さよならタクト
亀です。いつもお読みいただきありがとうございます。
俺たちは、次の瞬間、その船の中に跳躍していた。窓から見ると、ちょうど、俺がすり替えておいた星が消失するところだった。なんてことだ!直すの大変じゃないか!
「めちゃくちゃね。あのレーザー、下手したら、私たちの恒星系ごと破壊できるほどの威力があったわよ。」
「まあ、知っていたから、弱めたんだけど、それでも、あの威力だもんねえ。参っちゃう。」
「次はどうすればいいんですか?」
「この船を動かしている生命コンピュータを停止させないとね。」
船の中で、中心部を探す。すると、俺たちの体がいきなり停止場につなぎとめられた。そこに、本物そっくりの3Dイメージである細長い生命体の姿が現れた。
女神たちを渡してもらうぞ。この日を我々は待っていた。こいつらの力さえあれば、こいつらを動力源にして、俺たちは永遠に宇宙に君臨できる。
「あ、こいつら、アホだったか。」
「ダーダー!」
ガブちゃんも呆れている。次の瞬間、ぴょん子さんが、現れて、壁に蹴りを入れた。すると、俺たちを縛っっていた停止場が消失した。
「やれやれ、マイクロブラックホールまで使うとはねえ。」
「知っていてもやられちゃうわよねえ。ありがとう、ぴょん子ちゃん。」
ぴょん子はにこっと笑うと、俺たちを案内し始めた。
そして、次はぴょん子さんごと、停止場に捕らえられた。
「これで、終わりだな。」
次の瞬間、クモ山さんが現れて、俺たちは、助かった。
「久しぶり、クモ山さん。ありがとう!」
俺たちは、中心部で足を止めた。
「よく来たな。これが、罠だともしらず。お前らは、この船ごと、圧壊される運命だ。まあ、死にはしないだろうな、女神たちはな。残りは消えろ!」
「ダダダ〜!」
俺たちは、どうやら、跳躍した。そして、目の前に、細長い生命体が大勢いる作戦室のようなところに出た。
「お、お前ら!」「ど、どうやって!」「し、信じられん。一瞬で、ここまで・・・・・。」
「ダーダ!」
ガブちゃんは、かわいそうな子供に言い聞かせるように、頭を左右に振って見せた。
そして俺たちは、前に別の場所に送った生物と一緒に、全ての生命体を拘束した。
次の瞬間、この星は、多くの船によって囲まれていた。
「かみさまー!」
1隻の船からイシュメル・アルファが出てきた。どうやら、お願いしていたことをしてくれたようだ。
俺は、全ての生命体の時間を巻き戻した。生命コンピューターの中に残っていた生命体も実体化させ容赦なく巻き戻した。しかし、記憶はそのままにしておいた。この星のリーダーだけを残して。
「なぜ、私の時間を撒き戻さないのだ。」
「あなたも、もうすぐ神になるからよ。」
「な、なんだと?」
「あなたたちの間違いは、神と人間は全く違う生命体だと思ったこと。そうではない。」
「生命体の中から、神に進化するものが、出てきて、そして、その力を行使するのよ。終焉を止めようとしてもいいし、また、別の宇宙に移って繁栄してもいいし。」
「今度は、あなたが責任を持って、神として、あなたの種族を導くのよ。このように、他から奪うのではなく、あなたが与えるの。」
俺は、リーダーに力を注いだ。すると、リーダーは、いきなり、びっくりしたような顔をした。
「わかったわね。」
「わかった、今となっては全てがよく分かる。なんということだ。申し訳ないことをしたようだ。」
「いいのよ。今度は、いつか、この借りを返してもらうわ。およそ、50億年後ぐらいかしら。」
「ああ、その記憶もすでにある。世話になったようだ。」
俺は、細長い種族を、神になったリーダーに託した。そして、俺たちは、バラバラになった惑星に、跳躍した。アテナ様が、星を元に戻した。そして、俺たちは、元の星に戻った。
「さ、やるべきことはわかっているわね。」
「ええ」
俺は、この星を元の星とすり替えた。
俺は、俺の嫁となった女性たちに別れを告げることにした。力を使いすぎたためこれから200年、寝なくてはならないのだった。そして、俺が起きた時は、誰もこの惑星上には、いないであろう。
猫カフェの中で俺は一人一人に別れを告げた。
「マーガレット、ありがとう!」
俺たちは、抱き合った。そして、軽く口づけをした。
「約束を守れなくてゴメン。」
ミリカが俺をそっと抱いてくれた。そして、俺たちは口づけをした。
「ご主人様、ありがとうございました。」
ランちゃんは、少し拗ねている。俺が、額にキスしたからだ。俺は、口にキスをやり直した。
「店長、愛してる・・・・・。」
俺は、ケチャの方を向いた。
「今まで、手伝ってくれてありがとう。」
「ケチャも店長のことが好き。大好き。」
俺たちは口づけを交わした。
「許しませんわ!愛していますわ!」
ベアトリス王女が俺にキスした。
「かみさま、ありがとう!」
リースとのキスは、秋の味がした。
アリーが飛んできて、口に吸い付くから、唇がふやけた。
「タックン!!すきすき!」
アイカとも、抱擁を交わして、俺たちは、キスを交わした。
「ありがとう。」
「私もありがとうですわ!」
そして、イーダとも。イーダは情熱的にキスを交わした。
「これで、見習いから、妻へと昇格ですわ!」
ケイトとの抱擁は長くそして、激しかった。
「タクト殿、立派でしたよ!」
俺たちはキスを交わした。
シェールはすっ飛んできて、俺は、床の上を転がされた。その間もシェールはチュッチュしてきた。最後は、俺はシェールを立たせて、軽く唇にキスした。
家を出ると大勢の人たちが、俺を待っていた。
コタロー、コジローを始めとする、猫ちゃんたち。コサブローもコシチも、俺に手を振る。
スミス殿とカトリーナも、きてくれたようだ。るーたん、ぽちもこちらを見ている。
タール様、ガウラン様、精霊王様と奥様。それから、猫カフェの常連の人々。セオドアも拍手してくれている。レティの姿も見える。相変わらずアーサーに絡んでいるようで、アーサーが助けて欲しそうにセオドアを見ているが、セオドアは無視しているようだ。ひどい。
先生と、奥さんのローラさんもいる。普通サイズに戻ったクルドさんと奥さんのメリンダさんもいる。メリンダさんは、串焼きを3本手に持っている。以前覚えている2倍のサイズになっていることは、見なかったことにしておこう。
猫神様、ミーちゃん様もいらっしゃる。クモ山さんとクモ山さん一家も健在だ。
神殿のみんなが出迎えてくれた。この神殿で眠るのだ。
メーたん様とるっちん様もいる。
すると、ミケとサーシャが虚空から現れて、両ほほにキスしてくれた。会いにきてくれたのか。
カストルが久しぶりにポルックスに会って喜んでいる。ガブちゃんの背中の上にのぞみちゃんが乗っている。ラフたんも楽しそうに浮いている。
アテナ様、アルテミス様、そしてヘーちゃん様が、棺のようなものの蓋を開けた。
「この中で200年眠るのよ。」
俺はみんなを見渡した。この世界の見納めだ。
「皆さんありがとうございました。」
俺は思い残したことを頭の中で考えた。まあ、死ぬわけではないからな。どうも何もなさそうだ。
アテナ様は、ゆっくりと棺の蓋を閉めたが、すぐ開けた。
「アテナ様、何かお忘れですか。」
「もう200年経ったのよ。」
な、なんですとー!
「で、サービスに200年、時間を戻しておいたから。」
「ということは!!!」
「ええ。みんなには、あなたが今入ってすぐ出てきたってうつるでしょうねえ。」
俺は頭を抱えた。
「あ、大丈夫。これは、私たちの祭りの出し物だって説明してあるから。」
「はあ?じゃ、みんなが集まっていたのは。」
「単に祭りの見物よ。」
え、じゃ、奥さんたちは????
「みんな知っていたけど、面白がって付き合ってくれたのよ。それにみんなあなたの気持ちが知りたいと思ってね。」
俺は、恥ずかしくて、その場にしゃがみこんで動けなくなってしまった・・・・・・・。とほほ。
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