スキルを購入の巻
鈍亀です。1日1回は絶対更新したいと思いながらも、暑くて暑くて・・・・。死にかけております。とほほです。
俺は、昼食をヘーちゃん様に持って行った。アテナ様とアルテミス様は、ちゃんと食べにくるのに、ヘーちゃん様は、研究と称して、届けさせることが多い。アイカが別の宇宙に行っちゃってから、これが俺の仕事になっている。スーザン博士は、分体の俺のところなので、どうしても、ヘーちゃん様の食事は俺がやらないといけないのだ。でも本当は神は食事は必要ないので、楽しみのために食べているんだよな。
「あ、ありがとう、そっちにおいて。あ、それから、これを見ておいて。」
「はい、わかりました。」
「今日もパンじゃないのね・・・・・。」
「あ、今日は、いい食材が手に入ったので、サフランライスですね。」
「そう・・・・・・。じゃ、晩御飯は、ライスじゃないわよね。」
「晩御飯はクスクスですね。」
「いつになったらパンが食べられるのよ!」
「えーと、今週は、新米が手に入ったので、ずっとお米ですね。」
「・・・・・・・・・・まあいいわ、ちょっとその紙、あとで見ておくのよ。」
「わかりました。」
俺は、後片付けをして、皿洗いを終わらせた。さて、やっとハンモックタイムかな、そう思って庭に出た。手をあげて伸びをしたら、カサカサ音がする。胸ポケットから紙が出てきた。完全に忘れてた。
えーと、なんですか?これ?俺は、ヘーちゃん様から渡された紙を見てつぶやいた。
「新しいスキル購買一覧・・・・・・。」
えーと、スキルってカタログで買えるものだっけ??
しかもどれもこれも微妙なものばかりだ。
「えーと、足の小指をぶつけても、すごく痛いから、かなり痛いに変えてくれるスキル、パン1斤・・・・・・。」
スキル自体が微妙な上に、なぜパンで買えるのかがわからない・・・・・。もしかして、ヘーちゃん様が、パンが食べたいだけで作ったスキル??
おお、これ良さそう!千里眼。お、いいスキルだな、どれどれ・・・・・。
1・2ぐらいで見えていたのが、1.5ぐらいで見えるようになる・・・・って・・・・・。パン1・5斤・・・・・・。なるほど、数字は、視力に揃えてあるのね。なんて微妙な・・・・ってこれ必要か?
これはなんだ?暑い時に時々吹く風の風力が1.2倍・・・・・・。パン1.2斤・・・・・・・。やっぱり数字に合わせてあるよな。でもあまりに微妙すぎて、多分違いに気がつかないレベルだよな。これ。
ほあ?意味のわからんスキルもあるぞ。ジョークがちょっとだけおかしく聞こえるスキル。パン1斤。どんだけパンが食べたいんだよ!
俺は、パンを焼くことにした。そんなに食べたかったとは。
ところが、わらわらとみんなも集まってきた。なんだなんだ?
「おお、いい匂いじゃのう。」「ああ、おいしそう。」「私にもおすそ分けを・・・・・。」
結局5斤作ったのに4斤食べられてしまった。もしかして、お米を出しすぎたのかな???
残った1斤を持って俺は、ヘーちゃん様に会いにいった。
「ふふふふ、さ、スキルを買いにきたのね?どのスキルなの?」
「そんなのいりませんって。パンがそんなに食べたいなら仰って下されば、いつでも作りますから。」
「まあまあ、パン1斤だと、足の小指をぶつけてちょっと痛さがやわらぐスキル、寝つきがちょっとだけ良くなるスキル、物を持ち上げて腰が痛くなった時、ちょっとだけ痛さがやわらぐスキル、口笛の音程がちょっとだけ安定するスキル、滑って転んだ時、痛さが少しだけ軽くなるスキル、ジョークがちょっとだけおかしく聞こえるスキルってとこね。何にする?」
「本当にいりませんって。はい、焼きたてですから、すぐお召し上がりくださいね。」
「じゃ、勝手に選んでおくわ。」
「はいはい。」
俺は、スミス殿に頼まれた製品を仕上げようと、工房のドアを開いた。えーと、そこになぜか、俺たちが待ち受けていた。
「えーと、何事?」
「俺たちは、ちょっと前の俺であるお前に忠告しにきたんだよ。」
「はあ?」
「まあ、聞け。」
どうやら、この俺は、ギャグがちょっとだけ面白くなるスキルを付与されたらしい。
「俺は、このスキルのおかげで、ギャグがちょっとだけ楽しく聞くことができるようになった。でも、そのせいで、毎日、アテナ様と、セオドアからギャグを聞かされるようになったんだよ。」
俺はちょっと身震いした。親父ギャグをずっと聞かされるのはちょっとつらい・・・・・・。
「しかし、それだけじゃなかったんだ。そのギャグがちょっとおもしろいと思ってしまう俺がいて・・・・・。」
「うわ、それキッツいな・・・・・。」
「だろ・・・・・。」
なるほど嫌なスキルだ・・・・・・。
「俺は、どうやら、小指をぶつけても痛みが少しやわらぐスキルを受け取ったらしい。で、確かに、それほど痛くはないんだよ。それほど痛くはないんだけど、やっぱり、痛いよね。それに、どうも、このスキル、打つ回数も増大するらしく、毎日3回は、小指をぶつけるんだよ・・・・・・。」
ひー。それは嫌だ・・・・・・・。
「俺なんかもっと悲惨だよ。物を持ち上げても腰の痛みが少しやわらぐスキルを手に入れたようなんだけど・・・・。何をしてもギックリ腰になるんだよ・・・・・。俺、まだ12歳なんだけど・・・・。」
う、そ、それもいやだ。よし、パン2斤を持って、このなんだかわからない付与されたスキルを取り消してもらおう!
「あ、それから、パン2斤を差し出して、スキルを取り消してもらう時に、何があってもヘーちゃん様から新しいスキルを手にいれるなよ!」「酷い目に会うぞ!」「絶対やめろよ!」
やめろと言われると、やったほうがいいんじゃないかと思ってしまうけど、俺でもそこまでバカじゃないから、絶対スキルは取らないようにするよ。
俺はパン2斤を焼いてヘーちゃん様に差し出した。
「どうしたの?」
「ヘーちゃん様、この2斤を差し上げますから、先ほど俺に下さったスキルを取り消してくださいませんか。」
「あ、それはいいけど、じゃ、もっといいスキルをあげようか?」
「いえ、それは本当に結構です。」
「えーでも最高にいいスキルだよ。もっとハンサムに、格好よくなるスキルだよ!」
俺は考え込んだ。これは、不幸が訪れるスキルと違って、いいんじゃないか。悪いこともおこらなさそうだし・・・・・・・。
「じゃ、すみませんけど、お願いします!」
「よっしゃ!はい、終わったよ。」
「おおおお!俺、ハンサムですよね!やったー!」
ついに俺はイケメンになったのだ!はははは!俺ってかっこいい?ハンサム?
勝つる!そう思った時もありました。ところが・・・・・。
「旦那様、相変わらずイケメンじゃのう!ふふふふ。」「ふふふふ。ご主人様・・・・・ふふふふ・・・・。」「ご主人様・・・・。かわいい・・・・・・。ミリカはお慕いしております・・・・・」「シェール、店長だーいすき・・・・・。」「ケチャの店長・・・・・。」「タクト殿、さあ、旅立とう!」「タクトさまぁ〜!」
じりじりと隅に女性たちから追い詰められたので、走って逃げた。ところが、俺を見た町娘たちまで、俺を追ってくる。ホラーだ!ゾンビのようにふらふらと俺を見て、追いかけてくる。
「おい、つかまれ、俺!」「俺、ありがとう!」
俺は、俺に助けられて全俺会議に出席することになった。ちょっと前の俺に、忠告したが、どうせあいつ、アホだから、スキルもらっちゃうんだろうなぁ・・・・・。
パン4斤を差し出したが、「もう飽きた!」の1言で、ステーキを5枚焼くことになりました。その間、女性たちから逃げながらだったので、たった5枚焼くのにも2日もかかってしまいました。おかげで、かくれんぼが上達したような気がします。どうやら、かくれんぼのスキルを取ったようです。全然使えないスキルであるのは、言うこともありません・・・・・・・。
パンドラも3体手に入れました。その間に、五右衛門が6体も出たんです。あいつ、なんで、こんなに出てくるんでしょうか?おかしいです!今回も闇ガチャっぽいです・・・・・・。