、未熟未熟、未熟だぞ!ケイトよ!」

「くっ、正々堂々の勝負、仕方ない。」


アホー!思い切り汚なかったわ。どうりでセオドアが余裕だったわけだよ。汚いぞ!!!!


「あ、タクト、あんたいくら稼いだ?見てよ。これ。しばらく寝て遊んでいられるほど稼いじゃった。」


金貨800枚稼いだサーシャの前で、一文無しになった俺は崩れ落ちるしかなかったヨ。えーーーーん。

賭け事はやってはいけませぬ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ