インベーダーはお好き?
亀です。毎日暑いです。皆様、いかがおすごしですか。亀更新で、いつも申し訳ありません。
「ほい、ふなぎ、きょんなにできゃいネジュミちゅきゃまえらじぇ!」
誇らしげにのぞみちゃんが、俺にネズミなるものを見せてくる。口にくわえられて、ぷらんぷらんぶら下がって目が死んでいるネズミは、まさにチュウ太郎だった。
「あー、それ、ネズミじゃないから。それ、チュウ太郎だから。」
「なんだよ、まぎらわしいなあ、もう!」
ペっと放り投げられて、床に転がったチュウ太郎は、急いで俺の後ろに隠れてブルブル震えている。
「あー、ごめんよ。のぞみちゃんも悪気があったわけじゃないから。」
ところが、その後も、猫カフェの猫ちゃんたちが、誇らしげに、チュウ太郎を加えてくるもんだから、仕方なく、服を着せることにした。
「ごめんよ。まさかこんなことになるとは。」
「神様、ここは、天国ではなくて地獄でした・・・・・。」
「今度は、服に説明がきちんと縫い付けてあるから大丈夫だよ。」
ところがである。
「あ、店長、こんなもの見つけたんですが、これって食べられますか?」
ぴょん子ちゃんが持ってきたのは、やはりチュウ太郎であった。うーん。どうしよう。
仕方なく、俺は力を加えて、チュウ太郎を人型にした。かわいい感じの男の子になった。うん、これで、いいか。
「か、神様、これは?」
「あ、ちょっと人化したんだけど、これで大丈夫かな?」
「あ、ありがとうございます。」
俺は、手薄になっている神殿で働いてもらうことにした。まずは、掃除からかな。
俺が神殿から帰ってほっと一息ついてハンモックに座っていると、向こうから遊んで欲しそうにシェールが覗いている。うーん、どうしたもんか。俺は仕方なくシェールに向かって手招きをした。
すると、あるはずのない尻尾をぱたぱたとふりながら、まあそう見えただけだけど、シェールがきた。暇なら、これ、やってみるか?俺が取り出したのは、取り寄せで手に入れた単純なゲームの機械だ。
「おい、シェール、この間の戦闘、シェールも知ってるだろ?」
「うん、も、もちろん。ボクちゅっちゅしてもらったこと、忘れてないヨ!」
「ば、ばか、それじゃないよ!俺が言っているのは、攻めてきた宇宙人のことだ。」
「あ、あの悪いヤツらね。」
「これは、そいつらを倒して、点数を競うゲームなんだ。」
俺は、ちょっとやってみせた。ほら、こうやって、どんどん攻めてくるのをこうやって、倒していくんだよ。でも、失敗すると、占領されちゃうんだ。面白いだろ。
俺はシェールに渡してハンモックに身を横たえた。
どのぐらい寝ていたのだろう。ちょっと夕方になっているようだ。ところが、今度は、大勢の家の女性たちが、わいわいとうるさい。どうしたんだ?
「こ、この宇宙人、やりますわ!全然倒せません!」
「私もさっきやったけど、結局たおされてしまいます!」
「どうやったら、全員を倒して勝利に持ち込めるのか、見当もつかない・・・・・。」
ワイワイガヤガヤ、うるさいな。
俺はそっと抜けようとした。
「あ、店長!どうやったら、相手を倒せるんですか!」
俺はギギギ、とケチャの方を向いて言った。
「練習して練習して、練習すれば、倒せるようになるよ・・・・」
しまった、これって、エンドレスなこと教えていなかった。どうも、勝つエンディングがあると思っているようだ。失敗した。
俺は、ワイワイガヤガヤああでもない、こうでもないという女性陣を尻目に夕食の支度を始めるのだった。
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