ゲームは1日1時間!
亀です。ポケモソも、1日1時間に通信制限すべきなのです!せっかくジムリーダーになっても、すぐ引き摺り下ろされてしまう現状を変えなくてはいけないのです!
うーん、大失敗だ。俺は猫カフェの惨状を見て嘆いた。確かに、宇宙人撃退ゲームのテーブルをカフェに導入したら、新規のお客さんは参集してくれた。それは認めよう。そして、湯水のようにお金を使ってくれる。それも認めよう。しかし、だ。この人たち、全然猫ちゃんに興味がないのだ。どうしたもんか。
「タクト殿。向こうもこっちも別に迷惑なんてかけあってないんだから、このままでよいのでは?」
ケイトが言う。でもなあ。なんか、こっちの宇宙人撃退ゲームのテーブルのコーナーだけ、別の普通の喫茶店のようになっちゃってるんだよなぁ。
「いっそのこと、ゲーム屋でも作ったらどうじゃ?」
ゲーム屋か。悪くない・・・・・・。
俺は早速、猫カフェの隣の小屋の中を整理して、レトロなゲームの筐体を幾つか入れてみた。これだったらこっちに、コーヒーを注文することも可能だし、お互いを気にしないでゲームができるし。いいアイディアだ。
俺は、適当にレトロゲーを見繕ってみた。魔石で動かすため、本当なら高めでもいいのだが、1プレイ銅貨1枚に抑えた。
1週間後、開店した。出足は好調だった。俺は調子に乗って、クレーンゲームも導入してみた。ガチャガチャに入りきらない大きさのフィギュアの付属品がここで手に入るのだ。
そして、三日後、銅貨を集めて計算した俺は驚愕した。なんと、軽く猫カフェの売り上げを上回っていたのだ。中には、どうやら、金持ちの道楽息子や、貴族のご子息、そして、隠居して、退屈しているお金持ちなどが、どっぷり入り浸っているらしい。
俺は、もっともっと大規模でやれと言われたので、隣の隣に入っていた服屋を買収して、そこに、ゲーム屋をオープンした。服屋は、だいぶ前から隠居したいので、俺に店を売りたいと打診してきていたので、お互い好都合であった。ゲーム屋の収益金で多めに渡すことができて、本当に喜んでいた。どうも隣町の息子のところにお世話になりにいくとのことであった。
そこに店を構え、オープンの前の晩、俺は、ある異変に気がついた。
「えーと、あそこで並んでいる人たちは何をしてるのかな?」
「あらあら、ご主人様。あれは、ゲーム屋に早く入って自分たちがしたいゲームをおさえるため、並んでいるのです。」
ミリカが説明してくれる。でもなんだかおかしいぞ、その理屈。
「えーと、でもさ。永遠にゲームができるわけじゃないんだから順番を待てばいいんじゃない?」
「それがじゃの。どうも中毒になってしまった輩がおるようでのう。」
マーガレット王女が、悲しげに頭を振る。
「あまりにも、これにいれこんでしまっていて、この国の経済も停滞させてしまいそうな勢いじゃ。」
なんですとー!俺は戦慄した。ただの暇つぶしが、こんなにも熱狂的に受け入れられるとは・・・・。
「それだけではありませんわ。このゲーム屋のこと、隣の国にも知れ渡り、お忍びで、向こうの貴族や金持ちも来ているようですわ。」
ベアトリス王女がいう。わあ、俺の危険が危ない。俺は錯乱した。
次の日から、俺は奔走した。そして、国に働きかけて、新しい法律を整備した。その法律は、ゲームは1日1時間というものであった。どこかで聞いたことがあるスローガンだ。
そして、ゲームをするためのカードを発行して、1日、1時間がすぎると、お金を持っていても、ゲーム機が動かないようにしたのだ。これでどうだ!
俺の努力の甲斐があって、開店前から並ぶという人はだいぶすくなくなった・・・・・と思う。
最近、サボっていないなとふと思う秋の日のことであった。
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