超大型直立二足歩行機械兵器VSアテナ
亀です。すみません。更新が滞っております。申し訳ありません。
「こ、この彫像は?」
「これ、彫像じゃないわよ。機械よ。この大きさだけど動いていたのよ。超大型直立二足歩行機械兵器。」
「はあ、こんなの誰が使ったんですか?」
「あ、これ、もう肉体を捨ててしまった最初の銀河文明で使われていた古代兵器よ。」
アテナ様がつぶやいた。
俺たちは、暗くなってしまった銀河の辺縁部分に位置する人口の星の上に立っていた。大きな構造物で、昔は、どれほどきらびやかに光輝いていたのだろうといった感じだ。ここには、もう星もなく、暗い寂しい場所となってしまっている。スーザン博士を伴っての、宇宙再生の調査の一環だ。
「うわ。ここ、寂しいところですね。でも、思ったより古びてませんよね。この星だって、力さえ流せばいまでも使えそうじゃないですか。」
「そうね。ここ、いまでも十分機能するはずよ。連中は、体を捨ててしまったから、もうこういう施設は使わなくなってしまったけどね。
「でも、もったいないですね。こんな巨大な施設を捨ててしまうんだなんて。」
その暗い、エネルギーを失った星の中央に、鎮座しているのが、俺が驚いた超大型直立二足歩行機械兵器だ。こんな巨大な兵器なんて作れるのか。牛久大仏の10倍はありそうだぞ。
「こんな物騒なもの、何に使ったんですか。」
「対神用兵器。どんな神様でもイチコロ、そう信じて作られたみたい。」
「でも実際は?」
「あ、単に窘められておしまい。そこから自分達も神化したから、ここにある兵器は、そのまま捨てられちゃったみたい。」
「これってどのぐらい古いんですか。」
「えーと確か120億年ぐらい前の製品だったかな。」
「でも昨日作られたみたいにピカピカですよ。」
「多分、動かせば動くわよ。推奨しないけどね。」
俺たちは、惑星ほどもある巨大な宇宙船の中央に鎮座していた兵器を見上げた。壮観だ。人類がこれほどまでの高みに再び達するのにどれぐらいかかることやら。
向こうで、スーザン博士が手招きをしている。なんだろう?
「これ、ダイソンスフィアで集めたエネルギーを動力源としているみたい。もう、その恒星も無くなっちゃったようだから、動かしようがないけど。」
スーザン博士が残念そうに呟いた。
「まあ、動かしようはあるけど・・・・・。もし、ダイソンスフィアのエネルギーと同等の代替エネルギーを見つけられればだけど。」
スーザン博士の目が俺を見つめている。えーと。
「だめですよ、アテナ様が危険だっておっしゃったでしょう。やめましょう。」
「ちょっとだけでいいの。科学的好奇心。」
「好奇心は、猫をも殺すって、ことわざ、知らないんですか。猫カフェの主人が好奇心が元で死んだらしゃれになりませんよ。コレーちゃん様は、面白がるとおもうけど・・・・。」
「まあ、まあ、悪いようにはしないから。」
スーザン博士は、どうやら俺を電池にして、超大型直立二足歩行機械兵器を起動してみたいようだ。そんなことは絶対にしないよ。なんかへんなことが起こってからじゃ遅いからね。
「ちょっと、そこ、調べたいから、立ってみて。」
「は、ここですか。」
その瞬間、まばゆい光に俺は包まれた。
「どうやら、ビンゴね。」
「ええ、それってどうゆうことですか?」
いきなり俺は、力を吸われる感覚がした。ちょっと待て!
「おおお、こうやってエネルギーを集めるんだ!すごいすごい。」
「ちょっと待てー!超大型直立二足歩行機械兵器が起動したらどうするんですか!」
「まあ、120億年前の製品だし、動くかどうかは、半々よ。ただ、どうやってエネルギーが流れていくか見たかっただけなんだから。」
「動いたら、どうするんですか!」
「まあ、こっちには神様がいるから大丈夫でしょ!」
「だって、対神用兵器でしょ!」
「まあ、万が一、起動しても、私たちは神様じゃないから、大丈夫よ!」
「はぁああああああ?」
すると星が揺れた。すごい地震だって、人口的な構造物に地震なんてないだろ!まさか。
「あーあ、動いちゃった。へへ!」
「へへ、じゃないでしょ!どうするんですか。」
「あんたたち、動かす動かすとは思っていたけど、今回も動かしちゃったの?」
アテナ様が瞬間移動してきた。
「もう、あんたたち、10回中6回はあれを動かしちゃうから今回もやるんじゃないかと思っていたわよ。」
「タクトがわるい」
なぜか、スーザン博士が俺に責任をなすりつけてきた。
「もう、スーザンは、これから1週間トマト抜き!」
「えー、そ、そんな〜。」
「それより、あれをどうにかしないと。」
なんと超大型直立二足歩行機械兵器が俺たちの方を目指して、進んできた。
「えーと、アテナ様、タクト、私隠れるから、あとはよろしく!」
スーザン博士がすちゃっと、俺たちに手を敬礼すると、逃げた。お前なぁ〜!
「仕方ない、あれを止めるわよ!」
アテナ様が、空中に飛んで、超大型直立二足歩行機械兵器に立ち向かった。
すると、なぜか集束型ビームみたいなものをアテナ様にモーションなしで発射した。ひー!
アテナ様は、なんのことなく、ビームを弾いて・・・・ない。焦げた。
「うわー、あれ、どんだけ高温なんだろう!」
スーザン博士がいつの間にか、遠くで観測している。手には、ガブちゃんからもらったコンピュータで、何かを入力している。アホか。お前のせいなのに。
次に、何かがアテナ様の体に向けて発射された。ほとんどを防いだようだが、お腹に当たって大穴が開いた。
「あああ、あれは、HVP!超高速発射体ね。みなぎるぅー。」
スーザンのバカ!アテナ様、えらいことになっちゃってる。待てよ、俺からエネルギーを得てるなら、俺があれを奪っちゃうことも可能じゃないかな。
俺は、俺の力を奪ったポータルに乗って、エネルギーを吸い取り出した。
「あ、タクトのバカ、まだ、観測が終わってないのに、余計なことを!」
スーザンのアホが、俺を止めようと走ってきた。しかし、遅いよ。
俺がすっかり吸い取ると、また、超大型直立二足歩行機械兵器は、静かに佇むだけとなった。
「ふぅー、ありがとう。しかし、あれ、すごい強いわね。力だけだったらラムダと同じぐらいありそう。」
ひぃー、ラムダって、そんなに強かったのか?あいつに、雑用ばかり押し付けて悪いことしたなぁ。
「でも、ラムダは、あんな火力ないしぃー、もっと色々見たかったのに!」
「スーザン、あんた、アスパラガスも抜き!」
「えええ、そんなぁ!」
やはり、単なる科学バカだったようだ。アテナ様が、自分を撫でるとすっかり、新品同様になった。
「さあ、帰りましょうか。」
すると、後ろから、アテナ様を狙う弱々しいビームが飛んできた。それを振り払うアテナ様。
「あんた何よ!」
「私は、オメガ!神を殺するものなり!」
「おおお、可愛い、なにこのちっこいマシン。」
「エネルギーがなくなったから、修復装置の1つに意識を転写した。我、神を・・・・・。」
「うわ、きゃわわ!」
スーザン博士に抱きしめられて、オメガは身動きができなくなった。
「アテナ様、これ飼っていい?飼っていい?」
えーとペットとか飼うのとは勝手が違うような。
「いいわよ。それぐらいなら。」
「いいんですか。アテナ様、こいつ、多分アテナ様たちのこと、狙いますよ。」
「それぐらいのへっぽこ丸なら、いいわよ。」
「いいわね。あんた、今日から、へっぽこ丸ね。」
「私はオメガ、神を・・・・。」
「仕方無い。じゃ、よろしくへっぽこ丸。」
俺たちは転移した。そして、へっぽこ丸が俺たちの仲間になったのだった。
皆様のコメント、ブックマーク、本当にありがたいです。これからもよろしくお願いいたします。