スーザン博士の恋煩い
亀です。いつもありがとうございます。更新が遅く手申し訳ありません・・・・・。
スーザン博士の様子がおかしい。なんだかいらいらしているようだ。時々、俺が視界に入るとはっとしたような感じになって、そして、俺だと気がつくと、がっかりしている。なんなんだ?
「スーザンとかけまして、広島カープとかけます。」
「そ、そのこころは?」
しまった。突然だったんで、遅れてしまった!
「どちらもこい<恋・鯉>が大切です。」
えーって、なんでアテナ様が、日本の野球を知っているんだよ、ってそっちじゃない、突っ込まなくちゃいけないのは!
「こいって・・・・・・」
アテナ様は、首を振ってため息をついた。
「そこからか。そこから説明しなくちゃいけないのか。鯉というのは、コイ目、コイ科に属する魚で・・・・」
「あ、そっちじゃなくて、恋煩いの恋!」
「ふふふ、女神ジョーク!」
「いや、そんなのいいですって!」
というわけで、なんとか、聞き出したところによると、スーザン博士は、恋をしちゃっているようだ。それも俺の分体に。どうやら俺を見て一瞬ハってなるはずだよ。どうすんべ・・・・・・。
「いや、もう送ってしまったら?」
「へ?誰を?」
「スーザンを。」
「いやいやいやいや。スーザンランドの運営はどうすんですか?」
「じゃ、1週間に2度ぐらい、こっちに来てもらうか。」
「研究はどうするんですか。」
「そんなの、あの星に、私たちも常駐できるから心配ないわよ。」
「アテナ様たちも行ったり来たり?」
「いや、神は、どこにでも偏在できるから。」
なんてチートだ。
「スーザン博士。」
「何よ。」
俺だとわかると見向きもしないな。ま、その気持ちわかるけど・・・・・。
「分体に会いたいんだろ。」
「そ、そんなこと・・・・・・あるけど・・・・・。」
「そうか・・・・・・・。」
「ずっと1人で一生生きていくつもりだったんだけど・・・・・。」
「うん。」
「あんたの分体に会ったら・・・・・。」
「うん。」
「2人もいいかなって・・・・・・。」
「そうか。それで、提案なんだけど・・・・・・。」
提案したら、食いつきがすごい!いくいくうるさい。まあ、俺も、しばらく分体と同化する気はないから、いいかもね。
俺は、ガブちゃんを連れて、スーザン博士と共に、分体のところへ飛び立った。
「よう俺!」
「うわ、本体、どうした?まだ同化する気ないぞ!」
「いやいや、そんなことで来ていないから。」
「わ、スーザン、なんだなんだ。」
「いや、お前の助手にスーザン博士を置いてくから。」
「お、おま!」
「じゃ、よろしく!あ、エイミ、ベス、それに、そっちの猫ちゃんは?」
「これ、ジョー、よろしく!」
俺は、ジョーに力を入れて話せるようにした。
「おい、お前、まさかオールコットの若草ものが・・・・・。」
「ストーップ!」
分体がストップをかけたので、俺はそれ以上何も言わなかった。というのも俺はオールコットの若草物語の登場人物に昔々恋をしていたのだ。それこそ初恋と言ってもいい。でもそんなことぶっちゃけられたら、恥ずかしいよな。俺だって嫌だ。
「ところで、その赤ちゃんは?」
「あ、俺とサーシャの赤ちゃん!ガブちゃんだよ。よろしく!」
「ダダ!」
「よ、よろしくって・・・・ええええええ?俺、お父さんになってたの?」
「ああ、あとミケとの子供もいるぞ、ポルックスとカストル。」
「えー知らんかった。」
「そういえば、最初の方の分割実験だったから、あのあとの顛末って知らないんだな。」
「ダ!!」
「何々。分体の方が頭がいいのはなぜ?本体は、濃いはずなのに?余計な御世話だ。」
俺は分体を見つめた。スーザン博士も、分体をチラチラ見ている。それを知ってか知らずか、分体もちょっと顔が赤い。
「ま、お前も、ばんがれ。次に来たら、お前もスーザン博士と子供が・・・・・」
「おま、しばくぞ。」
「わかった。悪かったよ。じゃ、1週間に2回、スーザン博士に通わせてくれよ。ガブちゃんが、ポータル作ってくれるから、そこから自由に出入りできるはず。」
「ダダダ!」
「なんて、チート・・・・・・。」
俺は、ガブちゃんが働いている間、エイミ、ベス、ジョーと遊んだ。遊ぶの大事だよ!スーザン博士はなぜか、いそいそと、分体のあとをついている。
「ダダダ!」
「よし、帰るか!」
俺とガブちゃんは、ポータルを使って帰ることにした。猫ちゃんたちが手を振ってくれる。
「いつでも遊びに来てね。」
そして、俺たちは我が家へ帰った。するとライラがへっぽこ丸と腕相撲をしていた。ケチャが行事をしている。シェールは、クッキーを食べながら観戦だ。
「ギギギギ。神に負けるか。」
「なんのなんの!
なんだ、これ?すると俺が帰ったのを知って、ライラがへっぽこ丸の手をバチーンと、叩きつけて勝利した。
「あああ、いったたたたた!」
「正義は勝つ!」
えーとどっちが正義だ?お前ら、仲良いな。
「おじいさま、勝ったので、頭をなでなでしてください!」
俺がなでなですると、シェールとケチャも飛んできて、なでなでさせられた。
へっぽこ丸もなでてもらいたそうだったので、撫でてやった。嬉しそうだ。
「今日は、久しぶりにシチューかな。」
ちょっと肌寒い日のことだった。
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