脱出ゲームは突然に
亀です。更新が滞っております。とほほです。
「うーん。困ったわね。」
アテナ様の顔に初めて焦りの色が見えた。俺たちはコレーちゃん様の作った新しい脱出ゲームをやっているのだが、全然出られないのだ。
すると天井から声がした。
「アルテミスちゃんたち、もうレベル3よん!まだレベル1なのあなたたちペアだけよん。」
しまった、ビリは嫌だ!ビリは!確か、レベル5が最後の部屋だったような気がする。もう後2つでアルテミス様たちは、あがりなのだ。これはまいった。
アテナ様の顔にも焦りの色が見える。どうしてこうなった・・・・・・・。
俺たちがお昼を食べて、うだうだしていたら、急にコレーちゃん様が現れた。
俺たちは身構えた。だってそうだろう、もうすごろくはごめんだ・・・・・・・。
「もう、そう身構えなくてもいいわよ。今日は、すごろくで呼びにきたんじゃないから。」
コレーちゃん様が微笑む。よかった〜。
「今日来たのは、大脱出ゲームをやろうと思ってきたのよ。」
な、なんですとー!
「あーやるやるやる!たのしそー!」
あーーーーへーちゃん様、やめて!
「なんですか。それ、面白そうですね。私もやりたいです。」
アホー!アイカ!アホー!
「ふふふー。そういうと思って、みなさんをご招待する準備はととのっておりますぅ〜!」
「ちょ、ちょっとコレーってば!」
「ちょっと落ち着こうか。って、やめて!」
アテナ様とアルテミス様の抗議もむなしく、俺たちはゲームに強制参加させられたのだった。ううう。
どうも今回は二人一組ということで、アテナ様と俺、アルテミス様とスーザン博士、ヘーちゃん様とアイカという3組で争うらしい。この中で一番不利なのは・・・・・俺たちペアだな。間違いない。だって、俺の知力が圧倒的に他の人たちと比べて低いから。女神様だけだったら知力は拮抗しているだろう。だから、勝敗は、パートナーによるはずだ。うーん。アテナ様も同じことを考えていたのか、額から汗が滲み出ている。こんなに追い詰められたアテナ様は初めて見たな。申し訳ありません。
その後、俺たちは、組別に、別々の部屋に閉じ込められた。最後のレベルでは、同じ部屋らしいが、それまでは、各々、問題を解きながら、進まなくてはならないようだ。
「ビリにならなければ、なんとかなるわ!」
アテナ様は、正しい。そして、俺たちは、奮闘した。したのだが・・・・・。全然、出られないのだ。
「レベル1は、ただのとんちなんだから、出られないはずはないわ」
レベル1では、単純にどのドアから出ればいいかを当てるだけのとんちなのだ。そして、ドアの前のヒントで、どれが安全かわかるのだ。
紫色のドアには、一言、「通る時は閉まり、通らない時は開く」とかいてある。どうやら、これではないか、俺は算段をつけた。
「アテナ様、通らないふりをして、開けてしまえば、通れると思いますよ。このドア。」
「うーん、何か違うような気もするわね。ちょっと通ってみなさいよ。」
俺はフェイントをかましてから、急いでドアを開けて通り抜けようとした。その途端、勢い良く通過してきた電車に跳ねあげられた。
なんだこれ!どうして、電車が、というのが俺の第一印象だった。俺は意識が遠くなりながら、電車が通る時は閉まって、電車が通らない時には開くというのは踏切じゃん、このドアじゃないじゃん!と思いながら、意識が遠くなった。
気がつくと、ボロボロになったアテナ様が俺を担いでくださっていた。
「ア、アテナ様!」
「やっと気がついたようね。もう全部のドアを体当たりで調べたら、このザマよ。でも、なんとなくわかってきたわ!」
俺たちが、ズタボロになった時にコレーちゃん様が、俺たちに告げた。
「アルテミスちゃんたちがゴールについたわ!どうやら、あのスーザンって娘、思ったより頭がいいわね。」
いや、それはそうだ。多分、彼女、人類の中で一番か二番に頭がよかったはずだし。しかしこうなると、ヘーちゃん様たちとの一騎打ちか。これは、いけない。だって、ヘーちゃん様は、幸運持ちなので、悪いことが絶対に起こらないのだ。これはまいった。
ところがである!なんと俺たちは、あっけなく、ゴールに辿りつくことができた。
「な、長かったけど、これで、おしまい。ビリじゃなくてよかったわ・・・・・。」
見ると、スーザン博士の服は綺麗なもんだった。ちょっとアルテミス様が焦げていたけど、見なかったことにした。
そして、最後のヘーちゃん様が最後のドアを選んだ。ところが、それは、ゴールへ続く扉ではなく、宝箱だった。その上に、なぜか、タヌキの妖怪が鎮座して、宝箱を守っている。
アイカが、たぬきの妖怪を成敗しようとしたとたんに、ヘーちゃん様が笑った。
「これはトンチよ。たぬきの宝箱は、空箱と、相場が決まっているわ!本物の宝箱は、こっち!」
そして、隠された宝箱を開けると、中から、妖精さんが飛び出してきた。
「なんでも1つお願いを叶えてあげるよ!」
俺たちは、蒼白になった。ま、まずい!
へーちゃん様は高らかに宣言した。
「じゃ、このメンバーでもう一回脱出ゲームをやろう!」
「ヘーちゃん様のアホー!」「何考えてんのよヘスティアー!」「もうやだー!あーんあーん!」
阿鼻叫喚である。俺たちは泣きながら、もう1回最初からゲームをしなくてはならなくなったのだった。
女の子ガチャ、すでに闇ガチャと化しました。もうミニサリアでゴールでいいですか・・・・・。星7すら出てくれません。ちょっと前の神羅万象コラボでサクヤアナザーとアテナアナザーを連続して引いたのが夢みたいです。もしかしたら、あれで全ての運を使い果たしてしまったのかもしれません。いや、そうに違いありません!はっ!錯乱してしまいました。
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*ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。