超新星爆発
亀です。暑いです。ねられません・・・・・。いかがお過ごしでしょうか。
今日は、星が美しい。ハンモックに揺られながら星を見つめる。そういえば、この間はあの恒星の爆発を食い止めに行ってたんだな。
俺は、頭の後ろに手を組んでハンモックに揺られながら青く光輝く星を眺めた。しばらくすると、のぞみちゃんとチュー太郎がとことこやってきて、俺のお腹の上に丸まった。俺は二人を撫でながら、しばらく前には、赤く、そして鈍く輝いていた星に想いを馳せた。
「じゃ、あの星の寿命を延ばしに行くから。」
アルテミス様は、1週間ぐらい前に、ある鈍く輝くしみのような赤い星をさして俺に宣言した。
「えーと、あの星、何か問題でもあるんですか。」
「実は、もうすぐ超新星爆発を起こすのよ。」
「えーと、爆発って言ったって遠くの星だから、ここには影響がないのでは?」
俺は、ちょっとアルテミス様がおっしゃっていることがわからないので、頭痛を抱えながら質問した。
「それがねえ。ちょうど悪いことに、この星との距離がたった500光年程度なのよ。」
「ちょっとわかりませんが、500光年ってどんな距離ですか?」
「光が500年かかって届く距離。」
「そんな遠かったら、全然影響なんてないでしょう?」
「それがおおあり、羽蟻、黒蟻よ!」
よくわからないけど、どゆこと?
「500光年なんて宇宙から見たら、ないにも等しい距離よ。それに悪いことに、ガンマレイが、角度的にもここに襲ってきそうなの。そうすると、大量絶滅にもつながりかねないのよ。」
よくわからないが、危険が危ないんだな。よし。
俺はガブちゃんとポルックス、ラフタンと、のぞみちゃんを連れて行くことにした。
ガブちゃんは相変わらずスヤスヤ眠っていたので、お包みで運ぶことにした。ポルックスとラフたんは俺が入っていくと目を覚ましたようだ。のぞみちゃんも寝ていたので、カバンに入れて、顔だけだした状態で運ぶことにした。そして、急いでアルテミス様のところに戻った。
「あー、この面子だとオーバーキル気味だけど、いいかぁ!」
そして、俺たちはジャンプした。
眼下には真っ赤に広がる赤い地平線が広がっている。というか、大きすぎてよくわからない。どこまでもどこまでも、真っ赤な平原だ。なんだ、この大きさは??
「ダーダ!」
ガブちゃんが起きたらしくびっくりしている。
「うわ、なんだ、ここ?」
ついにはのぞみちゃんも起きたようだ。
「あ、およそ、直径は16億キロ程度は、あるからちょっとこの距離だと近かったかしら?」
いやはや、なんて、大きさなんだ・・・・・・。俺たちは嘆息した。
実は単位を言われても、その大きさが俺には、よくわからなかったが、仕方がない。
それにしてもすごい重力で、アルテミス様が無効化してくださっていなかったら、もうえらいことになっていただろうな、と洒落にならないことを考えて俺は身震いした。やれやれ。
俺たちは細心の注意をもって、星を巻き戻し始めた。ちょっとした刺激で、重力で瓦解して爆発するかもしれないと言われたからだ。やれやれ。
「いくら私たち神でも、無から物は作れないから、等価交換で、水素を補って安定させてあげながら巻き戻しているのよ。」
「へ?無からものが作れる人っているんですか?」
「この宇宙で一番最初の方に神化した創造神と呼ばれる古い神々なら可能かもね。」
長い時間の後で、アルテミス様はやっと納得されたのかおっしゃった。
「さ、いいわよ。帰りましょうか。」
俺たちは、この途方もない作業から解放されてクタクタになっていることに気がついた。いいことは疲れるもんだな。俺は、のぞみちゃんと、チュー太郎を撫でながら思った。
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