ぴょん子さん星になる
鈍亀です。更新遅くて申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
「でだなぁ。空を飛ぶ輸送機関を作ろうと思うんだなぁー。」
「えー必要なくないですか。そんなもの。危険だし。落ちるし。」
俺は飛行機はこの星にはまだ早いと思っている。だって、危ないじゃん。落ちるじゃん・・・・・・。
「人が飛べるのに、機械が飛べないなんていう法はないんだなぁー。」
うん。確かに、それは同意だ。カトリーナもうんうんと頷いている。まあ、あいつは、スミス殿の言うことには、いつも頷いているから、あまり助けにならないけど。
「まあ、風の魔法を付与して、飛ばせば、落ちることもないでしょうからね。」
俺は、この会話をすっかり忘れていた。それから1週間・・・・・・・。
「スミス殿、これって・・・・・。」
「そうなんだな。空を飛ぶ機械なんだな!」
えーと、これって、どうみても、あれだ、鉄の船!なんていったっけ?星間航行船だよ!なんで、飛行機を飛び越して、こんなものつくるんだよ。
俺があわわあわわと震えている横で、カトリーナがうんうんと頷いている。お前は頷くことが仕事か!これは、危険がヤバイ!
「ス、スミス殿・・・・・・・。」
「うん、なんだー。」
「こ、これ、誰が乗るんですか?」
「あ、僕たちなんだなー。」
「えーと具体的には・・・・・・。」
「僕とカトリーナとタクト殿なんだなぁー。」
「で、ですよねー。」
く、これは、危険が危ない。そ、そうだ!
「い、一応テスト飛行をしませんか。」
「うーん、そうだなぁー。でも誰がするのかなぁー。タクトど・・・・」
「そ、そういえば、ぴょん子さんが、飛ぶことに興味があるって言ってました。」
「ああ、ぴょん子さんなら、大丈夫なんだなぁー。」
よ、よかった・・・・・・・。あとは、説得だけだ・・・・・・。何故かカトリーナがジト目だ。これ、気がついているよな・・・・・。でもごめんよ。さすがに、怖いよ・・・・・・。
俺は、その足で、ぴょん子さんのところに頼みに行った。
「なあ、悪いけど、ぴょん子さん、お願い。飛んでくれないか。」
「なるほど、つまり、怖いから私に代わって欲しいと・・・・・。」
「ま、ま、まさかぁ〜。」
「なるほど、試作機なので、危険が伴うというわけですね。」
「そ、そんなわけないじゃーん。」
「じゃ、条件があります。私と一緒に飛んでくれたら、私も飛びますよ。どうです。」
「は?そそそそそそそそそそれは・・・・・・・。」
「ふふふ。冗談ですよ。お金さえ弾んでもらえれば、やりますよ。」
俺は、なんとか白金貨10枚で手を打った。ぴょん子さんは、手ごわすぎる・・・・・・。って、普通なら、金貨1枚程度の仕事なんだけど・・・・・・。俺はやられた感でいっぱいだ。
そして、ついに、飛行テストの日がきた。
「じゃ、行ってきます!」
ぴょん子さんが手を振る。
「頑張ってきて欲しいんだなあ〜。」
スミス殿も快活に手を振る。
さあ、エンジンに火が入った。リフトオフ!ぐんぐん、青空に、ロケットが吸い込まれていく。そのロケットに付いている船もすさまじい力で震える。大気も、震えている。次の瞬間、ロケットが火に包まれた!まずい!そして、船もバラバラになる。
「ぴょ、ぴょん子さ〜ん!」
「うるさいのう!」
俺は、ぽこっと頭を叩かれた。あ、またこの夢か・・・・・・・・・。最近この夢ばかり見る。
「なあ。旦那様、そんなに心配なら、旦那様も乗り込んだらどうじゃ。」
俺は涙目でふるふると頭を振った。あんなものに乗ったら、危険がまずい!
そして、そんなこんなで、その日がやってきた。
「ぴょん子さん、これで、連絡するんだなぁー。」
「このスイッチを入れれば、いつでも脱出できるから!」
えーと、スーザン博士よ、お前もこれに一枚噛んでいたのか。嫌な予感しかしない。
「ダダ!」
ガブちゃんも何かあったら、助けに行くそうだ。っていうか、ぴょん子さん1人で何があっても帰ってこられるけどね。
「では、みなさん、行ってきます!」
さあ、エンジンに火が入った。リフトオフ!ぐんぐん、青空に、ロケットが吸い込まれていく。ちょっと待て、これって、どこかで見なかったか?気のせいだよな?
そのロケットに付いている船もすさまじい力で震える。大気も、震えている。次の瞬間、ロケットが火に包まれた!まずい!そして、船もバラバラになる。
「うわー!ぴょ、ぴょん子さん!!!!」
俺はベッドから跳ね起きた。
「大丈夫ですわよ、ご主人様、安心してお休みください。」
ミリカが俺の頭を胸に押し付けて抱いてくれる。絶対の安心感だ。ふかふかで・・・・・。
「ぴょん子さん!俺も行くことにしたよ!」
「ふえ?本当ですか?」
「ああ、もう悪夢を見るのはごめんだ。」
「でも、びた一文まけませんよ。」
「かまわない。これは、俺の良心の問題らしいし。」
俺は、ぴょん子さんと、船に乗り込む決意をした。
そして、その日がやってきた。運命の日だ。
「ぴょん子さん、これで、連絡するんだなぁー。」
「このスイッチを入れれば、いつでも脱出できるから!」
スーザン博士がぴょん子さんに注意を与えている。まてよ、これ、前に見なかったか?夢じゃないよな。
俺は思わず、ほっぺをつねったら痛かった。夢じゃない。
「ダダ!」
アホかって?まあ、アホなんだけどね。
「では、みなさん、行ってきます!」
「待っていて!いいニュースを持って帰ってくるから!」
さあ、エンジンに火が入った。リフトオフ!ぐんぐん、青空に、ロケットが吸い込まれていく。ちょっと待て、これって、どこかで見なかったか?気のせいだよな?
そのロケットに付いている船もすさまじい力で震える。大気も、震えている。次の瞬間、いきなり目の前に星が散らばった。なんだこれ?
「星間航行第2フェーズに移行!空間歪曲航法成功!」
えーと何が起こった。
「店長!もう、別の銀河ですよ。」
「ふわ?どゆこと!」
「空間を曲げて航行したんです。大成功です!」
ちょっと待て!俺たち、大陸間を飛ぶ船の話しをしていたよな。なんで銀河間を飛んでいるんだ!
「あ、見えました!あれあれ!」
「あれって・・・・・・。スーザンの星じゃねえか!こんなとこにあったのか。」
というわけで、俺は俺の分体にお茶をごちそうになっています。スーザン博士が、スミス殿とカトリーナ、そしてガブちゃんを連れてきたので、みんなでお茶を飲んでいます。えーと何これ?
「やっぱり、こっちのポータルの方が早かったんだなぁ。残念なんだなぁー。」
「でも、船もなかなか早かったですよ。」
カトリーナが微笑む。え?どゆこと。
よく話しを聞くと、スーザン博士との賭けで、どっちが早いかやってみたそうだ。あほくさ!俺の白金貨返せ!
いつも読んでいただきありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。