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王様のおよび〜

勇者よ、死んでしまうとは、なさけない!

「あんたがグウたらなふりしてるのは、あんたが自分を守っているから。その歪な心を隠そうとしているから。わかってるでしょ。」


わからん。ぐぅ〜〜。


「結局あんたは傷つきたくないだけなのよ。自分がかわいいの。」


その通りです。ぐぅ〜。


「あんたがやる気になれば、英雄にだってなれる。王にだってなれる。でもあんたはやらない。誰も傷つけたくないから」


何にもなれませぬ。ぐぅ〜〜。


「でもね。忘れないで。あんたがこんなんでも、私たちが守ってあげる。助けてあげる。」


サーシャうるせえ!俺がこんな歪なのは、俺の心が歪だからじゃ。文句あっか。


「だからね。王様がおよびなんだから、とっとと行ってらっしゃい。」


どうしてこうなった。ちくせう!あのアホ王女がちくったせいで、こうなった。



「さて、タクトとやら。お主、素晴らしい召喚士にして、娘の婿になりたいそうじゃな。」

「王様、それは誤解でございます。なぜなら。私は何を隠そう猫ちゃんなのです!」

コタローに目配せ。猫ちゃんに早変わりだ!ふははははは。


みんなあっけにとられている。


「王様、このように、この姿が真実の私。実は。私は、神様から幻獣たちを集めて人々を幸せにするという使命を仰せつかったのです。ですから、このことは是非内密に。」


決まった!王様も目を白黒させているが、うなづくしかなかったようだ。これで王女との結婚は回避された。


「婿殿が幻獣様で、神から遣わされた使者とはなんたる僥倖。これで、婿殿に王になっていただければ、この国も安泰じゃ!」


ちょっと待て!どうしてこうなった。


「お、王様、お待ちください。実は、まだ私の使命は終わっておりませぬ。使命が終わった暁には、この身を国に捧げましょう。しかし、それまで、私の身は神のものです。」

「ほう殊勝なこころがけ、それはいつじゃ?」

「私の使命が達成されるまでですから。まだ当分先かと」

「あいわかった。それでは、このことは皆も内緒にするように!」


ばか王女、なんで顔を紅潮させてやがりますか。俺が本当に猫だと信じたのか?はっ!しまった、こいつ猫スキーだった。



「ああああ、あの時の猫ちゃん。ああ、これは運命だったのです、神様、ありがとうございます。タクト様を私の元に遣わしてくださって。」


やばいトリップしてやがる。


「じゃ、王様、それではまた〜。ごきげんよう」

「またれい!この娘には、花嫁修行として、タクト殿のところに住まわせることにする!」


そして、夜。狭い部屋が巨大な天蓋付きのベッドでますます狭くなった。王女が隣でいびきをかいて寝てやがる。コタローを抱きしめて。コタロー、君は、俺のために犠牲になったのだ。


しかし、サーシャもミケもランちゃんまでもが機嫌が悪い。サーシャは、私は傷ついた、責任とれーと叫んで俺を殴った。どうしてこうなった!


たつんだ!たつんだジョー!!!!

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