神に連なる螺旋階段はゆっくりと
亀です。すごく短いです。すみません。
俺は、目を覚ました。唐突に吐き気が襲ってくるが、なんとか、それをやり過ごした。古い恒星間船に実験で乗り込んでみたのだが、相当ひどい。もちろん、停止場で俺がいた時間は止まっていたのだが、船は、光の速度に近い速度まで加速され、進んでいた。
前世の日本的な視点から言うと、信じられないほど、進んだ船だが、所詮は、機械だ。何百万、何千万という部品のキーの部分が故障してしまえば、ガラクタになってしまうような代物だ。
俺は、観測機器で、すでに俺が出発して、10万年が経っていることをしった。そして、観測の結果、随分、銀河も動いていた。見える星座群も形を変えている。
俺は船を見渡して、ため息をついた。素晴らしいテクノロジーには見えるが、やはり、中途半端だ。
それに比べて、へっぽこ丸なんかは、構成要素自体が、ナノマシンでできており、体の中にも実はナノマシンの工場があり、随時人間のように新陳代謝を繰り返している。これは、そんなタイプとは大違いで古いものさしで出来ているのだ。
俺は立とうとして、片足が砕け散ったのを見てうんざりした。片足が停止場の外に出ていたために、ミイラ化していたのだろう。いやはや、うんざりだ。これを作った人々もこういうリスクについて考える必要があったと思う。こうやって、少しでも体の部分が停止場の外に出てしまったら、体がミイラ化してしまうのは、目に見えていたのにその欠点を直そうともしないとは・・・・。
俺は足を再生して、出発した日、場所に戻った。
「ダ!」
「あ、まったくダメダメだよ、この方法。」
「ダーダ!」
「いや、これしかないなら仕方ないけどねえ。こんな方法じゃ、せっかく植民団が新い星を見つけても、前の星では、人類が滅びてしまっている可能性だってあったわけでしょ。まったく一方通行だよね。」
「ダ・ダー!」
俺はガブちゃんの言うことは分かったけど、最初に神になった人々がこのような古い手法を本当に使ったのかは疑問が残った。
「ダダダ!」
そうなのだ。神でも、太古の創造神が生まれた時代や、場所に行くことはできないのだ。その部分はすっぽりと、消えてしまっているのだ。上手に、創造神たちは自分たちの痕跡を消してしまっている。
無から有を生じさせる奇跡を俺たちは追い求めているのだが、まだまだ、俺たちには、乗り越えるべき課題が多すぎるのだ。こうやって、少しづつ実験を重ねて、創造について、知らなければならないのだ。
「ダダダ!」
俺たちがやっていることは奇跡に見えて、交換にすぎない。あるものを他の何かに交換しているのにすぎないのだ。
そうだ。俺たちが、時間、空間、そして、次元を超えても、その中での移動にすぎない。無を有に変えるのは、その外側に手を入れて、物を動かしているような奇跡なのだ。それを俺たちは知りたい。
「ダダ」
そうだな、そしてそれこそが、俺たちが本当に神になる瞬間なのかもしれない。俺はガブちゃんと一緒に猫カフェを目指して跳躍した。
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