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滅びの唄

亀です。更新がままなりません。暑すぎて・・・・・。短めなのですが、よろしくお願いいたします。

俺たちは、とっくに打ち捨てられてしまった廃墟を探検している。残念ながら、ここの文明レベルは、へっぽこ丸のいた初期銀河文明ほどの耐久性はなかったらしく、完全にボロボロになってしまっている。悲しいかな星の表面にあったはずの街はすっかり消えてしまっている。


「ぼろぼろね。」


スーザン博士が顔をしかめる。ラムダが道であったところに積み重なった瓦礫を排除しながら俺たちは進んでいる。


俺がラムダについてきてもらったら、おまけのへっぽこ丸まで付いてきてしまった。へっぽこ丸はデート気分でラムダの腕にしがみついている。けっ!


完全に、周りは星が消えてしまっている。


「それにしても、この辺りは、すっかり星が消えてしまってるわね。」

「そうですね。」


スーザン博士がつぶやく。この星があった銀河団も昔は、星々が輝いていたにちがいない。しかし今は、ブラックホールばかりだ。


「ダ!」

「これは・・・・・・・。」


ガブちゃんが何か見つけたようだ。


「ダァ・・・・・。」


そこは、綺麗に隠されてはいたが、星の中心につながるような、坑道であった。


「ここは、少しだけ綺麗だね。」

「ダァ。」


なるほど、ガブちゃんの言う通り、どうやら、ここは、大切な場所らしい。外とは違って、この中は、まだ綺麗な状態であった。とはいえ、動くものなどないようではあるが。


「も、もしかして。」


へっぽこ丸が、走り出した。どうやら、ガードロボットだった物体が静かにたたずんでいた。


「ひ、ひどい・・・・・・。」


もうすでに動かなくなってしまったロボットが坑道の脇にずらっと並んでいる。これほど、ガードしなくてはいけなくなった理由とはなんだ。


「ダァ!ダダ!」

「どうやら、ここね。」


スーザン博士が歩みを止めた。


「どうも、この文明は、恒星間旅行をするにしても、光の速度は越えられなかったみたいね。だから移住できなかった住民は、ここに擬似オメガポイントを作りながら寝ていたようね。でも、もう稼動していないわ・・・。」


俺は、触ろうとしたが、スーザン博士が止めた。


「まって、普通に触ったら粉々になってしまう。多分ここに寝ているのは、データ化されたここの住民たちのようよ・・・・・・・。」


俺は、なんとか、時間を巻き戻してみたが、残念ながら、劣化が激しかったのかデータの抽出は難しかったようだ。


これが、1つの文明の終わりのようだ。データ化された理性も知性も、ハードの劣化にし違い読み取りができなくなっているのだ。


そんな中、1つのロボットがゆっくりと動き出した。何かをしきりに訴えている。


「ダダ!」


はあ?メインメモリに侵入して、こちらの言語を書き加えた?何を言っているのかさっぱりだ。お父さんは、そんなわけのわからないことを言う子に育てた覚えはありません!


「私は、ここベゼルの星の守り人です。もしかして、助けがきたのでしょうか。」

「うーん、助けかどうか、わからないけど、ちょっと手遅れだったようだね。」

「そ、そうですか残念です。」

「どうする?我々と一緒にくる?」

「いいえ、ここで他の星に飛んで行った同胞が帰ってくるのを待ちます。それではさようなら。」


どうやらスイッチを切ったのかまた、ロボットは眠り始めた。


俺たちは元きた道を帰って行った。


「ダダ!」


ガブちゃんが言うには、過去に飛んで、この星の住民を救っても、悲劇しか待ち受けていないらしい。なぜなら、ここの住民は大変好戦的であり、しかも、神への進化を促す心の余白を持っていないらしい。そうすると、我々による、改良を受け入れるか、それとも、神への進化をするのを助ける道を選ぶかという道しか残されていないらしい。


そうなると、残念ながら、このまま寝続けた方がましだそうだ。偽りの希望。しかし、そんな希望でもないよりは、悲しい現実を見るよりはましかもしれない・・・・・・。


俺たちは、滅んでしまった文明を振り返り、そして別れを告げた。


いつもお読みくださりありがとうございます。またのおこしをお待ちしております。よろしくお願いいたします。

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