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料理勝負は突然に〜その壱

鈍亀です。暑いです。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。更新ペースがこの暑さであがってくれません。すみません。よろしくお願いいたします。

へっぽこ丸が、朝から玉ねぎをきっている。そのあとは、ジャガイモを剥かなくてはならないそうだ。こき使われてるな。でも、近くに、ラムダがいて、そっちに話しかけながらだから、まあ、いいか。それより、心配なのは、ケチャだよ。キッチンで料理をしているんだけど、大丈夫かな・・・・・。


「さ、店長、召し上がってみてください。」


見た目は普通だし、匂いも正常だ・・・・・・。


「どれどれ、お、ふ、普通だ・・・・・!腕を上げたな・・・・・。」

「え、ど、どうして、そこで、驚くんです。私も料理人の端くれ。うまいに決まっているじゃないですか。」


うーん、時々、創作がすごすぎて、ひどい味の料理を作るからな。このあいだのおにぎりのクリームシチュー煮は、ひどかった。特に梅干しとクリームシユーのハーモニーが最悪で、皆、途中でギブアップしていたからな・・・・・・。


「どうですか?これなら、猫カフェで出してもいいでしょう?」

「うーん、確かに、これなら、問題なさそうだけど、ちょっとコストがかかりすぎてないか、これ?」

「へ、ちょっと、フォアグラソースの上にウニをあしらってはいますが、そんなにコストはかかっていませんよ。」

「いや、俺の目はごまかせないぞ。この肉の上にあるのは、ホタテだろ?それに、トリュフも少量だけどかけているだろ。これで、いくら取るつもりなんだ?」

「銀貨3枚!」

「アホー、そんなにランチに払えるかってーの!やり直しだ!」

「そ、そんなに怒んなくていいじゃないですか。」

「ちょっと待ってろ!」


俺は、肉の端切れを機械でミンチにしてハーブを加え、へっぽこ丸が切った玉ねぎを更に、みじん切りして、丸めたものを焼いた。


「どうだ、食べてみろ!」

「お、おいしい!こ、これは?」

「ただの廃物利用ハンバーグだ。これ、きちんと作っても、銅貨2枚で提供できるぞ。この状態だったら、銅貨1枚でも、ペイできてるし!」

「う!くくく・・・・・・・・。」

「どうだ、これで、お前がここで、料理を提供できない理由がわかったか!」

「わかりました!こうなったら、勝負です!」

「はあ?なんの勝負だ?」

「私と料理対決をしてください。それで、私が勝ったら、デートをしてください!」

「どうしてそうなるんだ。勝ったら、お前の料理をここで提供するでいいだろうが!」

「いや、まだ、店長のレシピで提供した方がおいしいので、そこは、いいです。」


そうなんだ・・・・・。なんなんだ・・・・・・。


「わかったよ!引き受けてやるさ。そのかわり、きちんとコスト計算をすること!それで、どうだ!」

「わかりました!」


コストで俺が負けるわけないじゃないか!


「さあ、ここに第1回、創作料理対決、タクト杯を開催いたします!」


なぜか、シェールがマイクで絶叫している。


「まずは開式の辞を国王陛下にお願いいたします。」


おいおい、なんで、こんな大袈裟なイベントになっているんだよ!まえにやってたフードファイトよりも大事になってないか??


「なお、国王陛下には、この後、ジャッジとして、料理の判定もしていただきます。また、それに加え、マーガレット王女様、そして、隣国のベアトリス王女様、そして、王国の騎士であるセオドア様、ケイト様、そして、王国が誇るガウラン様、タール様、人形とアクセサリー作家のレティー様にも判定員として、参加していただきます。」


うえー。まじか!レティーがこっちをみてウィンクをした。こ、怖い・・・・・・。


長い王様の開式の辞が終わった。半分は、いかに自分が王妃様に虐げられているかを暗に話しただけだったようなきがするけど・・・・・。


「さあ、ではこれより、料理対決を始めます!なお、今回は、スーザン&スミス自動馬車工房、スミス人形工房、うさカフェうさみーる、メイドカフェミケ、青空青果店ダニー、レストランジュリー、そして、レティー人形工房の提供でお送りいたします。」


どんだけスポンサーついてんだよ!なんなんだ。


「なお、今回の勝者には、玉ねぎ1年分が送られます。」


しょぼ!賞金、ショっボ!誰が中抜きしてんだよ!


「それでは、次に、開会を祝い、当店が誇るシンガーのミリカの新曲をお聞きください。なお、この新曲を入れた魔石は、当店の後ろで、販売しております。」


おま!誰だ、これやってんの。店員を見ると、やはり・・・・・。ぴょん子さん、お前か!中抜きもこいつだな!


アンもミリカに続いて歌いたいとゴネたが、俺たちは必死に止めた。やめてくれ!


「さあ、それでは、いよいよ、料理対決の始まりであります!青コーナー!猫カフェオーナーにして、現チャンピオン、タクト!」


「死ねー!」「女の敵—!」「アホー!」「カスー!」「おいしそうタクト殿・・・・。うふふ。」


えー?俺いつ、チャンピオンになったんだよ。いい加減だな!それにしてもいつも、俺に対しての声援には、愛しか感じないよ・・・・。なんなんだ。最後の野太い声は誰だ、と思ったらレティだよ・・・・。


そして、挑戦者、ケチャ。なお、ケチャは、この猫カフェで、シェフとしても働いております。あとで、握手会、サイン会、写生会もありますので、ご参加ください。


どんだけお金を絞り取るつもりだよ!


「ケチャ様!」「ケチャさん!」「タクト死ね!」「ケチャさ〜ん、こっちみて〜。」


なんだか、俺に対しての誹謗中傷があったような気がした・・・・・。どんだけ人気があるんだ、俺・・・・。


「では、いよいよ、料理に入ります。制限時間は1時間です。また、食材のコストも今回は、判定の基準となります。」


ククク!俺に、勝てると思うなよ!俺は、やっすい小麦粉で勝負だぜ!勝てるわけがない!


「さあ早くもタクト、なにかを作り始めました。」


俺が提供するのは、うどん、餃子、ピザだ。時間が余ったら、ホットケーキも作るぞ。炭水化物の嵐だって?知るか!和と洋の調和がテーマだ。というのは嘘で、安いからだ。


ケチャも結構、テキパキ動いてるな。と思ったら、あいつ、へっぽこ丸をこき使ってるぞ。汚いな!


俺は、アシスタントを使うのは、反則だと抗議したが、受入れられなかった。まあ、いいさ、どうせ俺の勝ちだ!


「さあ、どうでしょう、解説のイーダさん。」

「そうですね。やはり、料理に関しては、私の愛する旦那様である私のタクト様が1日の長がありますね。ただ、ケチャも最近、めきめき腕をあげていますし、わかりませんよ。」

「そうですか。私の方がずっと愛している私のタクト様が勝ちそうですか・・・・・。」


なぜか2人が睨み合っている。そして、俺に対する視線が限りなく冷たい。もう。どうしてくれるんだよ。


「タクト死ね!」「とにかく死ね」「リア充滅せよ!」「くそが!」「しばくぞ!」「タクトちゃーん、食べちゃいたい・・・・うふ。」


なんだか、ひどい言われようだ。俺の味方?はレティだけかな?うわ、こっちをみてウィンクしている。背中に、ゾゾゾゾオっと、寒気が走るよ。やめて・・・・。


ついでに、作るぜ、ホットケーキ。さあどうだ。これで勝ったな!俺はケチャを見た。なんだか、妙に、自信ありげだな。これは、面白い!さ、どうなるかな?俺は、皿を並べながら、ちょっとだけ楽しくなっている自分を発見した。

いつもお読みいただきありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

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