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コジローの憂鬱

コジローは一回り小さいけど威厳が半端ないです

小さい黒猫が、トトトト、と走ってきてぽん、と肩の上に乗る。コタローに似ているが、こっちは、コタローの双子の弟コジローだ。コジローは寡黙だができるやつ、という評価を俺はしている。


「どうした、コジロー、何か用か?」

「タクしゃま。精霊王様。呼んでう。」


精霊王?何か俺、悪いことしたっけ?ヤバイ。

ちょっと汗が吹き出てきた。


「案内すう」

「わかった連れて行ってくれ。」


郊外に出ると、周りの魔物や動物が、恐る恐るこちらを伺う。コタローの時は、話しかけて貢物をする連中がやけに静かだ。そっと足元において、ささっと去っていく。それを見て、鷹揚にコジローが頷く。王者の雰囲気があるぞ、お前。俺よりよっぽどご主人様らしい…。



「コジロー様、お待ちしておりました。こちらで御座います。」

なんと、こいつは、竜人か。やばい、俺のメンタルはすでに豆腐だ。


すると、どういう魔法なのだろうか。目の前に扉状の魔法陣が浮かび上がる。

ここを抜けろというのだろうか。


「コジロー様、ここをお抜けください。」

うやうやしくそういった後、俺には顎で抜けろ、と指示する。俺、涙目。


扉を抜けるとそこは、よそ国でした。巨大な泡がいくつも浮かんでおり、光が中に充満している。それぞれが、銀河のように美しい。


俺たちが抜けた中に、一人の凛々しい青年が待っていた。これが、精霊王!!!!


「Hey, YO!元気かYO!俺、俺、俺様、マジお前リスペクト!」


精霊王が片手で胸を叩き、リスペクト?????何、このシチュエーション。


「Hey, お前、ノリ悪いな、YO!俺様、絶対王者、勝者、精霊王と生まれたち〜、この地この地を支配する。拙者に従え愚民ども、Yeah, じゃなきゃ戦車でフミツブゥ〜ス!お前彼の地のジャパン生まれ、生まれ踏まれてこの地に辿りつくぅ〜!Yeah!」


えーと、どういうことだ、これ?


「精霊王、タクトしゃま。時々歌ってるラップ。お好き。習いたいって。」


ゲゲゲゲゲゲ!俺が時々歌ってたのを聞いてたのかよ、ハズイよこれ。俺死にたい。


「お前チキン、俺に返してみろ、熱い魂感じさせろ!そして、白黒、つけようぜ!」


妙なテンションでラップをする青年。どうしてこうなった。限りなくインチキくさいぞ。


「もう帰ってもいいですかぁ〜イエ〜。俺のメンタル大崩壊!おいおい、そうかいってなもんで、爽快に行こうぜ、つなぐよ、俺のラップ。聞けよ魂、悲しい、こ・こ・ろ。こ・こ・は。どこだよ異界だよ、意外だな、イェー!」


もうどうにでもなれブラザー!


鎮座ドープネス、マジリスペクト。黄猿さん、足は大丈夫ですか?

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